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「あなたは僕の太陽でした あなたの熱と光のおかげで僕は育ちました」

こんなにも心を打つ弔辞を知りません。2007年6月7日、横山ノックさんのお別れの会での、上岡龍太郎さんの弔辞です。メモなど一切見ずに、全く噛むこともなく、滔々と言葉が続く。

そして、最後に、一瞬だけ言葉を詰まらせる。
その瞬間、涙が止まらなくなる。

「あの頃の時代はよかった」と年寄りじみたことを、つい言いそうになります。
かつてより、表現することが自由になった一方で、何かを発すると、言葉じりをとって、謝罪や炎上につながる昨今。

「なにも言えねー」そんな気持ちになる。
言葉を発することに臆病になる。
書くことが怖くなる。

今の時代、上岡さんが現役だったらどんなことを語るのだろうか。

芸能界の引き際は、実に見事だった。

そして、人生の引き際も、(わたしたち何も知らない人にとっては)、実に潔かった。

今、私たちは、潔さも歯切れのよさもなく、切れないナイフで、かえって誰かを傷つけている気がする。

さて。
この弔辞は、ノックさんを、「太陽」と表して語られます。

ノックさん あなたは僕の太陽でした
あなたの熱と光のおかげで僕は育ちました
あなたの温かさと明るさに包まれて生きてきました
ノックさん あなたはみんなの太陽でした

あなたが現れるだけで その場がぱっと明るくなりました
あなたが笑顔を見せるだけで みんな心が癒されました
ノックさん あなたは大きな太陽でした

あなたの前に立つと 自分がいかに些細なことにこだわり
つまらないことに悩み 取るに足らないことで人と争っているのか
自分自身の小ささを思い知らされました

ノックさん あなたは今 西の空を真っ赤に染めて
水平線の向こうに沈んでいこうとしています
でも僕の胸の中に 今も真夏の太陽の中のようなあなたがギラギラと輝いています

(中略)

人を笑わせるのに自分は泣き虫で 賑やかなことが好きな寂しがり屋で
ありがた迷惑なほど世話焼きで ああ見えて意外に人見知りで
甘えん坊で頑固で 意地っ張りで負けず嫌いで
天真爛漫で子どもっぽくて 可愛くて

ここに語られる太陽の様子は、まさに、命理学の「丙」そのもの。と思います。

昨年、上岡龍太郎さんが亡くなって、再び、この弔辞のすごさ、素晴らしさが語られました。

「弱みを見せず格好つけて口先三寸……。運と縁に恵まれて勝ち逃げできた幸せな人生だったと思います。縁を授けてくださった皆様方に深く感謝いたします」

ご子息(小林聖太郎さん)のコメント

上岡さんの息子さん、小林聖太郎さんがコメントを寄せられましたが、この言葉もまた、上岡さんのカッコいい人生を象徴するようなメッセージだな、と思います。

「丙」は太陽であり、太陽とは唯一絶対無二の存在であることを意味しますが、それは日干「丙」の人に限らず、私たちひとりひとりが、唯一無二の存在であり、私たちすべての人間が、自分の太陽を生きることを生きることを教えてくれている、そんな気がします。


\あなたの太陽は輝いていますか/

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