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負けない新撰組とは。

こんにちは、大手町くずろうです。

本日は、「組織というもの」について、考えて(妄想して)みたい。

理想のスモールチーム

個人的には、小さなチームは次のような形で成長していくのが理想だと思っている。安心感とともに生産性を高めたい。

ひとりでひとりぶんの仕事をするより、
ふたりでふたりぶんの仕事をする方がよくて、
さんにんでさんにんぶんの仕事をすると不思議と安心感が生まれて、
よにんでよにんぶんの仕事をするとなんだか余裕がうまれてきて、
ごにんでごにんぶんの仕事をすると自然とろくにんぶんの仕事ができるようになっている。
チームとはそういうものだと思う。

問題はこの先。

上記の流れでいけるのはせいぜい10人くらい。この流れのまま、20人になり、30人になり、40人になり、50人になるみたいな組織の成長は難しそう。たた、もっと社会的インパクトを求めたい。より大きな組織にしたい。でもピラミッド型組織してしまうと意思決定は遅くなり、主体性も失われかねない。だったらフラットな10名程度の小隊組織を増やしていくことで組織を大きくしたい。もしかしてこうやって新撰組型の組織モデルはつくられたのではなかろうか。

リッカートの連結ピン理論

新撰組という組織は、大雑把にいうと、局長がいて副長がいて、その下に組長(一番隊、二番隊・・・)が数多くいるという組織モデルである。鬼の副長である土方歳三が連結ピン(「リッカートの連結ピン理論」というものがあるらしい)の役割を巧く果たせていた。

ただ、この新撰組型のモデルは、百人将が三百人将になり千人将になり三千人将になるというようなキングダム型の組織とは大きく違う。キングダム型は組織内での次のキャリアを見つけやすいが、例えば、新撰組の一番隊組長である沖田総司の次に用意されるポジションは一体なんだったのだろうかと思う。

さて、新撰組は歴史に名を刻んだ組織ではあるが、結局のところ負けてしまった組織だ。といっても、そもそも負けたのは組織モデルのせいではない、笑。ただ、この組織、よくできているがおそらく長続きはしなかったのではないか、うまくストレッチできなかったのではないか、と思う。では、この組織モデル、どういまの組織にあてはめたら負けない新撰組になれるのか?を考えてみたい。

どうしたら負けない新撰組になるのか

おそらく土方がいくら優秀であったとしても、継続的に増えゆく組長の絶対的な連結ピンであることには限界がある。10人の小隊長たる組長10人くらいの連結ピンとなるのが、実際のところその役割を果たせる限界ではないかと思う。

組織が大きくなれば連結ピンたる副長が足りなくなる。だから組長が次に目指すべきポジションは副長である。

ただ、組長の次のキャリアとして副長を目指すとした場合、自分が育ててきたチーム(例えば一番隊)で成果を出し続ければ副長になれるというわけではなく、自分が育成に直接かかわっていない三番隊や十番隊といった小隊でも組長として成果をだせることを昇格条件とすべきだ。

単に、シンプルに人事ローテーションだ、笑。例えば、沖田総司と斎藤一が交代するようなイメージだ。所属隊士にとっては受け持っている役割に変更はない。ただリーダーを変える。一番隊の組長が沖田から斎藤になり、三番隊の組長が斎藤から沖田になるということだ。

お互い新撰組ではあるものの、それぞれの隊は違う組織文化(「沖田は猛者の剣、斎藤は無敵の剣」)で成り立っているだろうから多少は混乱は発生するかもしれない。しかし、一番隊に愛を注いでいた沖田が三番隊に愛を注ぎ、三番隊にいた斎藤が一番隊に愛を注いでいくことは、やがて大きな愛になる。このローテーションで新たに育まれる隊士との人間関係は、例えば、将来いずれかの組長が副長になったときの連結ピンとしてのコミュニケーションに大いに役立つ。

また、組長のローテーションは、各々の小隊に新しい気づきをもたらす。それは大なり小なりイノベーションを生む。猛者の剣と無敵の剣が交わってなにも起きないということはなさそうだ。

なお、このローテーションは、副長助勤(つまり組長)同士でだけでなく、勘定方や諸士調役兼監察のヘッドともランダムに行われる方がよい。

組長は何らかのスペシャリストでなければならないことを前提とするなら、組長になるまでは専門性をとことん磨き、そこからはこれまでの専門性を軸足にしつつ様々な成長機会を得て、幅のある人生を志向してほしい。

そもそも、同じ組織を長く担当するのはリスクだ。ローテーションは、大なり小なり暗黙知が形式知になるような機会ももたらすものだからリスクを減らすことにもつながる。また、戦闘中のリスク管理からいえば、例えばもし沖田がやられてしまったとしても、昔の組長である斎藤の隊への合流はしやすい。

最後に、組長のミッションは、次の組長を育成あるいは招聘すること、としたい。自分の後継者はだれであるかを常に意識させ、後継者がいないチームには外部からの登用を強く求めたい。

誰もが未来の隊士に活躍の場を与え続けていくことを共通の行動指針として意識できるなら、イノベーションを起こしながら組織を成長させることができる。「負けない新撰組」を少しイメージできるかもしれない。


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