高校で心が救われた はなし

大学入試で、高校入試のリベンジをしたいと思い、高校時代は勉強オンリーの生活だった。

中学では好きというわけではなかった数学が、高校では、なぜかハマってしまい好きになった。
もくもくと問題に取り組み、テストではその成果が出る。勉強は、努力を裏切らない。問題を解いているときは、円形脱毛のことを考える暇もない。
学校で指定の問題集だった青チャートを何回転もした。



高2からは理系のクラスに進んだ。
男子30人、女子10人のクラスだった。

中学後半~高校時代は抜けた毛が生えてくる段階だった。勉強に専念していて、あまり髪のことは覚えていないが、高3の頃には、外からはわからない箇所に脱毛がある程度にまで回復した。

高3の秋頃、左側面に一円玉くらいの脱毛ができた。「また外から見えるところにできてしまったかー」と内心思ったが、たいして気にせず学校に通った。


ある日、休み時間にクラスの男の子C君が、私の脱毛に気付き、後ろで別の男の子D君にそのことを話していた。
C君が「あれ、やばくない?」とD君に言った。
D君は「まぁな…でもかわいそうだから、あまり言ってやんな」と言っていた。

D君のやさしい言葉に心が救われた。

中学の入学式のB君や、高校時代のD君…

世の中には、悪気なく軽い気持ちで言う人もいれば、心ないことを言う人もいる。
でも、世の中には、人を思いやる優しい人も同じくらいいる。

私は、優しい人が自分の周りに、ちゃんといるということを覚えておこうと思った。

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