お楽し森の学校ってどんな学校?
子どものみなさんへ。
お楽し森の学校は学校といっても普通の学校とはちょっとちがう。そこには教室もなければ机もない。もちろん先生もいないんだ。そこにあるのは木や草がいっぱい生えた里山といわれる森。近くには池もあるよ。
そんなところでいったい何をするのって?森にはみんなの知らない不思議がいっぱいある。その中には、自分にとって本当に「楽しい!」と思えるものもきっとかくされているはず!みんなには5 回のプログラムで森の中に「自分で考えためっちゃ楽しいこと」を作ってもらうよ。お楽し森の学校はみんなひとりひとりが主人公。自分の本当にやりたいことを森でチャレンジしてみよう。さて、どんな「楽しい!」が作れるか?!楽しみ楽しみ。
このプログラムが生まれた背景
日本では近年まで里山が生活の一部として利用され、同時に守られてきました。そのなかで日本人は自然から多くのことを学び、自然と共生するという自然観を形成してきました。
しかし近年、生活の近代化とともに里山と人との関係性は薄れ、日本各地で里山の荒廃が進んでいます。
また子どもたちは身近に体験できる自然を失ったことで、自然体験から得ることのできる 「生きる力をはぐくむ機会」を失い、自然と自分とのつながりを感じることも難しくなって いる状況です。
プログラムの目的
三重県上野森林公園に残された元里山の自然環境を舞台に、環境教育という継続性の不可欠な分野を提供し、環境に対する興味や配慮を持ち、里山を身近で大切な存在としてとらえることのできる心を育むこと。また子どもたちが継続的な活動から自分たちの多様性を認め合い、自由な発想を形として実現することを通して、生きる力や主体性を育むことを目的としています。
コンセプトを達成するための手法(大切にしていること)
指導するのではなく、子どもが主体的に行動できるように促進し、子どもの育ちに寄り添います
落ちこぼれを作らない
こちらが用意したプログラム内容をやらない、という参加者(子ども)の選択をよしとする。
別のことをしていても、その別のことを楽しんで、興味を持ってやっていたらOK。ただし、こちらが何をしようとしているのか、常に伝えることは忘れない
指示的な関わり方をしない
リーダーとならない(作らない)
これまでの歩み
この事業では、2021年度12月から翌年3月の間に全5回の環境教育プログラムを実施しました。また、2022年度以降は前期、後期5回ずつに分けて年間10回のプログラムを開催する予定です。
この事業を通し、子ども達が、子どもたちにとってなくてはならない「遊び」、「遊び場」 を自ら考え創る力を育みます。
2022年度は、子どもたちが普段利用されていない森を「遊び」を通して整備することにより、それが里山保全に繋がるプログラムを実施します。また、それが単に「遊び場作り」に完結するのではなく、環境の保全やまちづくりに繋がる、ということを認識できる様に配慮し、子どもたちの参画が社会を創っていくことを伝えます。
学びのプロセス
体験学習法の循環学習サイクルをベースに学びを深めます
体験学習法の循環学習プロセス (計画→体験→ふりかえり→分析 仮説化) に沿って 「自分たちの目標達成の計画を立て、計画を実行し、 実行したことをふりかえり、 その内容を分析し、次にどうするか考え、 再度実行する」 というプロセスを繰り返すことで、効果的 に学びが深まります。
プログラム構成
このプログラムでは子どもたちが「自分の考えた”楽しいこと”森の中に実現する」という全体のテーマに基づき、全5回を以下の流れで進行します。
1日目
テーマ:お楽し森ってどんなとこ?森で遊んでみよう。
ショートゴール:森が面白い場所だと認識する。
2日目
テーマ:秘密基地を作ってみよう。
ショートゴール:森に楽しいことを作るための基本的な技を習得する。
3日目
テーマ:自分の楽しいことを考えて計画を立てよう。実際に作ってみよう。
ショートゴール:子どもたち一人一人が自分の楽しいことの計画ができる。
4日目
テーマ:森に楽しいことを作ろう①
ショートゴール:子どもたち一人一人が自分の楽しいことのイメージを大きく膨らませられるようにする。
5日目
テーマ:森に楽しいことを作ろう②
ショートゴール:子どもたち一人一人が自分の楽しいことのイメージを実現できることを目指す。
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