大会初出場で分かったトレラン初心者が知っておくべきこと
こんにちは。或るサー夫婦の「ツマ」です。
私は2022年9月25日~29日まで遅い夏休みを取得し、来月に控えるトレラン40kmに向けた強化合宿を和歌山県にて決行しています。
ということで、強化合宿シリーズを何回かに分けてお送りします。
今回は初めて出場したトレラン大会を経験して得た学びを記事にまとめます。
これからトレランにチャレンジしようかなという方に役立つと思います。
それではどうぞ!
1.強化合宿のスケジュール全貌
こんなかんじ。
オットは仕事なので今回は一人旅です。すまん、オットよ。
ちなみにオットはしっかりお盆休みに京都の実家に帰郷しました。
その際の私の堕落生活は次の記事にて。
2.私のトレラン適性について
そもそも私のトレラン適性というかランナーとしてのスペックがいかほどか、についてお伝えしておきますね。
まず、マラソンのトレーニング歴は2年ほどです。
途中数カ月単位で練習しなくなったりします。
今年の1月頃から半年ほど、自分なりに真剣にトレーニングをし、5月には55kmのウルトラマラソンを8:20:31で完走しました。
今年1月からのトレーニングについてはこの記事参照。
その後更なる高みと刺激を求めてトレランに手を出しました。
今までに2回ほどトレイルランニングツアーに参加しました。
私は関東圏住みですので、秩父や奥多摩などを中心にたくさんのツアーを開催してくれているセブンヒルズアドベンチャーさんの入門コースと初級コースでお世話になりました。
そして今回の紀泉トレイルでは20kmで4:51:05というリザルトで無事に完走しました。
ついでに登山歴にも触れておくと、実父が大の山男なので私の歩行訓練は山でやったと言ってもいいほど、幼い頃からよく山に連れて行かれました。
小学校高学年になると北アルプスの西穂高岳を父と登りました。
大人になってからはなかなか登山できていませんが、足元の悪い道を登る感覚は体が覚えていますし、山の怖さも理解しているつもりです。(だからこそ父の案内なしに安易に山に入れないという理由もある)
ざっと私のトレラン適性はこんなもんです。
3.トレランとロードの関係性
これからトレランにチャレンジしようという方にまずお伝えしておきたいのは、トレランの実距離はロードのそれとは全く違うということです。
体力面そしてタイムにおいてもちょうど2倍の関係性であると思っておくとよいです。
つまり20kmのトレランにチャレンジしたいと思ったらフルマラソンを走り切れる実力が必要です。
またタイムについてもフルマラソンでサブ5の実力があるとすれば、トレランではその半分の20kmを走るのにおおよそ5時間前後かかると思っておきましょう。
ちなみにトレランはロードと違い、一度コースに入るとなかなかリタイアできません。
走れなくなっても自力で下山することを求められます。
ケガなどでどうしても動けなくなった場合は主催者や救助隊などの援助を受けることになるでしょうが、そのようなことになれば多くの人に面倒をかけてしまいます。
トレランに限らず登山においても同じですが、入山するときは自分に責任を持つということがとても重要です。
4.トレランにのぞむ時の装備
まずはロードの大会に出場するときと同じ装備を準備してください。
その上で特筆すべきものをあげておきます。
●シューズ
舗装されていない山道を走りますので、靴底に突起があって滑り止めがしっかりしているトレラン専用のシューズを用意するのが良いかと思います。
私は今回長距離を走ってみて、シューズ選びに失敗していたことに気づかされました。
というのもトレランを始めたばかりでどのようなシューズが良いかがよく分からなかったので、サイズが合っていて、状態の良さそうなトレラン用のシューズをメルカリで入手していました。
このシューズでトレランツアーにも参加しましたが、ツアーでは休憩をたっぷり取ってあまり無理をしないランだったので分かりませんでしたが、今回の大会で20kmを走り続けた結果、後半の下りで足先が異様に痛み出し、かばいながら走りました。
完走後のゴール付近にトレラングッズの販売コーナーがあり、お店の方に足先の痛みについて相談すると、トレランシューズは足先から1センチほど余裕があるものを選ぶのがいいとのことでした。
販売コーナーではトレランシューズの試し履きができたので、私の足サイズの23㎝を履いてみると、確かに足先に1センチほどの余裕がありました。
(トレランシューズは少し大きめに作られているのかもしれません。)
そしてそのシューズは足幅が広く、重量も軽くて足運びが軽快になります。
お値段は18,000円だそうであまりの高級品に驚きましたが、店員さんによると毎週20kmのトレーニングを積んでも1年くらいは保つそうなのでコスパはいいかもしれません。
ランナーにとってシューズは最も重要なアイテムの1つですので、ぜひ試し履きをしてとっておきの一足を見つけてください。
ちなみに私が試し履きしたシューズはこちら
●飲み物と補給食
飲み物と補給食は多めに持参することをおすすめします。
なぜならトレランはエイドが少なく、置かれている飲み物や食べ物の種類も決して豊富ではないからです。
ロードの大会だとたくさんのエイドが設置され、その土地の名産品などをいただけるのが大会のウリになるほどですが、コースが山の中であるトレランはエイドも当然山中であるため、エイドに持ち込む飲料水や食料は主催者が背負って運ぶこともしばしばで、たくさんのエイドを設置することができません。
そしてなにより大勢の人が止まって飲み食いできる場所というのも山の中では限られますので、長いコースの中でエイドは1か所きりということも珍しくないようです。
今回の紀泉トレニック(20km)も来月出場予定の大会(40km)もエイドは1か所です。
という環境であるため、基本的にはエイドがなくても走り切れる程度の飲み物と補給食を背負って競技に臨みましょう。
●レインウェア
レインウェアもきちんとしたものを用意しておくことをおすすめします。
大会当日の天気予報が快晴であっても山の中の天気は変わりやすいです。
そして、ひとたび雨に濡れると体温はどんどん下がっていきます。
ロスト(迷子)したもんなら身体が冷えた状態で一晩越すのは危険です。
レインウェアは必ず持参し、できることならGORE-TEXなどの質の良い素材のものを用意しておくことをおすすめします。
●地図
コースの地図は手元に持っておいた方が良いです。
今回の大会ではコースの案内が分かりやすかったので幸いにも地図を広げるシーンはありませんでしたが、トレランはロードの大会のように案内係の大会スタッフはいませんので、ロストする可能性はロードよりも高いです。
そして万が一ロストしてしまったら自分でコースに復帰するか下山できることが理想です。
少なくとも山愛好者必須アイテムであるYAMAPをスマホにインストールしておき、事前に地図をダウンロードしておくといいでしょう。
(といっても私もYAMAPを使いこなせていません。トホホ・・)
そしてスマホのバッテリーを持参しておくのが無難です。
しつこいですが最悪の事態の為に。
●その他あると良いもの
救急セットもあるといいでしょう。
包帯や絆創膏などがひとまとめになっているものが一つあると安心です。
ロードと違って大会の関係者がそこかしこにいてくれません。
何らかの緊急事態が起きても基本的には自分の身は自分で責任を持つ覚悟で取り組まねばなりません。
また、挙げるときりがありませんが、ヘッドライトもあるといいです。
今回の大会では私は持参しませんでしたが、ロストを考えるとあるに越したことはないですし、夜通し走る大会などでは持参が必須になっています。
5.コースについて
トレラン初心者は山道を迷わず走れるのか、という心配をお持ちの方もいると思います。
何を隠そう私もその一人。
しかし実際に大会に参加してみて、想像していたよりもスムーズに山道を走ることができました。
コースには迷いそうなところにサインを付けてくれています。
今回は赤いリボンが所々の木々に取り付けられていました。
(大会終了後にきちんと回収されます。)
このリボン、実は大会時に限らず登山者が多い山のコース上には管理者が似たようなサインを木に括り付けてくれていることが多々あるので、登山を頻繁にされる方にとっては見慣れたものだと思います。
しかしこれ、普段あまり登山をしない方にとっては少々分かりにくいかもしれません。
できれば、このリボンによる案内を見慣れるためにもトレランを始める前に一般的な登山の経験を積まれることをおすすめします。
最後にトレランコースは整備された場所ばかりではないことを忠告しておきます。
私は今までの人生で多くの山を登りましたが、基本的には登山者が多い人気の山を登ってきました。
そのような山の登山ルートと今回のトレランコースとの大きな違いは、登山道が十分に整備されていない、という点です。
驚くような細い道にもかかわらずロープの1つもなくて、気が抜けて体がふらつこうもんなら谷底に転がり落ちそうになる・・そんな場所が沢山ありました。
基本的には木々が生い茂っていますので、命を落とすということはないでしょうが、打ち所が悪ければ骨折くらいはしてもおかしくはありません。
トレランでは、慣れない未舗装道を走って体力も集中力も削られます。
悲しい結果を起こさないように、日ごろのトレーニングと競技中の体調管理(水分、補給食の摂取などを含む)を十分に行うことが大切です。
6.トレーニングについて
トレランにのぞむにあたって必要な初歩的なトレーニングは、①持久力をつけること、②山道に慣れることの2点だと思いました。
①の必要性は何度も言うように、とにかくゴールできること、何かあっても自力で下山できる体力を身につけることです。
前述の通り、トレランとロードとの関係性はおよそ2倍換算になりますので、トレランで20kmのコースを走り切りたければ、ゆっくりでもフルマラソンの距離をある程度余裕をもって走り切れる実力が必要です。
また、②の山道に慣れることについては、先述の通り道案内サインのリボンに見慣れることに加えて、木の根や岩など足元が悪い環境を進行することに慣れることが重要です。
山道で地面に着地する際、ロードとは異なり足が地面にピッタリくっつくことはほとんどあり得ません。
大きな木の根などを避けて走ったとしても、細かい石などが足裏に触れ、地面の凹凸に応じて足首が普段とは違う角度で着地します。
その状態に足首が慣れていないと痛めてしまう危険性があります。
私の個人的な感覚ですが、トレランの大会に出場する前までに累計10~20回の登山を経験しておくことをおすすめします。
ちなみに、上りのトレーニングについては初心者はあまり必要ないように感じました。
というのも私自身、今回の大会出場にあたって苦手な上りを多少なりとも改善すべく、河原の土手を上り下りして坂トレをしてみましたが、大会ではほとんど上りで走ることは叶いませんでした。
実際、かなりトレーニングされていそうなタフな体つきをしたランナーも上りは歩くという方が数多くいました。
上りで走るというのはかなりハイレベルなことなのです。
まずは山道のフラットなところと下りをしっかり走り、無事にゴールできることを目標に、ひたすらロードの長距離をこなしたり、心拍の強化をはかって持久力をつけることをおすすめします。
次回も引き続き【強化合宿in和歌山】をお届けします。
次からはもう少し旅日記な内容になる予定です。
どうぞお楽しみに♪