OTと対象者の目標の共有について
人はADLに加え、社会や家庭における役割、日課や趣味など、さまざまな作業で構成された日常生活を営むことで、心身の健康が維持・増進されている。
意味や価値を感じる作業は人それぞれ違う
→目標の個別性は高くなる
→対象者自身が目標設定に主体的に参加することが大切な要素となる。
〇共有以前の問題
言語の特性:言葉の概念が共有されているか?
地域性や年代の影響を大きく受ける。
OTと対象者で同じ言葉から同じイメージを持てるか?家事と聞いて何を連想する?
専門用語について
OTは「作業」など一般的な用語を独自の概念を共有しながら専門用語として使用しているものが多い。
意味の特性
作業の意味→行動の理由そのもの
意味の特性の理解とは?
社会的・文化的側面→共通の意味
個人特有の側面→内省と言語化によって表出
言語機能、認知機能、修学歴、語彙量などの影響を受ける。そのため地域の文化的特性や生活歴、疾患・障害の種類や程度などの情報を踏まえて表出された意味を扱うべき。
意味の多様性
作業に内包された意味は一つとは限らない
信頼関係ができているか
できていなければ社会的な意味を語るだけになるかも知れない。できていれば個人特有の意味が語られるかもしれない。
対象者の状況
大好きな趣味であっても、体調が悪いときや精神的に余裕がない時には関心が向かない。
状況によっても表出される意味が変化する可能性がある。
作業に関する情報を共有
作業療法の説明
対象者の作業療法に対する認知度は低い
個々の大切な作業の可能化に向けて対象者とOTが協働することをどう理解してもらうか
困りごとを共有
対象者の心理面や状況にふさわしい質問をできているか?
不安、緊張、戸惑い
まずは対象者の状況を十分に傾聴、観察、推察しながら、困りごとを共有することから協働を開始することから望ましい。
遂行文脈を共有
どんな性格や生活をしてきた対象者が、なぜ、いつ、どこで、どのようにその作業を遂行していたのかを十分に共有したい。
同じ名前の作業であっても、作業のやり方やその作業に含まれる要素はみんな異なる。そこには地域特有の文化的慣習や制約、個人のこだわり、趣味嗜好など、さまざまな要素が反映されている。
作業バランスについても十分に考慮する必要がある。1日、1週間などで作業を見渡し、望ましい作業バランスの構築を支援する視点も必要。