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おひとり様深夜ファミレス(流行り)

 一人でファミレスにきている。今現在、0時を回った。深夜のファミレスってなんかいい。適度な喧騒とお得なドリンクバー、人も少なくて、もちろん頼めば料理もくる。一人なのに大盛りポテトフライを頼んでみたりする。うん、楽しい。

 ここ最近、連日の雨のせいか仕事も趣味にもどうも集中力が無かった。学生の頃から集中したい時は環境を変えることがライフハックだった。あの頃は街中の図書館を渡り歩いたものだが、今やその代替はファミレスである。

でも深夜のファミレスの不思議な魅力をわかってくれる人も多いと思う。実際、それなりに敷居の高い深夜ファミレスを行動に移したのには大きな二つのきっかけがある。深夜ファミレスは流行っているのだ(多分)

まず一つ目が星野源さんのオールナイトニッポンだ。なんとファミレスから生放送する回がある。

深夜ラジオは長く聴いているけど、ファミレスからの生放送は初めてだった。もちろんこの回でも星野さんから深夜ファミレスの魅力は十分に語られていて、あまりの共感にラジオの前でうんうんと頷きながらきいていた。

仕事仲間とファミレスの思い出を話す星野さんたちを聴いていると、社会人なりたての頃、同期とファミレスで不満やら不安やら期待やら野望やらを語った日々をだんだんと思い出してくる。夜ご飯という名目で集まり、話が盛り上がったあげくパフェとか頼んじゃうあの感じ。よかったなあ。

ラジオだから声だけではあるが、音からつたわる独特の雰囲気は、私の深夜ファミレス欲を存分に駆り立てた。


二つ目はゲームである。その名も”ファミレスを享受せよ”である。ストレートなタイトルだ。(ネタバレはしません)

本作は2023年11月15日にスイッチ版がリリースされ、私もスイッチでプレイした。内容は、主人公が死ぬことも老いることも出ることもできない異空間であるムーンパレスというファミレスに迷い込み、先客たちと会話しながらムーンパレスの謎に迫っていくというものだ。

もちろんメインのストーリーは想像以上に深く面白い。謎は一気に猖獗を極める。最後にむけての伏線の回収は気持ちよく、エンディングはどこか優しく、温かい気持ちになれる。一本の映画をみたような満足感だった。

ただ、このゲームの醍醐味はタイトルの通り、ファミレスを享受することにあると思う。これは主人公が先客から言われるセリフでもある。曰く、出れないなら楽しめばいい。ドリンクバーもあるんだし。とのことだ。

辞書には享受とは”受け取って自分のものにすること。また、芸術美などを味わい楽しむこと。”とある。このタイトルの通り、ゲームにはメインの攻略とは関係ない会話も多くできる仕様になっていると思う。

ムーンパレスには時間の概念がない。ずっと満ちた月明かりが綺麗な夜で、とても静かだ。そしてそれがとても心地よかった。ゲームなのに何もしない事が許されるような気がする不思議な体験だった。

ゲームのレビューを見ても、こういう感想が目立ったような気がする。自分もムーンパレスに迷い込んで終わりのない休憩を楽しみたいと思っているのかもしれない。

ちなみに絵と音楽も素晴らしく、最近は音楽だけを楽しむことがある。


この二つが私が深夜にファミレスきている理由である。現在一時をまわった。お客は私ともう一組だけなので、やっぱり流行ってないかもしれない。でもたまにはいいなと思うし、何よりいい時間だった。また集中したくなったらこよう。

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