その一.アクションラーニング基礎講座まとめ
こんにちは、秋山です。
さて今日から2日間は、先週受講したアクションラーニング基礎講座での学びをまとめます。
事前に代表の清宮さんの書籍は全部目を通し、その源流であるマーコード氏の書籍も読んでいたので、わかったつもりではいたのですが、本当にわかったつもりでした…はずかしい!
講義から気づきがあることはもちろん、一緒に参加した方々のコメントからも学ぶことがあり、これこそが「誰かと一緒に学ぶ良さだな〜」と大学院を思い出した瞬間でもありました。
その一では、アクションラーニングについて追加で得た知識を。その二では、セッションを体感することで感じたことをサマリーしていきます。
問いが支援型リーダーシップの基盤となる
これからの人は、たくさんの知識を蓄えているよるも、考える力をより求められます。それは日々正解が変わっていくからです。
その中で、答えや助言を一方的に押し付ける指示命令型のリーダーシップでは不十分で、問いかけによってメンバー自身が考えることを支援する支援型のリーダーシップが求められています。
この支援型リーダーシップを開発するのが、質問中心のアクションラーニングです。
アクションラーニングの5つの効用とその理由
アクションラーニングには5つの効用がありますが、なぜそれが生まれるのかセッションを受けてみて、自分なりの考えをまとめてみました。
創造的な問題解決
個人能力の向上
支援型リーダーシップの開発
自立型チームの育成
活気ある風土作り
創造的な問題解決が可能になるワケ
アクションラーニングでは問題の真因に迫ります。Aだと思っていた問題が、問いによってより本質的なA'へと変化し、そこから生まれる解決策も、より本質的で創造的なものになります。
解決策を議論し合う会議では起こり得ない、対話を通じてさまざまな視点から問題を見るからこそ生まれるダイナミクスがそこにはあります。
個人能力の向上が起きるワケ
アクションラーニングでは、問題の真因に辿り着くために、さまざまな方向から問題をみるため、俯瞰してみたり多面的に見る癖が付きます。また絡まった問題を紐解いていくプロセスは、システム思考そのものです。さらにこのプロセスを一人ではなく、複数人で行うことでチームワーク力も身につきます。
システム思考、チームワーク、リフレクション、質問といったスキルが向上します。
支援型リーダーシップが向上するワケ
指示命令ではなく、問いかけによって問題の真因にたどりつくのがアクションラーニングです。このプロセスをリーダーが体感することで、今まで自分が指示命令しすぎていたことや、メンバーに実は高い思考力があること、メンバーが意見を持っていることに気が付きます。今までのリーダー像をアンラーニングし、メンバーを育成できる、チームを育成できるリーダーに変わるチャンスがあります。
講座の中で、群盲像を評すを使って説明するシーンがありました。
目の見えない人たちが象を触り、これは柱・ロープ・壁だと口々にいう中で、あなたは一人目が見えている。この象は道を塞いでいて、チームでこの象を動かさないといけない。目の見えてるあなたは、お尻を叩くなどして象を驚かせばいいとすぐにわかるが、他のメンバーは目がみえてないので、「なぜ壁を叩いて壁が動くのか!」と反論するか「まあ叩いてやるか」と渋々対応するのがオチ。さあ、どうする?
これを現実に置き換えるとこうです。
リーダーであるあなたは、過去の経験からこの問題はAという手段を使えば解けると思っている。しかし他のメンバーはこの問題を、正しく捉えておらず、一部だけ切り取って別の問題だと認識している。問題を正しく捉えていないメンバーにたいして、解決策Aを伝えても、反論されるか無視されるか渋々対応されるのがオチ。
この状況で解決策をどんなに話し合っても、みんながここから納得することはありません。みんなが方向に腹落ちし、Aという解決策に全力で取り組むためには、これが「象」であるということに納得する必要があります。この納得までにプロセスが、アクションラーニングの問いでありリフレクションなのです。
自律型チームが育つワケ
自律型チームとは、チーム自体が問題を考え対処していくことができる状態です。現代の組織がもっとも求めている状態ですよね。
アクションラーニングは、自ら問題提起し深く思考します。さらに、他人の問題を自分の問題と捉えるきっかけがあったり(同意不同意を尋ねるプロセスがある、チームの雰囲気を尋ねるプロセスがある)、参加者同士のチームアップが行われる(他のメンバーが自分の問題について真面目に考えてくれることでメンバーを身近に感じる)ことで、チームの一体感と主体性が育まれます。
活気ある組織作り
これからの結果として、活気ある組織作りが可能となります。アクションラーニングは、チームが進むべき方向を明確にし、それを自分の中に落とし込み、自己の課題抽出力と解決していく実行力を養うことができる手法です。また、自分がチームの成果に貢献してると感じることができ、コミュニケーションが円滑で、なんでも言い合えて、リーダーシップや信頼感を生み出します。
学習が起こるとき
アクションラーニングは、アクションとラーニングの融合です。ではどんな時にラーニングが起こるのでしょう。
本人が一番、何を学習したのかを知っている
「このセッションから、何を学びましたか?」アクションラーニング講座の中で、ひたすら浴びせられる問いです。まさに浴びせられると言っていいほど、繰り返しこの問いに答えていきます。
人は問われると思考のツイッチが入り、どうしても考えてしまう。学んだこと、学んだこと….と頭を整理し捻り出すプロセスが、経験を学びに転換するプロセスになります。
さらに言えば、「〜というセッション中の出来事のなかで、〜を学びました。」と口に出して外化することで、学びに自覚的になります。ただ思っているだけではダメで、声に出してみる、文字で書いてみることが大切です。
変化を受容できる安全性
人間変わるのは怖いものです。通常、自己変容を伴う学習は恐怖が伴うものですが、ALはこれを軽減します。なぜならチームとして考えたり、悩んだりするからです。チームのみんなが協力的で一緒に導き出したものだったら、ノってみようと思える、背中を押される感じがする。そんなことが起きます。
事実、初めて会った参加者同士でも、お互いのことを旧知の中のように感じたり、実際に会ってみたいなと感じる不思議な感覚がそこにはありました。
違和感を大事にする
ALの面白い仕掛けに「同意・不同意を聞く」があります。
通常の会議では「これでいきましょう!」となったとき、ちょっと違和感があっても、面倒だったり、怖かったりして違和感を口にすることは稀です。
一方ALでは、少しでも同意できなければ、不同意と意思表示し、全員の同意が得られるまで質問が続きます。
さらに面白いのが、不同意の理由は説明しなくていいのです。同意ではありません、という意思表示を安全な空間でできることが、自由闊達にディスカッションする土壌をつくっていきます。
ALの目的は、全員が同意することではなく、同意点を探るものでもありません。同意点をさぐらないと、プロセスの中で大局的なシステムを見ることができ、自分以外の人が物事をどうみているのか俯瞰してしることができます。
ALで扱うのは、適応課題
適応課題とは、技術課題とついになるワードです。
適応課題=自分や組織の信念体系(無自覚に持っている前提となるものの見方や考え方)に根ざしており、今の信念体験のままでは解決することが難しい問題。解決するためには信念体系の一部を変更または手放すことが必要。
技術課題=問題の原因にたいして、自分や組織が保有する知識や経験では対応できない問題。必要な知識や技術を習得する必要がある。
ALでは、足りないなら補えば良いという技術課題ではなく、変容学習が必要な適応課題を扱うことが肝です。
技術課題は、問題解決思考で不足を補うことができますが、多くの適応課題は不足を補うのではなく今あるものを手放したり変容することが必要でロジカルなアプローチだけでは解決に限界があります。
なぜなら、アップデートが必要だったり手放すことが必要な信念体系とは、不合理だったり、昔は合理的だったけれども今は不合理、なものが多いためです。不合理なものを。合理的なアプローチで解決していくのは困難です。
参考になった問い
存在そのものを問う問い
そもそもなぜそれは存在するの?
時間軸を聞く問い
いつからそうなの?
10年後今のままだったら、自分はどう感じる?
ここでいう〇〇感って具体的になんですか?
個人的感想
本や論文ではわからない良さを体感することができた二日間だった。
なぜ問いだけでチームアップできるのか、なぜ問いがシステム思考を鍛えるのか。わかったようで分かってなかったことが、するっと入ってきたので、やっぱり体験に勝る学びはないなと感じた。
明日は、AL基礎講座に参加して自分自身が感じたことについてまとめてみます。
以上!
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