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なぜ大人になると妄想ができなくなるのか(「むかしのはなし」を読んだ感想文)


ハロー、u子です。
妄想力の衰えをどうにかしたい話です。



今回読んだのは「むかしのはなし(三浦しをん/幻冬舎文庫)」。
三浦しをんさんの文章は、読みやすくて好きです。読書を好きになる後押しをしてくださった作家さん。

今回も面白かったな~と満足した後、ハッとして青ざめました。

わたし、最近いつ妄想したっけ?!

(ガーン!)


思春期は"妄想族のu子"というキモ異名まで賜っていたのに。
それなのに、どうして……(ガガーン……)

「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」という三宅香帆さんの新書が話題ですが、「なぜ大人になると妄想ができなくなるのか」を知りたい。
本を読んだわたしはそう思ったのです。


本の話に戻します。コホン。

「むかしのはなし」は日本昔話をベースに、現代(?)風に書かれた作品。
日本昔話は基本的にめでたしめでたしで終わりますが、三浦しをんさんが許してくれる訳がありません。


そう考えると、地球を滅亡させるのは隕石そのものではなく、隕石を恐怖する人間の想像力だ。現に、まだ隕石はぶつかっていないというのに、日常はあちこちで壊れはじめてしまっている。

p.271より抜粋

人間の脳は放っておくとマイナス思考するようにできています。
危機管理能力のひとつですね。

想像力を働かせることで助かることがあります。
その一方で、過剰な恐怖心から生じる想像力は、世界を一変させてしまう破壊力もあります。

ここで、「想像力は大人になるほど強くなり、妄想力は大人になるほど弱くなるのでは?」と仮説を立てました。
なぜなら、想像力で人は助かっても、妄想力で人は助からないからです。

妄想というものは、とにかく自分都合。
現実と照らし合わせる必要はナシ!楽しければオッケー!


なぜ大人になるにつれて妄想ができなくなるのか。


人間の脳は、過去の経験をパターン化して参照することで、認知に必要なエネルギーを節約していると言われています。(「ヒューリスティック」というらしい)

いちいち考えなくていいというメリットはありますが、省エネな生き方をしたいんじゃない!燃やせ、命を!!!!!!!!


どうしたら妄想力が鍛えられるのか。


併読していた「Q思考(ウォーレン・バーカー著・鈴木立哉訳/ダイヤモンド社)」に出てきた「ヴジャデ」という概念。
文字どおりデジャヴの反対で「改めて確認すると、初めて見た気分になること」

少し前に話題になっていたリスキリングも同じで、自分の常識や固定概念を覆す
これは積極的にやることで、日常に少しの妄想の余地が生まれる、かもしれない。




未来のことは想像するしかない。恐れず、妄想もしよう。


おしまい

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