『虎に翼』 この新しい昭和の時代に……! /進学が当たり前ではない時代があった
こんにちはと初めまして。おすぬです。
今週から始まった朝の連ドラ『虎に翼』。
昨日からネットニュースでも話題になってます。
舞台は昭和初期の東京。
昭和への期待に満ち満ちていた時代です。
昨日の回では、主人公・寅子(ともこ)(伊藤沙莉)は法律を学びたいという進路を母(石田ゆり子)に強固に反対されていましたが、最後は母が寅子の背中を押してやる展開で終わりました。(俳優さん敬称略)
そのときの母親のセリフがこんな感じ。
「この新しい昭和の時代に、自分の娘にはスンッとしてほしくない」
※スンッ……でしゃばらず控えめでいること(多分)。
「新しい昭和の時代」ですと……?←私はここに引っかかった笑
昨今の、昭和末期のイケイケ文化を揶揄する風潮とはまったく異なる昭和観です。
🔸女性の進学率はとんでもなく低かった
さて。ドラマでは六法全書を買いに行ってたけれど、この時代、六法全書を買える家庭はどのくらいあったのだろう。
1割?もっと少ない?
戦前の女性の進学率はどのくらいだったのだろう。
戦前は尋常小学校を卒業したあとの主な進学先は、男子は旧制中学、女子は高等女学校とされていたそうです。(現在の中学高校にあたる)
内閣府の資料によると
ドラマの寅子は高等女学校を卒業するころですが、寅子の時代の高等女学校への進学率は15%ほどだったようです(数字を言われても実感はあまりないけど)。
さらにそこから(六法全書を買うような)上級学校に進むとなると進学率はさらに下がる。卒業後はお見合い結婚(または花嫁修行?)が主流だったらしいので、それこそ5%とかそれ以下だったのかもしれない。
先人もいない茨の道です。
ちなみに戦後の男女別進学率の推移はこちら
見ずらいけど女子の大学の進学率は昭和29年で2.4%。(2.6%は短期大学?)
めちゃくちゃ少ない。男性でも13.1%。
高校への進学率(点線)は男女ともに高度経済成長期に急上昇しています。
🔸学校にろくに通えなかったと話す高齢者
話は変わりますが。
私はご高齢の方と接する仕事をしていますが、家の事情で学校にまともに通えなかったとおっしゃる女性がときどきいらっしゃいます。
親が事業に失敗した、満州から引き上げてきた、親戚の家に預けられた……経済的な事情から両親が外に働きに行き、大人の代わりに家事全般をやらされた。
水汲み、炊事、洗濯、子守りetc.。現代の家事からはとても想像できない重労働だったそうです。夜は眠くて勉強などできない。
そのような方から、
・役所からのお知らせが読めないから代わりに読んでと頼まれる。(役所のお手紙は漢字が多く一文が長い、本当に読みづらい&わかりにくい)
・文字がまともに書けなくてごめんねと買い物メモを渡される。(ときどき漢字があやしい)
女性だけでなく男性も。
中学卒業して集団就職で上京してきたという方もおられました。独身の方は出身地のことを懐かしそうに話してくれるけど寂しそうにも見えた。
寅子のような女性の進学は(女性だけでなく男性だって)当時ものすごくものすごく珍しいこと(恵まれていたこと)だったのだ。
ドラマには奉公先のお使いに行くような少女や、昨日の最後のシーン(お茶の水の聖橋?)には自分の背丈よりも大きな荷物を背負った行商の老女の姿もありました。
社会の隅で働いているそのような女性のことも忘れていないよ、その人たちのために寅子は学ぶんだよっ、てことを伝えてるように思いました。
来週からも楽しみです。
こちらの企画に参加しています。
画像は めでたいこ様 にお借りしました。ありがとうございます。
それではこれにて。ありがとうござました!
(ライラン29日目)