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自分の、自分による、自分のための時間
皆さん、こんにちは。
今週は楽しく過ごせましたか?
高校時代に、人民の、人民による、人民のための政治という言葉が放たれたエイブラハム・リンカーンのゲティスバーグの演説を30-40分くらいで暗記するほどの記憶力を持っていた自分も、今や目の前に座るはじめましての方の名前を必死で意識しないと忘れてしまうほど記憶力が落ちぶれましたが、そんな話はさておき(笑)、今日は「自分の時間持ってますか?」っていう問いかけのイントロ的な投稿をしたいと思います。既にこれまでの投稿でもひょっこり顔を出しているのですが、自分がなぜコケの画像をサムネイルに設定しているのかにもつながります。
働いていたり、家庭があるとなかなかそういった時間を作ることは難しい方もいらっしゃると思いますが、やはり自分自身の時間、これは大切だと思っています。ビジネス的な観点でも、ペンシルバニア大学ウォートン校の看板授業と言われる、スチュワート・D・フリードマン教授による『トータル・リーダーシップ』でも、4つの構成要素「仕事」 、「家庭」、「コミュニティ」、「自分自身」として、「自分自身の時間」にも重きが置かれています。今日の投稿は、ビジネス的な意味で銘打っているわけではないのですが、誰かと何かをする活動全般においても、結局、自分自身の時間は大切になってくるということは強調しておきたいと思います。友人との人間関係であれば、距離感をコントロールすればよいと思っているのですが(前回投稿「ちゃんと聞いてますか?聞かれてますか?②」もご参照)、リアルな話、家族となると関係性が硬直化してしまっていて、なかなか難しいという意見もあるようですから、簡単に書くな、とお叱りを受けることもあると思います。ただ、やはり「人生」という言葉は重く大切で、それゆえ自分自身の時間というのは「あなたの人生」であるからこそ、思い込んで納得するのではなく(ここ重要)、素直に楽しいと感じる人生を追求する上で、必須の構成要素になると考えています。逆に言うならば、誰かと過ごすことも素晴らしいのですが、ある程度人生を積み重ねてきたミドルエイジ以降で、ひとりで時間を過ごせないからだになってしまうのは心配だとも感じています。
さて、自分自身の時間を「持つ」ことがまず前提ではありますが、自分自身の時間を「活かす」ことのメリットについて、ぼくの考えをまとめてみますと、大きく分けて、
① バッファー機能 → 守り
② わくわく機能 → 攻め
の2つがあることに気づきます。1つ目のバッファー機能とは、仕事や人間関係のストレスなどを緩衝する、回復機能であり、守りの機能を意味します。2つ目のわくわく機能とは、他者との時間を減らしたくなるほど、自分が没頭してしまうかもしれない、活動機能であり、攻めの機能になります。ここで強調したいのは、①と②は決して縦割りで別々の2つではなくて、同時的、重複的でもあると考えています。自分自身の時間を活かすとなぜこうした機能を得られるのかを、少し具体的に書いてみようと思います。
【バッファー機能】
物事や関係を改善していく上では、立ち向かわなければいけない側面があるのは事実で、解決策を見出すためには考える、話し合う、行動に移すなどのアクティブな取り組みは必要です。しかし、ひとによってはそういった時間の連続では疲弊してしまうと思うのです。オフの時間が、オンの時間を効果的にする力はあると考えています。また、ひととの付き合いの中で傷ついたりした際にも、自分の中で悩み考えを巡らしてしまうと健康を害する危険性もあると思います。ですから、今起こっている現象から一歩引いた時間を過ごすことは大切で、ストレス回復にもつながると思います。自分のオススメとしては、ただ受動的に時間が過ぎる映像や小説も悪くないとは思うのですが、おそらく、ペースをコントロールできるような読書、それも良書(哲学や科学など)をじっくりといった、理解や納得を得ながら、立ち止まったり、考えたりする隙間時間を挟みつつ、流れる時間を堪能するような過ごし方が効果的なのではと思います。他にも、アート作品、特に現代アートと対峙することも、同様の思考循環が可能です。以上の2つは人の制作した作品との対話になりますが、ひとがコントロールできない世界に没入することも一味違うバッファーとなります。具体的には、ひとりで山に入って自然と向き合うことです。こうしたオススメに共通しているのは、生活と一線を画す世界で、情報を受け取る受動性、そこにただ身を置く中立性、情報を読み解く能動性を廻る行為、であることだと思います。アナザーワールドを持つことが、リアルワールドと向き合う上で役に立つというわけです。
【わくわく機能】
読んで字のごとく、説得力のあるメリットだと感じています。「わくわく」とは、「未来への期待」です。つまり必然的に前向きな感情なわけです。そして、誰かが作ったわくわくも決して悪いものではないのですが、自分が作るわくわくが大切なのではと考えています。作ると言うのも、考えを巡らせたり、実際に手を動かしたり、行動する、といった広い意味で捉えていただいて良いのではと思います。自分に素直に、自分が楽しいと感じることをやってみる、たとえそれが些細なことであったり、他者にはどうでもいいことかもしれなくても、やってみる、そういう時間が自分のスケジュールに入ってくると、人生がパラレルワールド化します(笑)。 このメリットはまたいくつかあるので別の機会にまとめたいと思います。ちなみに、目的はあえてここでは書きませんが、自分がわくわくタイムのためにこの1ヶ月で購入したアイテムには、でんぷん糊(のり)、コンパス、発泡スチロールとそのカッター、ローション(下ネタではありません)、シリコンゲル、シャーレなどです(笑)。いつか公開するなにかが生まれるかもしれませんが、生まれないかもしれない、それでいいと思っています。そんな気楽な感じがオススメなのですが、結果として創造性への道、第4回投稿「人生の可能性について」で書いたような「リトルC」(c reativity)にもつながる可能性も秘めていたりします。
タイトルにもしましたが、素直に興味があることに受動性、中立性、能動性を循環しながら過ごす、これが「自分の、自分による、自分のための時間」だと思いますし、その結果としてひとを巻き込んでいったらそれは素敵なことだと思うのです。偉そうなことを自分から言うつもりはさらさらないのですが、こうした目線で自分が過ごしている時間を振り返り、自分自身の時間を見つめ直すことで、より良い過ごし方、没入する人生に道を広げていけるかもしれません。最後までお付き合いいただきありがとうございました。