このゼリー0kcalなのに炭水化物は8.9mgってどういうこと?って聞かれたので真面目に書いてみた。
こんばんは、おそのです。
ちょっと管理栄養士らしく、食品表示について語ってみようと思いますー。
ことの起こりは今日のお昼前
ダイエット中の我がボスが、食前のおやつを探していておっしゃいました。
「0kcalなのに炭水化物は8.9mgってどういうこと?」
確かに、よくよく考えると「ん?」ってなりますよねー。
簡単に解説いたします。
件の商品はこちら
https://www.tarami.co.jp/jellys/jellys-variety/deepgrape.html
そしてこちらが成分表示
うん、確かに炭水化物8.9mgって書いてありますね。
よく、炭水化物=4kcal/gと言われますので、これに則って考えれば
このゼリーは1個あたり35.6kcalってことになっちゃいます。
でも表示は0kcal。
どういうことでしょうか??
理由①:カロリーあっても「ゼロ」って書いて良い
これはわりと知っている人もいますが、食品表示法の定めるとこで言うと、0kcal=5kcal未満ってことです。
ちゃんとここにも書いてありました。
なんでこんな紛らわしいことOKにしているかと言うと、誤差の範囲だからってことらしい。
食品なので全部が全部同じカロリーってことはないですよね。育ち方や時期によっても違うし、A県で取れたぶどうとB県で取れたぶどうで違いがあるかもしれない。
それらを毎回毎回調査して、計算し直して、ってのは不可能だし、そもそもカロリーも計算で出しているので、このくらいは変動値としてみようね、ってことらしい。(と、わたしは習いました。笑 先生を信じる!)
ここで注意しなくてはいけないのは、これが何gあたりの栄養成分表示なのかってことです。
例えば100gあたりで表示されていて、内容量が300gだった場合。
そのゼリーは、15kcalかもしれないってことです。
(それでも低いけどね)
理由②:甘さの秘密、糖アルコール
炭水化物は、糖質と食物繊維の総称です。
そしてこの糖質も、いくつかの種類に分けられます。
ーーー↓つまりこういうこと↓ーーー
炭水化物=糖質+食物繊維
糖質=糖類+多糖類+糖アルコール
ーーーーーーーーーーーーーーーー
糖類は、砂糖とか果物の果糖とかですね。
多糖類はデンプンとか。
もう一つの糖アルコールは、キシリトールとかマルチトールとか、糖類を還元してできた化合物のこと。
物によって効果が違いますが、エネルギーとして利用しにくいものが多く、ローカロリー商品の甘味料として使われることも。
このゼリーにもエリスリトールが使われていますね。
エリスリトールはエネルギーにならない、つまり0kcal、だけど砂糖と同じくらい甘いので、カロリーなしで甘くできます。
ちなみに甘味料として使われているアスパルテームなどは、非糖質甘味料という添加物で、糖質もカロリーもありませんが、食品でもありません。
まとめると、
炭水化物(糖アルコールなど)は8.9mg入っているけども、
それはカロリーにならない(代謝されない)炭水化物なので
0kcal、というわけです。
※このゼリーの炭水化物が全て糖アルコールであるかはわかりません
最後に
書ききれなかった雑学の一部や聞かれる疑問を箇条書きにしてみる。
● カロリーの計算方法っていろいろあって、やり方によっては30kcal以上の誤差が出ることもあるんですぜ
● 食物繊維は0kcalじゃないけど、糖質の4kcal/gでもないんだよ(蒟蒻とか海藻とかの場合も同じ)
● 結局、ダイエットにはカロリーと糖質どっち気にしたら良いの?
● 糖質制限中に0キロカロリー系お菓子とか麺とか食べてて良いの?
また真面目に書きたいけどお尻叩かれないと書けないので
どれか知りたい人いたらわたしにリクエストください。
以上、拙い文章にお付き合いくださりありがとうございました。