どこの誰が作った服を着るのか
久しぶりのnoteです。
今回はいつものアパレル小規模生産の話から派生して、
私が関わるOSOCUというアパレルの話をします。
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突然ですが質問です。
今、これを読んでいるあなたが着ている服は
どこの国でどの工場が作ったものですか?
おそらく多くの人が気にも留めない点なのではないかと思います。
でもあえて、そうした目に見えない部分のデザイン(生産の設計や素材の背景)に注目した服との付き合い方を提案したいと思い、makuakeのプロジェクトを始めることにしました。
ありがたいことに、この記事を書いている今現在で
125人の方に応援購入して頂いています。
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makuakeさんの特性や伝える場を考えた時に、プロジェクトページでは想いを伝えることは少し控えたので、noteに書き記したいと思います。
お時間ある方、興味のある方に読んで頂ければ幸いです。
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今、世界的に環境問題への意識が高まり、アパレルの世界でもリサイクルや持続可能性といったフレーズがもてはやされています。
現代の技術を活かした様々なリサイクル方法はすごいものがあると思います。
しかし、一方で設備やコスト面からそうした手法を取れない中小企業が多くあるのもまた事実だと思います。
そんな中小企業でも最先端の技術は使えないけれども、サスティナブルな取り組みはできるのではないか。
そう考えた時、
シンプルに
自分の身近にある(国内、できれば地元)
気に入ったものを
丁寧に長く使い
直しながらさらに長く使う
これに行きつきました。
当たり前のことと言えば当たり前ですが。
でも結局はこの当たり前が色々な問題を減らすことになるんじゃないかと。
問題を解決するというより、問題を減らすアプローチです。
キーワードは
「ローカル・スモール・サスティナブル」
このキーワードの下、makuakeでのプロジェクトに向けて1型のシャツを開発しました。
発案から生産まで、できる限り私たちの地元(ローカル)である愛知県に繋がりがあることを重視しています。
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このプロジェクト通して、目指しているのは、服の地産地消のようなものです。
衣食住と並べられる割に、”衣”の生産背景は気にされることはとても少ないのが現状です。
高額な買い物である”住”はもちろんのこと、”食”も生産者や生産手法をある程度選べる時代になりました。
地方(ローカル)に行けば、長年地元民の指示を受けている銘菓を買ったり、地元名物料理を食べたりします。
地元の人が地元の食材を使う地産地消も一定の認知度があると思います。
しかしながら、”衣”は?
これらの点がほとんど無いと感じています。
ましてや生地がどことか、染めているのが誰とか、縫っている会社はどことか、冒頭に書いたように気に留める人はごく稀です。
今の服のコスパは素晴らしいものがあります。よくここまでのクオリティをこの値段でと正直感じます。
でも、「コスパ」が全てではないと思うのです。
生産に焦点を当て、作り手の職人さんに還元できる、そしてそれを購入者も知ることができる服があっても良いのではないか。
ハイブランドを身に着けると気合が入りテンションが上がる人がいるように、生産背景の分かるローカルなもので気分よく服を日々纏える人もきっといるはず。
地元民が愛用する衣服があり、それを旅行やビジネスで来た人たちがその土地ならではのものとして買う。
こうして沖縄から北海道まで各地で量産品のプリントTシャツではない、その土地で生まれその土地で使われる服が広まれば面白いのではないでしょうか。
きっと多数派ではないでしょうが、そうした動きが広まれば各地の生産背景も持続的な事業になるのではないか、とおこがましくも感じています。
makuakeプロジェクトはこんな想いを持ちながら準備してきました。
もちろん、服は生活の道具の一つですし、ファッションという側面もあるので、生産背景を必ずしも気にしなくても良いのかもしれません。
ただ、選択肢はあっても良いと思うのです。
今回は私たちの活動する「愛知県」に所縁のある素材・技術・体制を取っています。
縫製だけは東京ですが、OSOCU初期から協力してくれている縫製会社「OFURIYA」さんです。元々は名古屋にありましたし、私たちへの理解が大きな決定要因です。
今現在愛知県内にある縫製会社で、とももちろん思いましたが、取り組みへの理解や共感があることが今の私たちには必要でした。なので、形だけ“愛知県”に取りそろえることはしませんでした。
将来的には自分たちで必要な分だけ生産するという構想はもちろんあります。
愛知は愛知で、東京は東京で生産し、まずは地元で支持され着用されていくのが理想形です。
とはいえ何事も0か100かではありません。
現状よりも少しでもプラスの方向に持っていければそれで良し、と考えています。
「服の地産地消」
最初ステップである今回のmakuakeプロジェクト、応援頂ければ幸いです。