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がんという絶望をしなやかに乗り越える

ふ~んと聞いてほしい

母ちゃんにがんが見つかった時、
マジでか…と落ち込んだ。
ウソやん!?と否定した。
死んでしまう…と絶望もした。

が、1週間過ぎた頃からちょっと変わった。
母ちゃんのために何ができるか、とか
何をしないといけないか、とか
下向きな気持ちがちょっとずつ上向いた。

母ちゃんががんとわかって1ヶ月ちょっと。
ドドドーンと落ち込むことはなくなってる。

ボクは割と悲観的なんだけど、
そんな人間でも前向きな気持ちになってる。
で、それは「レジリエンス」のおかげかも。

レジリエンスとは、困難をしなやかに乗り越える心の回復力のこと

悲しいときや苦しいときに
少しずつ元気を取り戻す
『心のバネ』みたいなもの。

感情を無理に抑え込むんじゃなく、
受け止めて軽くしていく力なんだ。

ボクのアオハルの頃、
付き合ってた彼女にふられた。

もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対、
なんて絶対言わねえよバカヤローと絶望した。

が、その後、ボクは人一倍恋をした。
新しい恋をすることそのものが
レジリエンスだったのかもしれない。

で、母ちゃんの話に戻すと、
そりゃあ、ハァァァァ
とため息つくことあるけれど、

っしゃぁぁぁぁ
親孝行できるチャンスだぜいと、
ちょっと考え方を変えてみて、
重い気持ちを少し
吹き飛ばせるようにもなってきた。

実家に帰るのは年に数日だったけど、
母ちゃんががんとわかってからは、
1週間に1回帰ってる
ガソリン代がものすごいんだけど。

で、その結果、家族の会話が増えて
昔から口数の少ない父ちゃんから
「ありがとうな」と言ってもらえたり、
今まで恥ずかしくて言えなかった
感謝の言葉を母ちゃんに伝えられたり、

母ちゃん元気なままだったら
絶対になかった家族のやりとりに
嬉しくて涙目になって

どんどん溜まるガソリン代の
レシートを見てさらに涙目になるものの
気持ちが少し上向いてきた。

母ちゃんもボクと同じみたいだ。

これからどうなるんやろう…って
不安にかられることもあるけれど、

考えてもなるようにしかならんと、
家事したり、庭に生えた草抜いたり、
足の悪い父ちゃんの世話をしてみたり、

開き直って体動かしてると
割と不安になるヒマなくなるんだと。

で、たくさんの人が母ちゃん
訪ねてきてくれて、見舞ってくれて、
自分の命についていっしょに泣いてくれる。

そんなことは、がんにならないと
なかなかないことで、

それはがんになった人だけが
受け取れるギフトだと考えてみると
心はちょっと上向く。

抗がん剤の副作用で、吐き気したり、
発疹出たりしてるけれど、

母ちゃんも、そしてボクら家族も、
レジリエンスのおかげで
少し心を持ち直してきたぞと。

で、レジリエンスを高めるのに大切なことを伝えたい

それは心の回復力を認識すること。
ボクらには絶望的な気持ちから
しなやかに回復する力が備わってて、

それを認識して
ちょっと視点を変えてみることで
レジリエンスは高まるということ。

がんとわかる前の気持ちに戻ることはない。
このままいい感じで
ずっといけるとも思わない。
もう一段階、二段階上の
悲しいや辛いはやってくる。

けれどもボクらはそうやって
ひとつひとつの現実と対峙して、
でもって、しなやかにそれを乗り越えていく。

今は、レジリエンスのおかげで、
母ちゃんががんという絶望を
しなやかに乗り越えれるんじゃないかと
そう思えてるよ。

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