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谷川俊太郎作『生きる』


八月 七日 立秋
谷川俊太郎さんの詩集を読みました。

角川春樹事務所

その中の『生きる』は、読むたびに新たな感動を覚えます。
この詩に、タロット・カードを乗せたなら、どんなハーモニーが
生まれるのだろうかと思い、
詩の切れ目ごとにカードを一枚引きました。


一枚目に「魔術師」
二枚目に「月」
三枚目に「世界」
四枚目に「節制」
最終五枚目は「法王」。

このように、カードは合計5枚。
一枚目の「魔術師」に始まり、五枚目の「法王」に至るまで、
前向きに、ひたすら目の前の「生」を生きる人への
静かなメッセージが感じられるカードが並びました。

拙い写真ですが、詩の合間に差し込んでみました。
何かを感じ取っていただければ、と思います。






 生きる    谷川俊太郎


生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっとあるメロデイを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと



THE MAGICIAN
魔術師

      始まりのとき



生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと




THE MOON


生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ
THE WORLD
世界
生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が回っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと
THE TEMPERANCE
節制 天上の秩序
生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ


かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ
THE HIEROPHANT
法王



四枚目に「節制」が出、

五枚目に「法王」が出たとき、
胸の奥から熱いものがこみ上げてきました。

八月は命を考える月ですね。


(使用したカードは笠井あゆみさん作。大アルカナカードのみ使用)