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この春から新入社員として社会に出ていく君へ~自分に宛てた手紙~ | 2024→2011

学生最後の春休み。オーストラリアへの20日間バックパッカー旅を控えている時期ですね。
この春からいよいよ新社会人としてのスタートを切るまでの時間。
いま、どんな気持ちでいますか?
2024年から2011年へ、愛を込めて手紙を贈ります。


君の強みは素直さだ!

社会人になって、キミはこれから沢山の大人たちと出会っていく。

キミは人懐っこい性格で、熱意も持ち合わせているから、社内外ともに目上の方々から可愛がってもらい、後輩からも好かれるだろう。
飲みニケーションを大いに活用し、とにかく人と会ったら良い。

ただそこで勘違いしてはいけないのが、自分の耳に、心に気持ちの良いことばかりを取り入れるな、という事。

いつも同じ先輩や後輩と、心地よい場所で、自分に都合の良い事柄ばかりを話していると、思考が固まってしまう。
思考が固まると、次に起こるのは固定観念が強まっていく。

「これはこうある"べき"だ」
「これはこうなる"はず"だ」
「どうせこうなる"だろう"
これは素直さとはかけ離れた思考で、柔軟性と多様性からは対極にあるモノの見方だ。

同時に、上手くいかない時の話もしておこう。
キミの仕事、そして人生が上手く廻らない時は決まって「素直さを忘れた」時だ。

何をやってもうまくいかない時があるかもしれない。
周りが敵に見える時があるかもしれない。
上司や取引先のせいにしたくなる時があるかもしれない。
自分の無力さを生まれ持った能力のせいにしたくなるかもしれない。

そんな時は、握りしめているちっぽけな見栄やプライドは全部手放すんだ。

素直さがキミの強みだろう?
勇気を持って教えを乞うんだ。
恥ずかしい事なんて何ひとつない。

常に、素直であれ。

それを忘れた時、必ず上手くいかなくなる。
これは必ず肝に銘じておいて欲しい。

・・・

テクニックに走るな。

キミが新卒入社する会社には、ハイスペックの塊みたいな人たちがほとんどだ
高学歴で複数の言語をいとも簡単に操り、思考の速さでは太刀打ち出来ない猛者たちばかり。

その環境にいると、身が締まる思いで毎日を過ごせる。
改めて本当に素晴らしく恵まれているなと今でも思う

その環境下、憧れの先輩方に近付きたい一心で、キミは様々なテクニックを盗もうとするだろう。

キミの得意なモノマネを駆使して、仕草や話し方、持ち物なんかまで真似したくなる。
ただ、そこで一度立ち止まって考えて欲しい。

「本質は何だ?」

キミは決して、その先輩と同じになることはできない。
側だけを真似してみても、中身の無い薄っぺらい人間になってしまう。
そうはなりたく無いだろう?

中身を見るんだ。
本質を見抜くんだ。

これまでの人生では表層だけを見て物事の判断を繰り返してきた中で、急に本質を見抜くことなんてそう簡単に出来るもんじゃない。
正直言うと35歳になった今でもまだまだだな、と思う日々の連続。
ただひとつ、今この瞬間から出来るトレーニング方法がある。

それは、「なぜ?」を問い続けることだ。

このトレーニングを積み重ねていくと、考え方に厚みが出てくる。
発する言葉に変化が生まれ、いずれ人間力に繋がる。
キミが憧れるような人格者への道だと信じている。

・・・

集中すべきはどこだ?

社会人になると、仕事も遊びも勉強も恋愛も、沢山のことを同時にしたくなるし、やらざるを得ない環境になる。

ただ、これまでの学生生活で痛感してきた通り、キミは器用ではない。

まずはそのことを自覚して欲しい。
誰のためでもない、自分のために。

「Must / Can / Will の仕事の比率」について、尊敬する大先輩から教わる機会が来るはずだ。
詳細はその時の楽しみに取っておこう。

今伝えたいのは、興味のある仕事や、やりたくなる様な仕事はどんどん出てくるが、溢れ返ってしまっては結局他人(お客様や同僚)に迷惑を掛け、自分も苦しめるということ。

まずは自分のキャパを広げ、仕事の質を高めていくために、とにかく量をこなすこと。
すべて受け入れて、何でもやってみたら良い。

仕事が溢れ返ってどうしようもない経験をした時に、そこで気付いて知恵を絞れば良い。

どうしたら、この状況を打開出来る?
・人に頼る
・上手に断る
・効率化を図る

とにかく沢山行動して、壁にぶつかって、都度乗り越える。
そんな失敗の繰り返しで逞しくなっていく
キミなら出来る。

・・・

無難になるな。

ある日キミは、尊敬する海外駐在の先輩社員から「大野は無難やな」と言われる。
その言葉は悔しさや虚しさと共に、キミの中に衝撃が走る。
だって、これまで20年以上も出来るだけ悪目立ちしないように、他と一緒で居ようと努めてきたのだから。

就活中にも一度驚いた事、そして違和感を感じた想い出があったよな?
某大手商社の就活生が集まるイベントに参加した時のこと。
同じテーブルに着いたみんなで共通点探しをしましょうという問いかけに対して「変わってると言われた事がある人!」と、隣の就活生が元気よく口火を切った。
そこで手を挙げなかったのは、キミだけだった。

ハッとさせられたよな?
この社会の真理は「優れるな、異なれ」であると。

その先輩はその後にこうも加えてくれる
「大野は無難やな。大野勇者になれ!」。

心配しなくても大丈夫。
この先輩と別れ際に誓った、一緒にインドに行きましょう!という約束は数年の時を経て実現する。

・・・

夢中であれ!

ここまで沢山のことを伝えてきたけれど、手紙の締めくくりとしてこの言葉を贈りたい。

「夢中で在り続け、愛を届ける」

これはいま僕が人生のテーマにしている在り方。

社会に出てから本当に色んなことを経験させてもらった。
悔しい気持ちも、悲しい気持ちも、怒りの感情も、ほんとにたくさん…。

同時に、とんでもなく嬉しい気持ちも、計り知れないほどの感謝の想いも、伝えきれないほどの愛情も、数えきれないほど感じてきた。
いま幸せだなって心から思えてるよ。

この満たされた状態だからこそ、ドキドキとワクワクを感じている、社会に出る前のキミに手紙を書きました。

すべて未来に繋がるから、今この瞬間に夢中になっていような!
ありがとう。がんばろう。

2024年3月9日

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