老若日記-その22-運転免許返納のメリットは?返納しても快適に暮らせるコツ
近頃では、池袋で高齢者ドライバーが起こした死亡事故などによって、
高齢者は運転免許を自主返納すべき、という風潮ですよね。
都会で暮らしていると公共の交通手段がたくさんあります。
ですが、田舎で暮らしているとバスは1時間に1〜2本、バス停までは家から徒歩20分、なんてことも珍しくありません。
もちろん、スーパーに行くのも一苦労。
近くのスーパーまで徒歩だと30分かかる場合もあるので、高齢者が重い荷物を持って歩くのは至難のわざです。
75歳以上のドライバーが起こす事故の割合は、75歳未満のドライバーに比べて約2倍。
このデータから見ても、返納する方が安全なのはわかります。
ですが、実際の生活ができなくなるケースもあるので、良い面ばかりではありません。
そこで今回は、運転免許を返納するメリットのご紹介とあわせて、返納後の生活についてご提案したいと思います!
【参考文献】
・特集 「高齢者に係る交通事故防止」
I 高齢者を取りまく現状(内閣府)
・運転免許統計 令和元年版(警察庁交通局運転免許課)
免許を返納する人は増えている
警察庁のデータによると、運転免許を自主返納する人は増えています。
実際の数値としては、2018年に免許を自主返納した人は42万1,190人だったのに対し、2019年では60万1,022人と、1年間で約18万人も増えています。
自主返納した人のうち、半数以上が75歳以上となっており、高齢者の運転免許返納に対する意識が高まっていることがわかります。
免許を返納したら運転経歴証明書がもらえる
運転免許証を返納してしまったら、身分証明証がなくなってしまうという不安もあると思います。
そんな方のために、身分証明証の代わりとなる写真付きの運転経歴証明書があります。
自主返納と同時に申請でき、各都道府県の運転免許試験場、運転免許更新センター、警察署で取得可能です。
発行に必要な手数料は1,000円で、失効はありません。
一生涯使える身分証明書になります。
便利に思える運転経歴証明書ですが、サービスによっては本人確認書類として使えない場合もあるので注意が必要です。
ですが、運転経歴証明書を取得すると、様々なメリットがあります。
電車やバスなどの公共交通機関の運賃が安くなったり、タクシー料金が割引になったりします。
また、飲食店やスーパー、各地方自治体で用意しているサービスも様々です。お住まいの地域ではどのようなサービスが受けられるか、役所の行政サービスを担当している部署に問い合わせてみると良いでしょう。
買い物に行くのが大変なら宅配サービスが便利
車があると、荷物の重さを気にせずに買い物できますが、車がない場合にはそうはいきません。
行きは良い運動と思って徒歩20〜30分程度のスーパーに歩いて行けたとしても、帰り道は重い荷物を持たねばならず、大変な労力が必要です。
そんな時、宅配スーパーがおすすめです。
自宅にいながら食材や日用品の注文ができ、荷物は玄関先まで運んでもらえます。宅配サービスにはオーガニック食材のみを扱っているものや、毎日の献立を考えてくれるものもあります。
自分にあった宅配サービスを選べば、栄養のバランスも取れたおいしい食事が作れますよ。
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運動不足解消や娯楽にはゲームやスマホアプリ!
車が運転できなくなると、外出する機会が減ってしまい、運動不足にもなりがちです。
そこで、自宅でゲーム感覚でできる運動をしてみるのはいかがでしょうか。
NintendoSwitchから発売されているリングフィットアドベンチャーやフィットボクシングなどは、難易度が個人にあわせて設定でき、自宅で気軽に運動できます。
また、無料のカラオケアプリもあります。カラオケボックスのようにみんなで盛り上がることはできませんが、録音した歌声をインターネット上にアップでき、同じ歌が好きな仲間と繋がることもできますよ。
行政や民間のサービスの充実も必要
個人の努力だけでは、どうしても限界がありますよね。食材は宅配サービスを利用すればいいとご紹介しましたが、ついうっかり頼み忘れてしまうこともあります。運動不足はゲームで補えば良いとご紹介しましたが、ひとりでやるのは長続きしない場合もあります。
そんな時、便利な行政や民間のサービスがあれば、車がなくても快適に暮らすことができます。
例えば、スーパーで買い物をした場合、家まで格安料金で送り届けてくれるサービスがあれば、重い荷物を気にせずに買い物に行けます。
また田舎の場合、公共交通機関がもっと充実していれば、もっと気軽に娯楽施設に行けたり、お友達の家に遊びに行けたりします。
そんな風に、少しでもお年寄りが楽しく毎日を過ごせるように、行政も民間も努力が必要です。
いっそ免許返納した人は医療費負担を1割にしたらどうか
何にせよ、免許返納した人にメリットが薄く、デメリットが大きいように思えるのが気になります。
ですので、例えば運転免許を返納したり、元々持っていない人の医療費負担を1割にして、それ以外の人は2割負担、というように大きなメリットを掲げてはどうでしょうか。
それくらいのメリットがないと、なかなか車を手放せない人も多いと思います。
まとめ
今回は、運転免許の自主返納についてご紹介しました。
自動車は便利な反面、凶器になる機械でもあります。ですが、誰も事故を起こそうとして起こしているわけではありません。事故を起こした高齢者の方々にも、車を手放せない事情があったのかもしれません。
もちろん、事故は良くないことですし1件でも減らすことが重要です。今後も高齢ドライバーによる痛ましい事故が起こり続ければ、罰則強化以外にも多角的な対策が必要になるでしょう。
先頃、後期高齢者の医療費の自己負担額の引き上げが決定しました。
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事故を起こすリスクを負担するという意味で、運転者のみ2割負担、返納者や免許を持ってない人は1割負担とするなどの制度が導入される、なんてこともあるかもしれません。
何にせよ、車を運転しなくても、高齢者が快適に暮らせる時代が来ると良いですね!