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動いている庭

この本で語られているのは、「荒れ地」を題材に新しい「庭」の可能性を見つけようとするもの。著者の庭づくりの実践と実例写真・図版を通して、デザインをあらかじめ決めない、すっきりと説明しない、意図を定めない、具体化しないといった、ものをつくる際の考え方を一度リセットし、新たな視点でものごとを考えるきっかけを与えてくれる


土地を放棄してそれ自体(流れ)に委ねることはプロセスを開始させるための本質的条件である


「動いている庭」で求められる哲学:できるだけ「あわせる」ようにして、なるべく「逆らう」ことをしない


植生を足していくのではなく、引いていく。既存の植生を生かした作業


「野原」:すっきりと説明できないことが重要。意図を定めないこと、ほとんど具体的でないことで、ひとつの知の構成全体が反映されたかのようになる


「庭」というのはそもそも「囲われた土地」を示す。囲いの外では自然のエントロピーに委ねられ、拡散し、薄まったすべてのものがこの空間の中では濃縮され高められる


庭は「風景」と「環境」を含んでいる

「風景」:人が周囲の知覚するものの文化的な部分

「環境」:客観的で文化的な部分


「動いている庭」ではあらかじめ庭のデザインが決まっているわけではなく、その場の環境から導かれる植物の動きを中心として、庭師がその動きを方向付け、整え、昆虫や動物といった庭を織りなす様々な要素の動きの交錯が庭の形を作り出していく(訳者あとがきより)

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