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語彙力の足りない。



まるでセミも言葉をなくして
あれは未来を知っていたのか
どうしようもない猛暑

踏み出す語彙よりも
先走る感情に
心ぎゅっとつかまれる瞬間の
生々しい手ごたえ

駅で見かけた
まだ中学生くらいの男の子たちのこと
1人が誰かの悪口を話していた
興奮して
次第に言葉がまとまらなくなって
しめくくり 喉に力込めて
「もう、マっっジで……」って
その先の言葉が続かなかった

1、2秒の空白を
セミが埋めてた

#詩 #のようなもの