あの雲がおとした雨に濡れている_2024.10.25
今日は朝から晴天で、橋の上から見える川面には朝日が強く反射していた。朝日に照らされた風景を横目に頭の中では土砂降りの雨に打たれ、ただ空を見上げていた時のことを思い出していた。
ひたすら雨に打たれていると、ただ茫然と空を見上げてしまう瞬間がある。見上げた空は一面灰色でどこからどこまでが一区切りの雲なのかわからない。あの雲を見ているこの瞬間と雨に打たれているこの瞬間が重なり、その間にある距離がここに在る身体の存在を感じさせる。
土砂降りのなか、雨がもたらす五感が今ここに在ることの感覚を強め、同時に感覚の飽和状態が茫然した状態を作り出し、ただ空を見上げることを促す。その時「あの雲がおとした雨に濡れている」ということだけが感じられる。