雪女と蟹を食う 第1〜6話

まだ見てない人へ

あらすじ

冤罪で様々なものを失い自殺を図ろうとするも、一歩が踏み出せない北(重岡大毅さん)。
テレビ番組を観て、蟹を食べたことがないと気づいた北は、北海道で蟹を食べてから死ぬと決める。
しかし、お金のない北は、図書館で出会った人妻の雪枝彩女(入山法子さん)の家に強盗に入る。
お金を要求するも、思いがけない流れとなり、2人の旅が始まる。

どんな感情になれるか

生きるとは、死ぬとは、愛とは何かを考えさせられるドラマ。
これだけ見ると重い内容に思えるが、旅を通してそれを伝えてくれるため、日常にふと感じるものが凝縮しているようで、見続けたくなる。
30分という枠もちょうどいいのかもしれない。

夏に雪女?と思うかもしれないが、夏だからこそ感じる孤独や黒い感情について表現されていて、夏にぴったりのドラマだと実感。
これから、蝉の鳴き声を聞くたびに、入道雲を見るたびに、今までになかった感情が湧き上がるのだろう。

始まりの映像からどん底で、見るはしんどいかもしれないが、最初完全に死に傾いていた分、そこからの生や死についての変化がより感じられる。

そして、そんな生や死のきっかけにもなり得る愛が、どう関わってくるのか。

死を感じながらの愛はより虚しくなるなど、生、死、愛の3つのテーマだからこそ感じられる感情に出会える。

オープニング「星の雨」(ジャニーズWEST)


デビュー曲「ええじゃないか」など、元気な時より元気になるような関西色全開の盛り上がりソングのイメージだったジャニーズWEST。
そんな歌も好きだが、最近の熱い曲も好きだ。

「星の雨」を聴くと、真っ暗な穴に落ちた時に、そばにいてくれて、一緒に上へ登ってくれるような気持ちになる。

7人の歌声に込められている熱量が、曲をより力強くしてくれて、どんな生き方も肯定してくれるように思えた。

エンディング「悪い女」(ヒグチアイ)

自分とは別視点で、物事を見ている気がするが、ピンポイントに心に刺さる歌詞。

ヒグチアイさんは、ドラマ「生きるとか死ぬとか親父とか」のエンディングもされていた。
ドラマを見て感じる様々な感情を1曲にまとめあげている素晴らしさ。

主題歌が誰かで、ドラマを見るか決めるのも良さそうだと初めて思った。

すでに見た人へ
(※以降ネタバレあり)


死ぬとは何か?
このドラマを観てると、毎話考えさせられる。

私は、死は、生の最終地点。
だから、なるべく遠くに置いておきたいし、あまり意識したくない。
今、ここに生きているということに注目していたらいいのではないか。と思っていた。

だが、このドラマを観て、生と死の表裏一体さをより意識し、死について考えることが、生きるということだと思った。

死のうと思っていた似た者同士の2人。
2人は、蟹を食べたら死ぬと決めて旅をする。
ただ、蟹を食べたら死ぬということは、蟹を食べるまでは生きるということでもある。
生の方向に進みかけている北も、死の方向に進みかけている彩女も、蟹を食べるという約束により、なんとか生き続けられているのだ。

私は、日々生活をしていて、そこまで死を意識することはない。
だが、ドラマの続きが楽しみだなとか、ライブに行くのが楽しみだなとかいう感情は、大きな範囲で見ると、そこまでは死ねない、そこまでは生きるという理由になっていると思う。

あなたにとっての「蟹を食う」は何か。
そんなことを考えると、より生きていることを実感できるのではないだろうか。

今まで2人で完結していた感情が、新たな人たちとの出会いでどう変わっていくか。
どうか2人とも救われたらいいな。

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