新しいおせちを試してみるも結局伝統が一番美味しい

お正月が近づくと、スーパーや通販サイトには様々な種類のおせちが並びます。伝統的なおせちだけでなく、フレンチやイタリアン、中華風など新しいスタイルのものも増えてきました。変化を楽しみたいときや、若い世代にも親しみやすくと考えられた新感覚おせちはとても魅力的です。けれど、毎年「今年こそは!」と冒険してみても、なぜか結局「やっぱり伝統の味が一番だなあ…」と感じてしまうことも多いですよね。今回はそんな、新しいおせちと伝統的なおせちの違いについて掘り下げ、伝統の持つ魅力についてお話ししたいと思います。


新しいおせちのメリットとは?

ここ数年、洋風おせちや和洋折衷、さらには和菓子を使ったスイーツおせちなど、多種多様なおせちが登場しています。新しいおせちの魅力はなんと言っても「見た目の華やかさ」と「食べやすさ」。伝統的なおせちにはあまり使われない肉類やチーズなど、子供から大人までが喜ぶ食材も多く含まれており、特に若い世代にとっては食べやすいものが多いです。また、フレンチおせちや中華おせちは味がしっかりしているため、お酒のおつまみにもぴったり。

こうした新しいおせちは年末のパーティーや親しい友人との集まりにもぴったりで、楽しい雰囲気の中でおせち料理を気軽に楽しめるという点も、伝統のおせちとは違う魅力です。少しずつ変化を加えている和洋折衷のスタイルも、毎年変化を求める現代人にとって新鮮さを感じられるポイントです。


それでも伝統が恋しくなる理由

新しいおせちも美味しいけれど、なぜか「伝統のおせちがやっぱりいいな…」と感じてしまう理由には、いくつかの要因があります。

  1. 「縁起物」という特別感
    伝統的なおせちには「一年の幸運や健康を願う」という意味が込められた縁起物の食材が数多く使われています。例えば、海老は長寿の象徴、黒豆は健康や勤勉さを意味し、昆布巻きは「喜ぶ」にかけられています。こうした意味合いを知って食べることで、年始の気持ちも引き締まり、日本の古き良き文化を感じられます。

  2. 素材の風味を活かしたシンプルな味わい
    昔ながらのおせちは、味付けが控えめで素材の旨味がしっかり引き立つものが多いです。田作りや紅白なますなど、素朴な味わいは食べ飽きず、気づくと年越しから年明けにかけて何度もつまんでしまうものです。特にお正月の朝、少し冷えた状態でも美味しくいただけるのは、伝統おせちならでは。

  3. 家族の思い出とともにあるおせち
    伝統的なおせちは、「おばあちゃんが作ってくれた」「母が教えてくれた」など、家族の歴史が詰まっていることも多いです。自宅で手作りしたおせちには、その家庭独自のレシピや味があり、毎年変わらないおせち料理が、家族や先祖とのつながりを感じさせてくれるのも魅力の一つ。そんな懐かしさが、「新しいおせちもいいけれど、やっぱり伝統が恋しい」と思わせる理由でしょう。


結局、おせちの魅力は「原点回帰」

新しいおせちは、新鮮さや話題性、そして現代の食文化に合わせたアレンジが光り、それはそれで素晴らしいものです。しかし、毎年食べる度に、「やっぱり伝統がいいな」と感じるのは、やはりおせち料理が「ただの食べ物ではなく、文化そのもの」であるからではないでしょうか。どんなに時代が変わっても、家族や先祖が守り続けた味には代え難い魅力があるのです。

年末の忙しい時期、おせちを一から手作りするのは大変です。しかし、伝統のおせちに少しでも触れることで、新年の訪れをしっかりと感じ、家族の健康や幸運を願う気持ちが高まります。「新しいものに挑戦する楽しさも良いけれど、年始くらいは伝統を味わう時間にしよう」。そんな風に思うのも、新しいおせちと伝統のおせちを両方経験してきたからこそ。きっと来年も、手に取るのは伝統的な味の詰まった重箱のはずです。

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