戦力で押したいお洒落【ショートショート】
みて、この子、可愛いよね!
こんな子と付き合えたら、絶対幸せじゃない?
ほら、前に出なよ!
でも……
口々に言われる。
4人で何しにきたんだろう。
俺に何が関係あるのか?
「まぁ、そうなんじゃない?」
適当に受け流したつもりなのに、
黄色い声援。
うざい、めんどい。なんなのだ。
ほら、
可愛くおしゃれしてきたんだよ!
なんでそう知らないふりするのよ!
あのなぁ、
男1人に女子4で。
知らないふりじゃなくて
話す隙間がないんだっての!
もう少し静かにしてほしい、という俺の心の声は無視ですかー!?
学校でも賑やかだが、
外で会ってもこんなに賑やかとか、
ありえないだろう。
本を買いにきただけなのに、変なのに見つかってしまった。
ほら、こんなとこで会えるなんて奇跡だよ!
おしゃれしてるんだしさー!
前でなよ。
でも……迷惑そうじゃん
正解!!
と、
拍手したい気持ちを押し殺す。
おずおずと前に出るキミ。
頭に散らかるハートのピンにギョッとした。
おい、戦力過多だからな!
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