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逸夢七屋が東京よさこいで踊ったよ――2024/10/13

日記あるあるを言います!
最近日記を書いていなかった言い訳から書き始めがち。

ちかごろ日記を書けていませんでした。

理由は結構深刻で、
あまり多くは語れないのですが、
書くのがめんどくさかったからです。

先日、逸夢七屋は、池袋の東京よさこいで演舞してきました。

思い返せば、

2019年にチームを立ち上げて、

1作品目の「夜曉(やぎょう)」で出る2つ目のイベントとして、東京よさこいに出る予定だった。しかしその時は、あいにくの台風で中止。

その後、コロナの空白期間も経て、5年が経ち、
2024年。

やっとリベンジすることができたのか。
長かったね〜。

逸夢七屋2作品目の「墨鹿毛の馬(すみかげのうま)」は、
コロナ禍で「よさこいやっとる場合じゃないゾ」という空気の中で作った作品だ。

練習すら開催できない期間が続き、せっかく立ち上げた逸夢七屋が1年で霧散してしまわないように、
せめて、新曲制作の活動を進めよう。
ということで、なるべく人に会わない形で製作を推し進めた。

本当だったら、「2年で1作品」の周期で考えていたので、1作品目の「夜曉」はバージョンアップした演出でもう1年、披露する予定だった。

でも、空白の期間で、よさこいのことを考えない時間が多くなるにつれて、

自分達の気持ちの置き所がなくなってしまわないように、なにか、
なにか手を動かす理由が必要だった。

開催予定の無いイベントの練習計画を立てるより、
新曲の製作した方がよいと決めて、見切り発車で舵を切り、いつ披露できるかもわからん新曲の衣装と楽曲を発注した時の感覚は、自傷行為に近い悪寒を伴った。

このままチームが霧散したら、各種支払いはどう負担して処理するんじゃ?
・・・と、私の中のものしり博士も言っていた。

いや、そんな金銭面の不安よりも、楽曲製作の水城さん( R-GrooveSounds)、衣装製作の藤田さん(R-ZERO)に製作してもらったカッコいい曲・衣装、

そして振り製作のメンバーがどえらい時間を注ぎ込んで作り上げた振り付け、
狂ったような独自製法で1本ずつ手作りした大筆が、
いっさい日の目を浴びなかったらどうしよう。という気持ちが強かった。

いや。うん。カッコつけたな。
同じくらい金銭的な不安も大きかった。

ともかく、いろいろな障壁を超え、墨鹿毛の馬が完成して、各地のイベントは少しずつ再開し始めて、
そしてようやく、2023/06/10に「墨鹿毛の馬」は
お披露目となった。その時の感想は以前書いた。

この作品は、お披露目できたことが自分にとってもチームにとっても、作品自身にとっても奇跡なのだ。

そこから1年間、各地のイベントで披露しつつ反省と改良を重ねた。
そして2年目に入る「墨鹿毛の馬」は、
演出に大幅なアップデートを加えることにした。

それが、コードネーム「墨鹿毛の馬~嘉筆~」である。嘉筆(かひつ)とは、私が考えた造語だ。

よさこいあるあるを言います!
造語を作りたがる。

「嘉」という字には、偉い人から称賛されるという意味がある。

描いた馬の絵を讃えられるという、作品のストーリーを表しつつ、2年目は大きく手を加えたということで「加筆」をかけたことばだ。

何を加筆したか。具体的には、
振りや構成も大幅に変わり、「墨の筆跡」を表現する黒い布を使った演出を加えて序盤の見どころを補強した。

そして終盤には「顔にはねた墨をぬぐうような仕草」をすると、
「踊り子の顔に、本当に墨が現れる」という、
なかば手品のような演出を加えた。

要するに、「演舞中にメイクを増やす」という演出。

この難易度というか、
厄介さ、面倒くささは、よさこいを良く知っている人ほどわかると思う。

絶対に会場を汚すことがないように。踊りを見ているお客さんが気付かないくらいの一瞬の予備動作で、確実に塗料を手に取らなくてはいけない。しかも指先の狙った位置に。手元を見ずにノールックで。

どうやったら実現できるか?全く思いつかないけど、私が「やりたい!」と言い続けたら、メンバー達が知恵を絞りまくって実現してくれた。

言ってみるもんだな。

この演出の最大のリスクは、
「演出として取り入れるための労力が膨大な割に、見ている人が誰も気づかないくらい些細な演出」であること。

チーム内でも賛否あり、ここ最近ではいちばん私個人のわがままに皆を付き合わせたように思うし、実際、99%の人は演舞中にメイクが増えたことに、気づいていないだろう。

でも、それでもいい。
やってよかったと思っている。

気づいた人や、人から聞いてあとから知った人が、また他の人に教えたくなる感じで、面白がってくれればいいな。…という作り手のエゴに似たサービス精神。1%の人に捧げる演出。

「隠れミッキー」のようなものだ。

色々とアップデートしたことで、
楽曲と衣装は同じでも、大きく構成が変わった墨鹿毛の馬。

調整、修正を重ねて、秋のイベントラッシュに差し掛かるころ。

「この作品を、ノータイトル(受賞歴なし)でおわらせたくない」

という声を、メンバーが上げてくれた。

東京よさこいで、何か賞をつかみたいと。

積み上げたモノを出し切るために、ひとりひとりの意識を高めるために、
各メンバーが考えてできることを探して行動してくれた。

多くの人の支えと、これまでのこの作品の歩み。

全てがつながって、
逸夢七屋は、墨鹿毛の馬は、東京よさこいで賞を頂くことができた。


振り返ってみれば、今回の東京よさこいは、そもそもの審査対象になるかどうかが事前抽選だったり、
逸夢七屋のタイムスケジュールを締めくくる最後が審査演舞のため気持を高めやすかったり、いろいろなめぐりあわせもあったとは思う。

基本的に運だけはいいんだ。俺は。
今日も運良く生きている。

でも、賞をつかむことができたのは、見てくれたお客さんが、逸夢七屋の墨鹿毛の馬を見て、「かっこいい」と思ってくれた結果として、これまで作品を紡いできたメンバーみんなが、誇ってよい実績だろう。
うちは、よそのチームより人数は少ない。
でも強いメンバーに恵まれ、良い作品になった。

墨鹿毛の馬のMCの口上は
「とかく 人の世は、七下がり七上がり」
この言葉で始まり、
そして最後も同じ言葉で終わる。

七下がり七上がり
人生は不安定で、何度も浮き沈みを繰り返すということ。

https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/3955.php

何が起こるかわからないから、気を引き締めて、
何が起こるかわからないから、期待を胸に秘めて、
残りの演舞に、挑みたいと思います。

次は黒潮よさこい。
これもまた思入れの深い、良いお祭りだ。

とりあえず、

今年は晴れて・・・!

頼むから・・・!

(よさこい川柳)


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