音と人生を楽しむ6
これは「音楽と僕」シリーズの6本目ですが、これだけ読んでもお楽しみいただけると思います。
大学生になった私は人生で初めてアルバムというものを購入した。それは藤井風の1stアルバム、HELP EVER HURT NEVERだ。藤井風はこの先とんでもなく有名になるという、確信に近い何かが私の中にあり、この時代にあえてCD版を購入した。ついでにTシャツも購入し、今でも夏場はよく着ている。
そのアルバムの先頭「何なんw」はもちろん好きだが、それ以外だと、「さよならべいべ」「帰ろう」がお気に入りだ。「帰ろう」は死生観を問いかける曲であり、私にとってとても共感できる内容になっている。『憎み合いの果てに何が生まれるの』、『与えられるものこそ与えられたもの』、『去り際の時に何が持って行けるの』そんな歌詞たちに何度も救われた。この年の春から夏までは藤井風とVaundyばかり聞いていたような気がする。
秋ごろからSuchmosとサカナクションをよく聞いていた。この二つのバンドは中学時代から知ってはいたが、ちゃんと聞いたことはなかった。「STAY TUNE」「新宝島」あたりがそれぞれの有名曲だろう。個人的に好きなのはそれぞれ「FUNNY GOLD」「ミュージック」だ。またこの頃には羊文学にも出会うことになる。呪術廻戦のエンディングに起用されたことで一気に有名になった感じがあるが、個人的おすすめは「あいまいでいいよ」「1999」あたりだ。
気づけば冬が来て次の年になったが、ここまで書いたアーティストを基本的に聞き続けていた。それ以外だと古い曲をよく聞いていたような気がする。定期的に古い曲は聞くし、かなり詳しい方だと勝手に思っている。この頃はサザンオールスターズの有名曲や、KIRINJIの「エイリアンズ」、ゴダイゴの「銀河鉄道999」なんかを聞いていた。
前回まで頻繁に出てきていたRADがここまであまり出てきていないが、19歳から20歳の冬までの間、あまりRADを聞いていなかった。全く聞いていなかったわけではないが、13歳で好きになってからの10年間で一番聞いていなかった時期だと思う。その後再びRADを聞くようになるのだが、失恋と新しい交友関係という二つのきっかけがある。
20歳の晩秋、失恋をしたことで心機一転、新たな人生を歩み始める。自分を見つめ直したり逃げ出したり、歳だけ大人になった彼は長いトンネルに入っていく。どんな音楽を道標にしながら暗闇の中を進んでいくのか。
音と人生を楽しむ7に続く…
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