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中世ヨーロッパ / ノルマン人の大移動

今日は、中世ヨーロッパの歴史の中でのノルマン人の活躍を紹介します。ノルマン人が後世に残した遺産は特筆すべきであり、彼らがヨーロッパ各地に及ぼした影響は計り知れません。今日は、彼らのたくましさとその遺産について掘り下げたいと思います。


ノルマン人の大移動

ノルマン人は8世紀以降、現在のスカンジナビア半島とデンマークからヨーロッパの各地へと大移動を始めました。彼らの移動は単なる移住ではなく、征服活動を伴い、ロシア、イギリス、南イタリアに顕著な影響を与えました。

ノルマン人が南に移住したのはなぜ?

彼らが南下を始めた背景には、生活の基盤となる農業に適さない厳しい土地と、冬季に海が凍結し外部との交流が断たれる地理的条件がありました。また、当時の人口の増大が外に出ざるを得ない状況だったと想像できます。

彼らは漁業(ニシン漁)、狩猟(海の動物)、そして略奪を生業としていました。これが彼らが Viking(ヴァイキング)として知られるようになった由来です。※ヴァイキング:入り江(Vik)に住んでいたことからこのように呼ばれていたようです。

世界の歴史まっぷ / ノルマン人の大移動

ノルマン人の大移動を学習した教材

今回この内容を学習した教材は、ユーテラ世界史 / 佐藤幸夫先生のYoutube動画です。

ノルマン人にまつわる食文化、アメリカ大陸を最初に到達した民族であることの紹介等、大学受験の内容以上の濃い解説をされています。興味のある方はぜひ一度ご覧ください。

ノルマン人の東欧への影響

ノルマン人はロシアのキエフノヴゴロドに南下しました。これはドニエプル川・黒海を通じてコンスタンチノープルと交易するためです。その後、キエフ大公国などを建設することとなります。

これらの地域での彼らの活動は、後にスラブ人と融合し、ルーシと呼ばれる民族集団の基礎を形成することとなりました。このように彼らの移動は、ロシアにつながる歴史的発展の一環となります。

ノルマン人のフランスとイギリスへの移動

フランスのノルマンディー地域には、9世紀ごろ、ノルマン人がデンマークから移動します。フランス国王から半ば強奪する形で土地を与えられノルマンディー公国を建設することとなります。後にこの地からイングランドに渡り、ウィリアム征服王によってノルマン朝が始まりました。

このように、ノルマン人は、イギリスに先に移住していたアングロサクソン人と融合し、その後のイギリスに大きな影響を及ぼすこととなります。

ノルマン人によるフランスへの移動とイギリスの統治
10世紀:デーン人ロロ。北フランスへの進出(ノルマンディー公国の成立)
11世紀:デーン王クヌートによる、イギリスの征服 (デーン朝)
11世紀:デーン朝滅亡後、ノルマンディー公ウィリアムによるイギリスの統治の開始 (ノルマン朝の始まり)

ノルマン人とフランス・イギリスとの関り

ノルマン人の南イタリアへの影響

10世紀以降の南イタリアでは、ローマ教皇の要請により、イスラーム勢力を追い払うためにノルマン人が傭兵として活躍することとなります。彼らはやがてこの地域を支配下に置き、両シチリア王国の礎を築きました。

結論

ノルマン人は、その生命力とたくましさで、農業に適さない厳しい環境から逃れ、ヨーロッパ全域にわたって深い足跡を残すこととなりました。彼らの活動は今日のロシア・フランス・イギリス・南イタリア地域の文化や歴史に色濃く影響を与えています。

今までの私は、北欧=ヴァイキングくらいの知識しかありませんでした。今回の学習により、『強い』『たくましい』ノルマン人だからこそ、ヨーロッパ各地に多くの歴史を刻むことができたということが、理解できました。

おまけ Viking Valhala の紹介

このように、強く、生命力があるノルマン人の歴史を描いたNetflixの作品を紹介させてください。

11世紀ごろのノルマン人の活躍、生活習慣、宗教観を垣間見ることができる作品です。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。まだまだ、ヨーロッパ史についての興味が尽きません。今後も学習を続けたいと思います。

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