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フランス争奪戦とイギリスの議会政治の始まり

フランス人によって成立したイングランド王国は、フランスとの領土をめぐる争いを経て、王朝を中心とした議会政治の基礎を築きました。本記事では、イングランド王国の成立とジョン王とフィリップ2世の争い、その後の両国の国家体制の展開を自分なりに解説させて頂きます。


イギリス議会の始まりを学べる教材

小学館 / 世界の歴史/ 6.中世ヨーロッパ

この教材には、大憲章のいきさつ・欠地王ジョン王の行いが描かれています。こちらも世界史の教科書以上の知識を得ることができます。

ユーテラ世界史/イギリス議会主義のはじまり

佐藤幸夫先生のYoutubeチャンネルです。今回もノルマン朝・プランタジネット朝の家系図を利用して分かりやすく解説頂いています。

フランス王国/ノルマンディー公によるイングランド王国の成立

ノルマンディー公によるイングランドの統一

8世紀以降にデーン人がフランス国内のノルマンディーに移住し、そこにノルマンディー公国が生まれます。

11世紀にノルマンディー公ウィリアムがイングランドを征服し、イングランドの国王となった(ノルマン朝の始まり)(ノルマン=コンクエスト)。ノルマン朝は、フランス国内ではノルマンディー公としては、フランス国王の臣下であった。

※注目点:1066年:ノルマン・コンクエスト
ノルマン朝ウィリアム王は、当時のアングロ=サクソン系貴族と、ノルマン人貴族に封土を分配し、忠誠を誓わせた。また、全国の土地台帳を作成し、国土の支配の強化に努めた。(Doomsday Book)

ノルマン朝からプランタジネット朝へ

その後、ノルマン朝が分裂。ノルマン朝の王女と結婚した、アンジュー伯アンリ(ヘンリー2世)が王位を継ぎ、イングランド王国と広大なフランス領を支配することとなる。プランタジネット朝の始まり。

※注目点:ノルマン朝の血を引くヘンリー2世は、妻の父親(アンジュー伯)の領地を引き継いだ。

その後、ヘンリー2世は、フランス領内アキテーヌ公の娘を王妃に迎え、同時にアキテーヌ公領を了することとなる。
※注目点:ここにイングランド王国の西フランス地方の支配が進むこととなる。

https://www.y-history.net/appendix/wh0603_2-001_1.html
世界史の窓から引用

ジョン王とフィリップ2世の争い

1189年:ヘンリー2世の死去

ヘンリー2世の治世のもと、その子息たちに相続地が分割される。一方、フランス領内の土地を回復したいフランス国王フィリップ2世との争いも始まる。

ヘンリー2世没後、息子リチャード1世(獅子心王)が即位。その後、弟ジョンが後継者となる。

1202年:フィリップ2世との争い

フランス国王フィリップ2世がジョン王との戦争が拡大する。ジョン王は敗北し、フランス内の多くの領地を失う。リチャード1世・ジョンによる戦争は、戦費や身代金の支払いでイングランド王国の軍費負担は増加し、イングランド国内の貴族たちからの不満が噴出した。

1215年:マグナ・カルタの承認

戦争の失敗と専横政治への貴族の不満から、ジョン王は大憲章(マグナ・カルタ)を承認。貴族の権利を認め、課税には貴族の同意が必要とされることとなる。

※もう一つの注目点:ジョン王は、カンタベリー大司教の任命を自身で行おうとしたことにより、ローマ教皇から破門を宣告される。

議会政治の基礎の形成

シモン・ド・モンフォールの反乱(1264年 - 1265年)

ジョン王の後を継いだ、ヘンリー3世は大憲章を無視し専制を行った。これに貴族の不満が爆発し、シモン・ド・モンフォールが反乱を起こす。これにより議会の招集が促進されることとなる。

注目点:二院制議会の確立
14世紀までに、貴族院と庶民院からなる二院制の議会制度が形作られる。

フランスとイングランドの国家体制の展開

フランスの王権強化

フィリップ2世は王権を強化し、国内の統一を進める。カペー朝がヴァロワ朝へと移行し、王権がさらに強化される。

イングランドの議会政治

大憲章の影響で、王権は制限され、貴族が政治に参画する体制が整う。当時は、スコットランド遠征に伴う軍費の調達のために議会が招集される(1295年)。これらが後の議会政治の基礎となります。

結論

フランス貴族によって生まれた当時のイングランド王国が作られます。その後、イングランドがフランス国内の広大な領土を支配し、イングランドとフランスとの領土争いが始まります。

その過程で、イングランドでは議会政治が発展し、フランスでは王権が強化されていきました。この時期の歴史は、百年戦争を経て両国がそれぞれ異なる政治体制を築く基盤となりました。

次回もまた中世ヨーロッパについて書きたいと考えています。最後まで読んで頂いてありがとうございます。


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