01.02-03|香川@茨城|ベリーに首ったけ
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【GAME1】
B2の得点王・ウッドベリーの復帰後、香川は西地区での順位を上げてきました。日本で8回目のシーズンを過ごすウッドベリーは、昨シーズンも得点王に輝いた生粋の点取り屋。今シーズンの平均27.0得点は、実は昨季に比べて5点も低いけれど、30分換算にするとキャリアハイだったりします。
そんなB2のキングに茨城はどう守るのか? GAME1ではシンプルにマンツーマンで守ってました。担当は遥、鶴巻、小林。1on1で激しく守るというより、オフボールでもしっかり付いて、ボールを持つ機会を減らすような感じ。ウッドベリー自身もそれほどボールをもらうために必死に動くことはしません。すると1Qは2本しかシュートを打てずに無得点。これではさすがにまずいと悟ったのか、2Q以降はボール運び時やフロントコートにボールが入ると早めにパスするなどして、ボールを渡していました。
たぶんこの日のシュートタッチはイマイチで、本人もそれに気づいていたのか、半ば強引なドライブからディフェンスに身体を当ててファウルを得る作戦に(だと思う)。シュートも上手いけれど、こういうスキルも本当に巧みで、強く当たっていくわけでもないのに、タイミングとボディバランスを使ってフリースローを得ていきます。そしてそれを全部決める。この日はなんと18分の18で、全得点(32点)の半分以上をフリースローで稼ぎます。もともとファウルドローンの多い選手ではあるけれど、それにしてもシーズン平均の倍以上。これには茨城もお手上げといった感じで、誰が付いても結果は同じ。ちなみに一番やられていたのはクウソーで、先に挙げた日本人選手たちみたいにオフボールまで追いかけて行かないから、いい形でボールを持たれてスコーンと抜かれてました。
そんなウッドベリーの活躍もあって試合は接戦。茨城が何度も突き離してペースを握りかけたものの、ウッドベリーという絶対的な得点源を持つ香川が追いすがる展開。ただ、それを可能にしたのは香川のガード陣のシューティングがあればこそ。兒玉、高比良、藤岡といった選手たちが次々とシュートを決めていました。茨城もテンポよくシュートを打ってくるチームですが、香川はB2全体で3位と、それを凌ぐハイペース。茨城もシュートは好調だったけど、それが逆に香川のリズムと合ってしまったような印象もありました。相性ってあるよね。
試合は2点差で茨城が競り勝ったものの、香川のここ最近の好調な理由もわかる。ウッドベリーはもちろん香川の大エースですが、それゆえにもたらされるスペースを突ける日本人選手の積極性も、順位を押し上げている要因の一つでしょう。点を取れる選手がたくさんいる方が強い。エースの平均得点が5点下がっても勝てているのが何よりの証拠。実際、ウッドベリーがワイドにポジショニングするため、マンツーマンだとインサイドを中心にわりとスペースが生まれやすいんだよね。コッツアーもスクリーンでスペースをつくってくれるし。それをわかってあえて自由な感じでボールを持てるまでのんびりしているウッドベリー。オンとオフの気配の違いがすごい得点王。ちなみに、ディフェンスは全然しません。目の前でレイアップされても跳ばない。それもチーム内では合意済みなのでしょう。
【GAME2】
その結果を受けてのGAME2。茨城はディフェンスを2-3ゾーンに変更してきます。ドライブで抜かれまくったわけではけれど、マンツーマンで追いかける以上、ファウルが嵩むことは避けられないため、その部分を嫌ったのでしょう。「抑える」のではなく「予防する」というアプローチ。これによってウッドベリーにドライブのスペースを与えず、香川の攻撃をスローダウンさせることに成功していました。
実はウッドベリーのFG%はこの日の方が高かったのですが、GAME2では19得点に終わっています。それでも十分に高いけれど。その理由は単純に出場時間が減ったからで、ディフェンスでタプスコットをマークしている時間帯にファウルが重なり、ベンチに下がる時間が多くなっていたのでした。なるほどタプスコットにはGAME1で33得点もされていて、そこを止めに行ったということでしょう。そして、マンツーで付けばそれなりにきちんとディフェンスもできる。とはいえファウルを犯してしまう危険性もあるわけで、であればGAME1のように相手のエースを「守る」ことに力を注ぐよりも、得点に専念してもらった方が香川のチームとしての戦略は立てやすいのかもしれません。
この2試合しかきちんと観ていないのでなんとも言えませんが、ウッドベリーという強烈な個性を通していろいろなことが透けて見えるのでした。
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