Q:懲戒事由にあたる行為(非違行為)を行った従業員の退職金を減額して支給することができるか A:できる場合があります。ただし、不支給が有効と認められる要件は、非常に限定解釈される傾向にあります。 従業員を雇用するということは、企業における営業活動を拡大できるチャンスであるとともに、同時に様々なリスクを背負うことになります。 その中の1つが、表題にある非違行為(会社の規則違反)です。 企業は従業員を雇用する際に、就業規則等で様々な約束事を作り、それを守ることを約束しても
Q.有期労働契約の上限を教えて下さい。また、有期労働契約を都度更新することが面倒なため、お互いに異議がなければ自動更新するようにしてもいいですか? A.有期労働契約の上限は、原則3年です。また、自動更新条項も有効です。 有期労働契約の上限は、上記の通り原則3年です。 3年の期間満了後に、再度有期労働契約を更新することは出来ますが、1契約で3年を超える期間を定めることはできません。 ただし、以下の場合は、3年を超える期間で契約を締結することが許されています。 高度専門職
労働者の給与については、原則の規定と合わせ、いくつか特別な規定が定められています。 今回は、労働者の賃金の規定についてご説明させていただきます。 通常時の賃金支払いについて 通常の賃金の支払いについては、労働基準法の中で下記のように定められています。 上記の条文を解説していきます。 通常の賃金については、「賃金支払い5原則」として、以下の通り労働基準法で定められています。 通貨で支払わなくてはならない 直接労働者に支払わなくてはならない 全額を支払わなくてはなら
今回は、様々な事業主様や労働者の方からお問い合わせをいただきます、固定残業代についてです。 固定残業代制度は、定額残業制度やみなし残業制度とも呼ばれ、 様々な会社で導入されています。 今回は、制度の有効性や、 裁判例などについてご紹介していきます。 固定残業代制度とは 実際の労働時間にかかわらず、一定時間分の残業代が固定給のなかにあらかじめ含まれている制度のことです。 固定残業代は、例えば 「月給25万円、時間外労働30時間分として4万円を含む」 というような形で記
労働者が年次有給休暇を取得する際、使用者は拒否できるのでしょうか。 今回は年次有給休暇の権利義務についてお話していきます。 【年次有給休暇とは】 年次有給休暇は、労働基準法第39条に基づき、労働者に付与される有給(給与の保証された)休暇です。 年次有給休暇については皆さんご存じの通り、 雇い入れの日から6か月間継続勤務し、 全労働日の8割以上出勤した場合に10日間付与されます。 週の所定労働日数や所定労働時間が短い労働者は、比例付与という形で所定労働日数や所定労働時間
Q:精神上の障害などが疑われ、業務の遂行が困難な従業員がいた場合、会社側の指定する医師の診断を受けるよう命令することはできますか? A:できる可能性があります。 従業員が、精神上の障害により業務の遂行が困難な場合、会社は医師の診断を受けるよう命令することはできるのでしょうか。 また、その医師を会社が指定する医師とすることは出来るのでしょうか。 以下の観点から検討していく必要があります。 健康診断の受診義務などが定められている労働安全衛生法には、明確な記載はありません
Q:コロナウイルスで労災は使えますか? A:使える可能性があります。 従業員が労災に罹患した場合、 労災が使えるかどうかは、 以下のようにタイプ分けして考えていくことになります。 【従業員が医療・介護従事者である場合】 原則として労災対象となります。 ただし、業務外で感染したことが明らかな場合においては、 労災の対象とはなりません。 【業務中に感染したことが明らかである場合】 又は 【感染リスクが高い業務に従事して感染した場合】 感染源が業務に内在していることが明
Q:身元保証書について気を付けるべきポイントを教えて下さい。 A:法改正により、極度額を定めなければなりません。また、少なくとも5年ごとに身元保証書を回収し直す必要があります。 会社への賠償が必要となった場合、本人に資力がなく、返済が難しい場合や、連絡が取れなくなってしまった時のことを考え、採用時に保証人を立て、身元保証書を貰っている会社も多いことでしょう。 その際に気を付けなければならない点がありますので、ご確認下さい。 民法改正により、現在は「極度額」のない身元保