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薫子
2022年11月21日 21:05
私の手の中には何もなくてあなたに差し出せるものがなにひとつないどうしたらどうしたらあなたになにかを返すことができるのだろうかと私に返せるものはないのにあなたは私に喜びをくれたあなたは私に幸せをくれた悲しみ以外の涙があることをおしえてくれた愛された記憶もなくて愛する術もしらなくて愛の意味もしらなくてだから今私の手の中にあるものが見えない
2022年9月13日 22:44
それが恋だとは気付きたくなかったそれが恋だと気付いてしまえば自分の手で摘み取らなければいけないと無意識のうちに知っていたから自覚してからが恋だと言うのならば自覚する前のそれは何と呼ぶのか自覚しなければ恋は始まっていないのかいいえいいえ地の底を流れる水のように地の中で芽吹きを待つ種のように誰が気付かなくともそれはひっそりと静かに始まりを待っているのではないだろうか始まること
2022年3月26日 01:32
ふとした瞬間にあなたの言葉を思い出すあなたの紡いだ言葉は私の中に幾重にも降り積もりそれはさながら呪いにも似てどこまでもどこまでも私の心を絡めとる
2022年3月23日 20:59
あざやかに咲き乱れる花あなたのために咲いた花恋い焦がれるがごとく空へと枝を伸ばし今が盛りとばかりに花を咲かせているいつの間にこんなに育っていたのだろういつの間にこんなにあふれていたのだろうこんなにもきれいなのに自分で手折らないといけないだなんて花はまだ咲きたいというまだ枝を伸ばしたいというそれでもそれでも私はこの花に終わりを教えなければいけないきれいに咲いたのにはじめて
2022年3月4日 02:30
ごめんなさいごめんなさいなんどもなんどもくりかえすごめんなさいごめんなさいゆるされないとわかっているそれでもそれでもあなたのそばにいたいのだとねがってしまったおもってしまったごめんなさいごめんなさいどうかゆるさないでくださいわたしのつみを
2022年3月2日 01:36
好きで好きでただひたすらに愛しさだけがあふれて思いを言葉にしようとするほどに原型をとどめることなく胸の奥からあふれて結局のところ何も言えないままにのみこんでしまうあなたへの思いはどこに行くこともなく私の中を巡るだけどこにも行かぬ思いが私の中に満ちていくだけなのならばその濁流にのまれていずれ溺れてしまうだろう
2022年2月23日 02:11
私がしあわせでなくてもいいあなたがしあわせであればただそれだけでいいそれがなによりのねがい
2021年11月27日 00:40
道は知らない地図も持ってないひたすらに方向音痴ではあるけれど目的地は知っているコンパスも持っているそこに絶対に行くのだという覚悟も持っている行こう迷っている場合ではないそこに辿り着けると信じてただひたすらにただがむしゃらに何度も道に迷うだろう何度も挫けそうになるだろうそれでもそれでも今ここに座り込んでいる場合ではないのだと泣いている時間は終わったのだと顔をあげて
2021年11月17日 23:43
離れようか離れまいかどうしようか迷ってさ迷って離れられない理由を探していることに気付く離れたいのか離れたくないのかぐるぐると同じところを回って回り続けてどこにもいけないことに気付くどこに行こうどこへも行けない私が行きたかった場所はどこだったのだろう
2021年11月13日 23:03
「何かいいことでもあったの」と聞いてきたのは久しぶりに会った友人だった。鼻歌でも歌い出しそうに上機嫌に見えると。お互いシフト制の勤務で休日を合わせることがままならず、ゆっくりと顔をあわせることができたのは3ヶ月ぶりの事だった。その間に前の上司が不祥事を起こして急な異動があり、今の彼が異動してきたりと、仕事の方が常にばたばたと忙しなかったため彼女とのLINEすらもおろそかになっていたのは確かだった
2021年11月13日 22:30
あなたが指輪のあったところを指でなぞるのを眺めていた。そこには長年つけていた名残の癖が残っていて、外した今もなお存在を主張し続けている。いつもの喫茶店。いつもの場所。いつもの景色。なのにあなたの指にいつもの指輪がない。指輪の跡はどれくらいでつくのだろうか。指輪の跡はどれくらいで消えるのだろうか。私の視線に気付いてあなたは困ったように笑って、落ち着かなくてねとポツリと言葉を落とした。その指
2021年11月11日 03:04
きみのつみはぼくがもらうきみのばつはぼくがうけるぼくのつみはぼくのものぼくのばつもぼくのものぼくはよくばりなので
2021年10月20日 03:23
深く暗い場所に迷い込んでしまった先は見えず戻る道も知らずそもそもどちらから来たかさえわからず座り込んで見上げた視界には鬱蒼とした森木々の間にわずかに見える空には雲がどこへいきましょうか誰かに訪ねようにも返る声はなくどうしてわたしはここにいるのでしょうかその問いかけにも返る声はないせめてひかりを見回してもそこには闇が広がるばかり立ち上がるべきか先に進むべきか迷い戸惑
2021年2月21日 03:43
彼女の「自分を大事にすべき」というありきたりの言葉に笑うしかなった。何もかもがありきたりの話で、誰も気にもとめないほどの話でしかないのに。不倫が世の中にどのくらいの割合で存在しているかは知らない。絶滅危惧種とは言えないくらいには存在しているだろうことはわかる。私が20歳の時。友人が彼氏と同棲していたアパートに浮気相手を連れ込んで追い出された。その彼氏は本当にかわいそうだと思った。毎日毎日朝か