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【批評】夜廻三の小説を読んで夜廻シリーズに感じたこと


夜廻三ノベライズ版。前2作より単行本が分厚い

日本一ソフトウェアが2022年に発売した夜廻三のノベライズが2年越しに発売された。深夜廻もノベライズが出たのは発売して1〜2年後だったので悪くないタイミングだ。発売当時は夜廻三のプレイ日記を書くと約束したがあまりに陰鬱な内容+ゲームがお粗末な出来で書く気が失せたので体験版しかプレイ日記は出してないし私自身の今の夜廻商法の殿様商売的なものに対して非常に懐疑的であるのでやや批評気味に、ネタバレ上等で書く。

だから夜廻三の全般的な補足やネタバレや批判が嫌な人はそっ閉じしてくれて構わない

【小説版ユズが行く場所】

学校→神の森→路地裏→棚田→人形屋敷→トンネル→墓地→廃村→廃船→岬→港町→学校→廃ビル→自宅→廃ビル→神の森

なんとか今日、読了した。涙が出てきた。ゲームにはない補足ストーリーが夜廻ノベライズの醍醐味と言っても過言ではない

前作深夜廻のノベライズではページの都合上ばっさりカットされたストーリー(洋館のストーリー)があったのだが夜廻三はページ数を増加することでそれを克服した。

それに話のスケールも原作ゲームもノベライズ版も前2作より大きいし、ストーリーも長い。時々心理的に『うげぇ…つらい……。』となる描写もあるにはあったが原作ではやり込まないと分からないお姉さん(コトリ)とユズの関係性がはっきり"家族"と明言されたし

各エリアのお化けたちの事情もガッツリ掘り下げされてたし何よりユズ一家が分断される理由も母親が呪いにより狂乱したからというのをユズの姉であるコトリ視点から描かれている。これはゲームにはなかったストーリーなので補足ありがたいと思った。

お化けたちの背景についてだが

黒犬→犬の虐待犯を恨んでる

水子→口減らしで産まれたまま捨てられた

人形→交通事故で娘を亡くした人形師が慰めに作った…

…等の心理的に突き刺さる強烈なシロモノばっかりだ!

プロローグ、エピローグのいじめ描写もエグい。まるで自分がユズになった気分で読んでいた。没入して読むとマジで死にたくなる描写がいくつもあるのでいじめ被害者や被虐児は読むことをオススメしない、つーかその手の人たちは読む前にちゃんとした診療ケアを受けろ。

エピローグは物悲しいけど家族を失った主人公が思い出を忘れないように生きていくってなんか美談っぽくしてるけどそもそもユズたちの母が神の鈴を奪わなければコトリもユズも呪われることはなかったわけでさ?高校生になるコトリはともかく小学生のユズぐらいの年齢の子供にとって家族は大事なものである。仕方なかった部分はあるのかもしれないが母親と神が全ての元凶であるという認識は確信に変わった。エ◯ァかよ。心の病気、心の病気、ってそんなに連呼しないでほしい。筆者のようなリアルに心の病を抱えた人に対して迷惑だ。そういう点では心の病気とかいじめを軽く冒涜しているようにも見受けられた。

小説版を読んでいたらマジでゲームの造りがお粗末だなって思った。現在は修正済みだが特定のボス戦でフリーズする進行不能バグがあったり、やり込み要素が消えるバグがあったり散々だった。ゲームのシステム的な批判もここでするが町中のお化けが前2作より減って探索しやすくなった代わりに視界が奪われるがお化けに感知されなくなり気配を消せる「目をつぶる」画期的なシステムだなとは思うけど看板などの遮蔽物は少なくていいから残して欲しかった。あとストーリー終盤のボス戦(ラスボス含む)の唐突な鈴ゲーは某鬱ゲームD◯Dシリーズの鬼畜音ゲーに近いものがあり個人的にはそういう終盤に別ゲーやらせる感じのホラー・鬱ゲーなどはあまり好きではない(筆者が音ゲーすごく苦手なのもある)

そして何より開発陣のメンバーの入れ替え、これについて一番憤慨している。今まで夜廻シリーズのプロデューサー兼シナリオライター兼ビジュアルは溝上侑さんだった。のに夜廻三のプロデューサーは「探偵撲滅」などの廣瀬宗則になっていたからこの時点で発売前から不安だった。実質的な日本一スタッフ同士での共作であったが日本一ソフトウェアはゲームの当たりハズレが激しいので「探偵撲滅」は比較的アタリの部類ではあったがプレイ動画見る限り低予算なゲームだったので方向性がそういう若干低予算な感じになるんじゃないのと思った。そしてその予感はいい意味でもわるい意味でも当たった。それが上記に述べた部分である。

まあシナリオが溝上侑さんなので一応夜廻シリーズとしては完成してるが…終盤までのどんでん返し(飼い猫ムギが実は死んでいた、コトリは呪いが進行していて手遅れだった。)の失敗もあるので夜廻シリーズの中では僕は夜廻三は駄作の部類に入ると思う。シリーズ化の度に劣化する映画を見せられているようで正直言って気分がいいものではない。ノベライズの出来は悪くないけど、ゲームがさっきも言った通りにあからさまに説明不足でアレなのでストーリーだけ知りたいよって方はぜひともこの小説を買いなさい、ゲームはオススメしない。モヤモヤ(或いはイライラ)すること間違いなしなので。

でも初代夜廻のノベライズを担当した保坂歩氏はドロドロとした黒い話があまり書けないので深夜廻のノベライズからドロドロとした部分も書ける黒史郎氏になったのはある意味良かったと言える。


【まとめ】

書籍評価…A(書籍は好きだが原作ゲームは嫌い)

書籍はまぁまぁよかったけど夜廻の続編がもし仮に日本一ソフトウェアから出たとしても多分ゲームは買わないと思う。日本一ソフトウェアが夜廻三以降の夜廻グッズ展開が露骨に露悪的に消費を煽っている。そんなことまで書き出したらキリがないから今回は書かないが以前作ろうとしてた批評記事の文章を引用しながら批評気味に書いてしまったが物語としてはゲームよりかはまとまりがあるから好き。補足ストーリー含めてね。だが露骨な殿様商売にこれ以上加担したくないので夜廻界隈からは卒業する。同時に夜廻シリーズが地に落ちてしまったと感じる。さらば!死にゲーから単なるクソゲーになった夜廻!

それでは今回はこの辺で、またね!



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