【読書メモ】人類学を生きかえらせる『生きていること』#0

この記事では、人類学者のティム・インゴルドが考える「生きていること」とはどういうことか。についてアイデアが詰まった↓の本の読書録を作成しながら、思ったことを綴っていきます。

僕の現在の人類学観は↓の記事で記述しました。

「人の生」という、こうすれば絶対こうなるがない不確実性で満ち溢れた営みに対して、学問の都合で無理やり分解して考えるのではなく、人間・非人間が複雑に絡み合うプロセスそのものとして捉える学問であると思います。

ちなみに、
こちらの記事もインゴルドの『ラインズ 線の文化史』という著作を参考にしました。

ティム・インゴルドの著作は、これからの人類学を切り開いていくような内容が多く散りばめられています。実際読んでみると、まるでポエムのような、哲学のような内容もありますが、「人間が生きていること」ってこういうことかもしれないと驚かされます。難解ですが、楽しみながら読み進めることができます。

彼の著書、『生きていること』は600ページ近い文章量で語られているので、気になった箇所をピックアップして読書メモに残していきます。

第1章 生に還る人類学


彼は、人々や社会を研究の対象として見なして、「構造やシステムから吐き出される単なる出力結果の断片として」生きているということを捉えようとしてきた人類学をひっくり返そうとしている。彼にとって生きているということは

生きることの確信部分は始点や終点にはなく、生きることは出発地と目的地を結ぶことではない。むしろそれは、無数の物たちが流動しながら生成、持続、瓦解する中を絶えず切り拓き続けてゆくことであるはずだ。
つまるところ、生きることは開いていく運動であって、閉じていくプロセスではない。そして本来、このような「生きること」こそが、人類学の関心の中心にあってしかるべきなのだ

p29

彼が、「人類学を生き返らせる」までには、4つのフェーズがあったという。

①「生産」とは

②「歴史」が意味すること

③「住まう」という概念について
④「生」は線に沿って生きられるということ
それぞれ読書メモの記事を作成していく。


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