接客で感動した出来事。
バブル全盛期ですから、もうずいぶん前の話です。
メンズ・ビギ(Men’s Bigi)というファッション・ブランドが好きで、よく買いに行きました。
ブリティッシュテイストのセンスはもちろん、「ビギ」の響きがカッコいい。
当時はデザイナーを全面に打ち出したブランディングが主流でした。
菊池武夫、それを引き継いだ今西祐次の風貌もカッコよかった。そう、私カタチから入るタイプですw
そのメンズ・ビギの店員さんの対応に感動した出来事がありました。
●まるで銀行員。店員Iさんとの出会い
ショップに入ると、控えめで上品な「いらっしゃいませ」に出迎えられました。
それが、Iさん(男性)との出会いでした。
およそビギの店員とは思えない寡黙なビジネスマン風。「30代前半の銀行員」といったほうがイメージしてもらいやすかも知れません。
「何かございましたら遠慮なくお申し付けください」と言って距離をとる。私が何か聞きたいと思い、探そうとするとサッと横に居てくれる。そんな接客でした。
当時はどこのお店も威勢のいい、いろいろ勧めてくる暑苦しい接客が中心だったと記憶しています。ちょっと拍子抜けしましたが、逆に爽やかさを感じました。
結局、シャツを1枚買って帰りました。
●Iさんの接客ふたたび
デザイナーズブランドが飛ぶように売れた時代です(私も相当額を服につぎ込みました。何より1着1着が高かった!)。
そのお店は多数のデザイナーズブランドをテナントに抱え、当時若者に絶大な人気を誇った丸井デパート(首都圏を中心に展開)の中にあったので、その半年間だけでも、相当な接客量だったと思います。
半年後、お店に行った時のことです。
あのIさんが応対してくれました。どのパンツにしようか迷って声をかけたら、Iさんが控え目にこんなことを言ったんです。
「う〜ん、そうですねえ…。お客様にはどちらも似合うと思うんですが…こちらのほうが、以前お買い求めいただいたシャツにも合いやすいかも知れませんね…。」
えーーーーーーーーーーーっ!?
覚えてくれてたのーーーーーーーーーーーーーーー!?
ものすごく感動しました。
何年かして、元アパレル店員だったという女性にその話をしたら「そりゃあなた、絶対お客様カードか何か書いたんだよおー!自分が覚えてないだけだってー!」と言われました。
でも、それは違います。私が顧客カードを書いたのは2回目にパンツを買いに行った時ですから。
そのときの私は「もう、好きにしてくれーーーーーーー!」と思うほどの感動でした。もしお金があったら「えっと、じゃあこのお店のもの、端から端まで全部もらいまーーーーーーーすっ!」と言って買ったはずです。そう、私とにかく単純なんですw
「記憶」は人を感動させてくれる、というわけですね。
そのことを教わった、今でもふと思い出すとてもステキな出来事です。
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