レジェンドは1日にしてならず・・・イチロー選手引退にあたって。



2019年3月21日、イチロー選手が引退を表明した。


もうその勇姿が見られないと思うと、ファンとしては残念、寂しいはずだが、、、感謝、賞賛、敬意といった清々しい感情しか湧いて来ない。


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会見は時にユーモラスでありながら、含蓄に富んだものだった。前人未到の遥か彼方から発せられるコメントは、その多くが斬新に聞こえるものの、実はとても本質的であり、そして謙虚だった。


 数々のイチローの活躍の場面が目に浮かぶ。


レーザービーム、ファインプレー、フェンスによじ登ってのダイビングキャッチ、ヒットに苦しみながらも最後に2点タイムリーを放ったWBCサムライジャパン…。


もちろん、生まれ持っての特別な才能があったに違いない。


でも、彼が真に特別なのは、レーシングカーやジェット機を使うことなく、一歩一歩コツコツと歩を進めてきたところだろう。


振り返るとそこにはひとつひとつの足あとが延々と残って
いる。その膨大なコツコツの積み重ねが、私たちを圧倒するのだ。


表には出さないが、想像を絶するほどの苦悩や挫折があったに違いない。それでも自分を超えることだけに集中し、高速でPDCAを回し続けてきた。それが彼に、より深い本質的な気づきを与えるに至ったのだろう。


彼のコメントは、野球人としてはもちろん、哲学者のようでもあり、優秀な経営者のようでもあった。


『成功すると思うからやってみたい、それができないと思うから行かないという判断基準では、後悔を生むだろうなと思います。できると思うから挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい。その時にどんな結果が出ようとも後悔はないと思うんですよね。』


「やってみたい」が原動力。「好き」が原動力。


人生はもっとシンプル。


いろいろと考えてしまうから、複雑で難しいものに思えるだけだとあらためて気づかされる。


これからもレジェンドの一挙手一投足に注目しながら、自分のリアルな人生はもっと心が喜ぶ人生を生きよう。そしてイチロー選手が口にした『本当の自分』にもぜひ会ってみたい。


イチロー選手と同じ時代を生きていることに心から感謝して。


28年間、本当にお疲れ様でした。

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