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STORY | 「ORIOBI」を始めたきっかけは、祖母から譲り受けた古い帯
ある日、離れて暮らす祖母が、もう使っていないのでせっかくだから使って欲しいと古い帯を送ってきました。
祖母の帯は色褪せ、シミや汚れやほつれもありました。
どう使ってもよいと言うので、思い切ってハサミを入れ、綺麗なところを切り取り、テーブルセンターとクッションカバーを作りました。
思いのほか洋風だった家にもよく馴染み、その空間が華やかになりました。
祖母に報告すると、「えっ…」と一瞬間をおいてから、
「もう私は使わないのでどう使ってくれてもいいよ」と言ってくれました。
私は帯にハサミを入れたことを激しく後悔しました。
もしかしたらその帯は祖母の大事な人からの贈り物だったのかもしれない。
もしかしたらその帯は祖母が少しずつお金を貯めて、やっと手に入れた高価なものだったのかもしれない。
その時、帯ひとつひとつに持ち主の想いや大切に扱われてきた歴史・物語があると気づきました。
そこで私は考えました。
祖母の想い、持ち主の想いを汲んで、帯にハサミを入れずにそのまま1本を使い何かにできないものかと。
まだ切っていなかった祖母の帯を取り出し、表を見て裏返し、ひねったり丸めてみたりしました。
そうだ、折り紙のように傷がある見せたくない部分は折って隠し、美しい文様を表に出してみよう!
こうして生まれたのが「ORIOBI(折り帯)」第一号の壁飾りです。
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