#19 2024年に観た配信ドラマの感想+総括!(海外の配信ドラマ、配信映画編)
こんにちは!おりんです。
今回は、2024年に視聴した配信ドラマ・映画の感想・総括の続き。今回は、海外の配信ドラマ(といっても韓国ドラマ5本とアメリカのドラマ1本ですが…)と日本の配信映画2本について語ります!最後に配信作品の総括もやります。
昨年観たのはこちら。Filmarksで書いた感想をもとに、短評を書きます。
①SHOGUN 将軍(Disney+)
ジェームズ・クラヴェルの小説「将軍」を原作としてドラマ化された1980年のドラマ「将軍 SHŌGUN」のリメイク。徳川家康やウィリアム・アダムスら歴史上の人物をインスパイアし、史実から着想を得て作られた時代劇ドラマ。戦国時代末期(1600年代)、関ヶ原の戦い前夜の日本を舞台とし、日本とヨーロッパとの関係・カトリックとプロテスタントの対立・武士たちによる封建社会・戦闘や宿命と向き合い戦う女性の姿が描かれる。
観るきっかけとしては、真田広之、浅野忠信、アンナ・サワイ、二階堂ふみ、阿部進之介、倉悠貴、穂志もえかと実力あるキャストを揃えていたのと、予告を観て大掛かりなロケーションと荘厳で臨場感ある映像に惹かれたからとかなり単純なものでして。あとは、ハリウッドの制作陣が戦国時代をどう描くかが気になっていた感じです。
Filmarksで付けた評価→★5.0
時代劇とはいえ、戦闘よりも人間模様や社会情勢にフォーカスを当てて展開していたのが面白かった。なぜ差別や論争、戦闘に至ったのか。それぞれの正義や矜恃が描かれることで、起こる事象に説得力と深みを持たせているように思いました。
また、建前に殉ずるという奇異な信念と精神性と死生観を描いていたのも印象深かった。特に、日本人の精神性や死生観は現代を生きる人々にも通ずると思います。あくまでフィクション作品ではありますが、日本人の気質を表現していたのが凄かった。
さらに、戦闘や宿命に立ち向かい、独自の信念・目的・覚悟を持って芯強く生きる女性が描かれていたのも魅了された理由の1つ。それぞれの野望や祈りをもって強かに逞しく存在を魅せていたのに心揺さぶられましたね。
アンナ・サワイさん、二階堂ふみさん、穂志もえかさんのコメントも綴られた、「SHOGUN 将軍」の女性たちの戦いについて触れられている記事も良かったので、ぜひ読んでみてください。
②賢い医師生活 シーズン1(Netflix)
大学時代の同期である医師5人を中心に描かれていく医療ヒューマンドラマ。医師として患者と向き合い治療に奮闘する日々と20年来の友人や病院で働く人々、家族とのささやかで暖かい日常が描かれている。
医療ドラマだけど、ヒューマンドラマ要素が強めと聴いて興味を持ちました。予告を見て、医療ドラマにしては温かく日常描写も多く、万人受けしているのもあって期待を込めて視聴。
Filmarksで付けた評価→★4.1
期待通り面白かったのですが、終盤の方で恋愛描写が一気に増えたのが疑問でした。みんな流石に職場恋愛しすぎで、そのきっかけや過程もそこまで見えなかったのが残念でしたね。
ただ、キャラクターが個々で悩んだり葛藤したりする姿や患者のバックグラウンドを丁寧に描いたりした点は凄く良かった。人間の尊さや根底にある優しさを終始温かく描いていたのが微笑ましく、じんわり感動できました。
③その年、私たちは(Netflix)
互いに"2度と会いたくない"と思っていた元恋人同士の2人。ある日、高校時代に撮影したドキュメンタリーが人気を集めたことをきっかけに、5年ぶりに再会。互いの成長・再び惹かれるも人生に揺れ動く心が描かれる。
過去にすれ違いや亀裂が生じて別れてしまったものの、再会してそれぞれの想いを確かめ合ったり、揺れ動きながらもまた惹かれていくという構図が好きなので「これは観たい…!」と思いましたね。また、キム・ダミさんのお芝居が好きなのも視聴の決め手です。
Filmarksで付けた評価→★4.4
ウンとヨンス、2人の長年の繋がりと想いの変化に徐々に惹き込まれて胸が熱くなる話でした。2人は学生から大人に向かっていく中で様々な挫折、後悔、葛藤を経験していくのですが、すれ違った理由が切なすぎて辛かったですね。
ただ、再会する中で互いの優しさや居心地の良さを実感して2人がまた向き合い始めたこと、想いを吐露するようになったのに泣けました。ぶつかって壁を乗り越え、成長し愛し合うのが素敵。また、周囲のキャラクターも様々な想いを背負いながらも、優しくてひたむきで愛おしかったです。
④ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(Netflix)
自閉症スペクトラム障害を持つウ・ヨンウは、大手法律事務所で働く弁護士。様々な困難にぶつかりつつも弁護士チームと協力して、自身の優れた記憶力や独自の視点を活かし、数々の依頼を解決していく物語。
韓国でも日本でも大ヒットした作品で、気になっていたのが視聴のきっかけ。自閉症スペクトラム障害を持つ弁護士の主人公がどう奮闘していくのか、周囲の人物との関係をどのように築いていくのかに注目したいと思っていました。
Filmarksで付けた評価→★4.0
評判通り、話の構図もキャラ付けも面白かったです。事件の背景と解決に至るまでの糸口を描いたり、ヨンウの背景と一緒に事件に立ち向かう弁護士たちとの人間模様から徐々にヨンウの成長が感じられて見応えありました。
個人的には、ミョンソクさんがすごく好きでした。部下に対して仕事仲間として向き合うだけでなく、1人の人間としてそれぞれ接していたように思います。自身の過去の失敗や苦悩をヨンウに話していたのも印象に残っています。
ただ、ヨンウとジュノの恋愛模様はあんまりでした。ヨンウに惹かれた理由や守りたい想いがもう少し見えたらまた違っていたかもしれませんが、需要性を感じられませんでした。
⑤マスクガール(Netflix)
自分の外見にコンプレックスを持っている会社員のキム・モミは、仕事が終わった後に仮面で素顔を隠し、インターネット配信を続け一躍時の人となった。しかし、あらゆる不運な出会いや出来事に巻き込まれ、人生が一変していくサイコスリラー。
予告を見る前は、ルッキズムを軸として描かれるのかと思いきや、想像以上にサスペンス要素が強そうで驚きました。キム・モミの純粋な承認欲求から何故狂気が加速し犯罪に手を染めていったのかが益々興味深くなったので観ることに。
Filmarksで付けた評価→★4.2
かなり気持ち悪くて怖かったです。急展開に度肝抜かれるし、主人公がルッキズムに翻弄されて転落していくのが恐ろしくも辛かった。外見をいじる上司、歪んだ愛に暴走する弱者男性やその母親、理不尽に暴言や暴力を浴びせる男性陣の胸糞悪さは半端ない。卑下・欲望の暴走・復讐が醜くも哀しい。
ノワール味が強く、ルッキズムによる偏見や性加害、DVといった背景から犯罪にどんどん手を染め暴走していく今作。主人公が堕ちていくのも見どころではありますが、個人的にはモミとチュネのシスターフッドが好きです。似た者同士高めあっていく関係であり、共犯関係でもあり…。愛おしくも苦しい友情でした。
⑥無人島のディーバ(Netflix)
離島で暮らし歌手を夢見ていた少女・モクハ。オーディションに向かうが、不運にもDV父に迫られ船から転落して、無人島に漂流してしまう。15年後、清掃活動で島を訪れた兄弟に救われ、モクハは新たな生活を送ることに。憧れの歌手・ランジュとも出会い、歌手の卵として再出発する物語。
設定がなかなかファンタジーではありましたが、歌手を目指して再出発するヒロインの成長物語に惹かれて視聴したいと思いました。また、「eye love you」以来注目している、チェ・ジョンヒョプが出ており、彼の出演作をチェックしたかったのも視聴理由です。
Filmarksで付けた評価→★3.5
まず、モクハが魅力的すぎる。打たれ強く、憧れを追いかけて夢を諦めず生きていく姿にグッときたし、人懐っこくて愛嬌のあるキャラクターがチャーミング。パク・ウンビンの演技力も大きいと思いますが、モクハのキャラ付けが好きでした。透明感のある歌声も素晴らしい。
また、カン親子との出会いも運命的でした。この親子はかなり複雑な家庭で、壮絶な暮らしと様々な困難を乗り越えてきたんですよ。回を重ねる度に、モクハにとってこの親子が大きな存在となるのですが、真実を知ったときに泣けてきました。
とはいえ、DV父の執着ぶりは引っ張りすぎていたような。後半まで引っ張ったせいで、物語の軸がぶれてしまった印象。モクハのデビュー、カン親子やランジュとの絆を深掘りして欲しかったです。
⑦シティーハンター(Netflix)
北条司原作の同名漫画を実写映画化。本作では、現代の新宿を舞台とし、獠と槇村のバディ時代、槇村の妹・香との出会いが描かれている。また、冴子とのやりとりや謎の薬品(エンジェルダスト)が関わった事件も見どころとなっている。
本作は観る前から楽しみにしていました。「シティーハンター」はアニメを2期までしか観れてないのですが、大好きな鈴木亮平と安藤政信がバディ役なのが嬉しくて(これが1番の理由)。また、安藤政信が演じる槇村が作中で特に好きなキャラであり、様々な役をこなし信頼を置いている鈴木亮平が獠、森田望智が香を演じるのも楽しみでした。
Filmarksで付けた評価→★4.1
舞台を現代にしたことで、シティーハンターの世界観と現代の新宿が上手くマッチするのか、という心配はあったのですが…。いい塩梅のコメディ感と展開のストレートさが爽快で、キャラクターの魅力を損なうことなく纏めていたのが良かったです。
個人的には、楽しみにしていた鈴木亮平×安藤政信の獠×槇村バディが、愛くるしくも儚くて魅了されましたね。軽快なやりとりに対照的なアクション、垣間見える信頼関係を亮平さんのきめ細かい芝居と安藤さんのナチュラルな芝居で魅せていたのが非常に良かった。だからこそ、"槇村の死"による喪失感がより一層感じられました。
森田望智と木村文乃も良かった。森田さんに関しては改めて変幻自在だな…と。「虎に翼」の花江ちゃんの役作りも凄いけど、「シティーハンター」は声から所作まで香ちゃん。文乃ちゃんが演じた冴子は、クールな佇まいがかっこよくて、作品の雰囲気をビシッと締めてた。
余談ですが、シティーハンターのブルーカーペットイベントの鈴木亮平と安藤政信が可愛くて動画や写真を定期的に見てるんですよね…。
亮平さんのおおらかさと、安藤さんの無邪気さが最高。大好きなお2人の人柄と仲良さが伝わってくる絡みに胸熱。
Netflix映画『シティーハンター』ブルーカーペットイベント | Netflix Japan
安藤さんファンの私としては、いつも以上にノリノリで、肩組んだりピースしたりするのがほんと可愛すぎて微笑ましかった…!
⑧余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。(Netflix)
森田碧原作の同名小説を実写映画化。高校1年生の早坂秋人は心臓病で余命1年と告げられ、ある日余命半年の少女・桜井春奈と出会い、限られた時間の中で恋が始まる物語。
普段こういう作品は観ないのですが…。キャストに好きな役者さんが多く、Filmarksでの評判が良かったので視聴することにしました。
Filmarksで付けた評価→★2.7
演者も良かったし、キャラクターの位置づけも悪くなかったのですが、やっぱり展開が予定調和に感じてしまって入り込めませんでした。個人的には、闘病の苦しさと必死に生き抜こうとする姿が見えないと没入できないのかもしれない。話も演出も綺麗すぎる。
とはいえ、出口夏希の演技は個人的に過去一いいなと思った。純粋で、可憐で、真っ直ぐな瞳が印象深かったです。夏希ちゃんは、どちらかというと頑張り屋な役よりも、繊細でどこかあどけない感じの役の方がハマるのかもしれない。
◎配信作品の総括
日本の配信作品は、地上波よりもキャスティングや題材、撮影に力を入れているものが多くなったように思います。ただ、全体的に題材やコンプライアンスの扱い方、話の構成、映像技術ともに追いついていない感じがします。
面白い作品もありましたが、題材や演出のセンシティブさが露骨に出ていたり、内容の面白さが伴わなかったりして、ハマりきれない作品も多いように思います。特に恋愛ものや政治・事件を扱った作品。民放の作品と比べたら見やすくはなっていますが、話数が足りないのかキャラクター描写が薄かったり、そもそも内容が中途半端orご都合展開になっている印象です。
今年は韓国ドラマも何本か視聴しました。話数が多い分、キャラクターのことをより深く知れたり、出来事の背景が描かれていたりするので作品に没入しやすい印象を受けました。また、映像も自然な映りで臨場感があり、その点では日本より脚本・映像演出の制作費を費やせていると思いました。制作費が全てではないですが、あまりにも話数が少なかったり、映像がチープだったりすると制作側の必死さを感じてしまうので…。
ただ、ファンタジーな設定の作品で展開の強引さを感じ、唐突な恋愛描写に困惑したのは否めなかったですね。題材がかなり豊富で、発想膨らませて作品を作るのは面白い試みです。しかし、ファンタジーな描写の作品はよほど心理描写が丁寧でないと演技力や映像技術の高さをもってしても入り込めない。また、恋愛ドラマでなくても時折挟まれる恋愛描写が唐突かつ背景が薄かったりすると「この恋愛…物語に必要?」と疑問に思います。自身の好みの問題でもありますが、題材に斬り込み、キャラクターの心情が見えてくる作品が好きですね。
昨年観た漫画の実写作品は、ガンニバル、1122(いいふうふ)、シティーハンター、【推しの子】でした。ガンニバル、1122(いいふうふ)は原作を読めてないので何とも言えないのですが、シティーハンターや【推しの子】の完成度の高さを観ると、漫画の実写作品は配信コンテンツの方が予算や時間をかけて仕上げられるのかもしれないと思いました。
ドラマも映画も、限られた話数や時間の中で、いかにリアルに落とし込むか、キャラクターの軸をぶらさないか、原作を基に起承転結を意識して展開するかが鍵になると考えています。それを踏まえると、シティーハンターも【推しの子】も設定や展開の改変があったとはいえ、キャラや展開の要点を抑えながら纏めていた。映像やアクションは、キャラへのスポットを当てたり、場面自然に立体的に魅せており、原作を顕現しようという意欲が感じられました。そういう想いのあるスタッフやキャストを集めて作品を作るのは、今後配信コンテンツが主流になってくるのかもしれない…と思いました。
今年は、日本のドラマや映画も観ますが、海外のドラマや映画も少しずつ観ていけたらと思ってます。もし、おすすめの韓国ドラマや海外作品がありましたら、教えていただけたら嬉しいです。
以上、第19回の投稿でした。最後まで観てくださり、ありがとうございました!