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自分の絵に、ようやくしっくり来た話。

今日書くのは、自分の絵の話である。
絵に限らず、何かを創る人にとって、「自分らしさ」は大事なポイントだと思う。そしてそれは、もしかしたら、「自分で自分の創るものにしっくり来ること」なのかもしれない。
――ということで、今日はそんな話である。

イマイチしっくり来ないキャラ絵

私にとって、自分がデジタルで描くキャラ絵というのは、実はイマイチしっくり来ないものだった。
自分のキャラ絵の絵柄が古い、という自覚はあったので、レジの仕事を辞めて絵を描き始めた時、キャラ絵に関してはいろいろ試行錯誤した。
髪型や服装などは、今風になるように写真やアニメキャラの服装などをあれこれ見たし、塗りも動画やメイキング系サイトなどで勉強した。
特にこだわったのは、目の描き方や塗り方で、動画で見た塗り方を中心に、アニメで目がアップになると、そこをつぶさに観察して、自分の絵に取り入れるようにもしてみた。
線画も、ペンでペン入れするようにした。
おかげでいろいろ、始めたころよりは向上した気はした。
ただ、イマイチしっくり来なかった。

線画用のペンは相変わらず、どれがいいのか迷うことが多かったし、塗り方についても、素敵な絵を描く人が「こうすればいい」と言っているのを見れば、それをまねしたり、プロ絵師さんの動画を見ては、またそれをまねてみたりと、おちつかず、これ! という描き方が決まらなかった。
pixivなどでの評価もイマイチで、壁紙やスイーツイラストにはイイネがつき、ブックマークもされるのに、キャラ絵にはまったく反応がない状態だった。

偶然が引き寄せた、ブラシと描き方

そんな中、先日たまたま以下の記事を見た。

水彩ブラシや塗りに興味があった私は、さっそくこの方が作ったブラシのセットをダウンロードし、描き方に従って描いてみた。
その結果、なんだかすごくいい感じの絵が出来上がったのだ。


お試しで描いたキャラ絵

ほんとに何も考えず、ただ試しに描いてみよう……ぐらいのつもりで描いたのだが、これまでの、何時間もかけて下絵描いて塗って……ってしてたものの何倍も、自分的には「イイ感じ」にできてしまった。
ナンジャコレ……。

それで翌日、下絵を途中まで描いて放置してあった絵を、ちゃんと描いてみた。それがこれだ。

描き上がった時、すごくしっくり来た。
私は、こういう絵が描きたかったのか……と、心の底から思ったのだ。

しっくり来た理由

それから数日が過ぎ、今改めて、なぜそこまでしっくり来たのかについて、考えてみた。
理由は、いくつかあると思う。

まず、アナログで描いていた時は、線画がエンピツで、塗りは水彩だったこと。
以前も書いたと思うが、当時の私は、水彩用の紙があることも知らず、高級な絵の具があることも知らなかった。
普通の画用紙にエンピツで線画を描いて、小学生が使うような絵の具で色を塗っていた。
線画は、色を塗ってから水彩で線を入れることもあったのだが、ともかく、そんな描き方だったのだ。

もう一つは、目の描き方だ。
アナログで描いていたころ、私はこういう、さほど凝らないキラキラもしない目の描き方だった。
これはおそらく、私自身が影響を受けたものの多くが、ロボットアニメや少年マンガだったことに起因する気がする。
最初に真似したマンガ家さんは美内すずえ(少女マンガ家)だったけれど、その後の私は、池田理代子にも竹宮恵子にも行かず、松本零士と聖悠紀に向かい、東映の特撮とアニメに溺れて育った(;^ω^)
むろん、松本零士も聖悠紀も東映のアニメーターの方々の絵も、どれも素敵で素晴らしいものだ。
ただ、少女マンガに較べると、目のキラキラ度や衣装の細かさがかなり違うのは、おわかりだろう。
結果的に、私の絵はどちらかというと少年マンガに近いものになっていた。
また自分自身の好みとしても、少年マンガ風の絵の方が好きだった。

三つ目は、このブラシのセットに含まれているテクスチャが、めちゃめちゃいい仕事をしていたせいではないかと思う。
後日、イラストACに投稿する絵を描くために、このセットを使った時に気づいたのだが、セットに含まれるテクスチャを入れない場合、そこまでアナログ水彩感が出ないのだ。
絵の具のにじんだ感じや、紙のけば立ったような感じは、ブラシそのものではなく、実はテクスチャによる効果だったのだ。
そして、私のこの「しっくり感」にとって重要だったのは、実は「アナログ水彩感」だったのではないか……と、改めて思っている。

というのも、上記した2枚のキャラ絵、眺めているとものすごく懐かしいような、胸に迫って来るような、不思議な気持ちが湧き上がって来るのだ。
そしてそれは、少なくとも私自身は最近まったく目にすることがなくなった、自分が子供のころに見ていたアナログ絵を彷彿とさせるからだ……と気づいた。

結局のところ、単にテクスチャによって見せられる「アナログっぽさ」に脳が騙されているだけなのかもしれない。
とはいえ、私自身はデジタルで絵を描き始めてから、アナログで絵を描こうと考えたことは、まったくないのだ。
素材を考える時に、ラフをスケッチブックに手書きすることぐらいはあるが、それはあくまでもアイディアをメモするといった形でしかない。
そもそも、デジタルの方が画材を買い集める必要がなく簡単に始められるという理由でデジ絵を始めたのだから、今更アナログに戻りたいと思うわけはないのである。
なのだが……自分の絵の原点は、アナログにあったということ……なのかもしれないなあと、思ったりもするのだった。

キャラ絵以外に描いてみたもの

さて。
後日、キャラ絵以外のものも、描いてみた。
食パンとクロワッサンである。

一つの塗り方だけに固執するのもどうかとは思う。
だが、これからは、このアナログ風水彩を中心に、自分が本当にしっくり来る絵を描いて行きたいと思ったのだった。


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織人文
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