「探究」する学びオンライン対談 〜藤原さとさん×蓑手章吾さん〜
オリジナル子育てでは、教育や子育てに関するイベントを定期的に開催しています。先日は「探究」する学びについて、公立小学校教員の蓑手章吾先生と、『こたえのない学校』代表の藤原さとさんに対談をしていただきました。
蓑手先生は学校での具体的な実践を中心に、藤原さとさんは米国で先進的な探究型学習(PBL)に取り組む公立学校であるHigh Tech High(ハイテックハイ)の取り組みをベースにお話していただきました。
お二人の活動や実践をもとにされたエピソードはどれも大変興味深く、お互いに問いを重ねることで学びが深まる対談でした。また、参加者の皆さんからも多くのご質問やご意見をいただき、200人以上がともに学び合う時間になりました。
当日の対談動画は、登壇者のお二人の許可をいただいて記事の最後にリンクを掲載しました。ご興味ある方は、ぜひご視聴ください。
今回の記事では、対談の中で印象的だったキーワードを3つご紹介します。
1.「公正」とは
「公正」であること。それがHigh Tech High(ハイテックハイ)の実践や、蓑手先生の取り組みで共通している理念です。学校ではよく「平等」という言葉が使われるけど、「公正」とどう違うの?という問いから対談ははじまります。
困っている人がいたら、お互いに支え合う仕組みをどう作るか?
一人ひとりに価値があることを、お互いに気づくにはどうすれば良いか?
子どもは本来優しい。だからこそ、大人がどのように関わるのが良いのか?
など、お二人ならではの経験や視点で語っていただいています。
藤原さとさんの著書『「探究」する学びをつくる』に出てくる寺中有希さんのイラストがわかりやすい。(そしてかわいい)
2.「探究」とは
蓑手先生は、コロナによる休校がはじまり、いち早くオンライン授業をしたことでマスコミからの取材でとりあげられました。自宅で学習に取り組もうとする子どもたちに、「もっと好きなことをやったらいいよ」と声がけをしていたそうです。このオンラインでの実践を、「自分の才能と情熱が出会う場所」にしたかったと表現されています。
イベントの中では、「自己調整学習×自己探究」に取り組む休校中の子どもたちの様子を具体的な画像とともにたくさん紹介してくださっています。自分の「好き」からはじまる探究、それを「振り返り」で深めていくプロセスを通して子どもたちが成長していく姿に、「探究」による学びの可能性をリアルに感じることができます。
後半はさとさんが、蓑手先生の実践を踏まえて「探究とは何か?」を分かりやすく整理して説明いただいています。探究とはこうでなければならないというものではなく、子どもの学びを最大化する為の手段であるというお話が印象的でした。
※蓑手先生がコロナで休校中の取り組みについて書かれた記事の紹介
「オンラインで学びの場を作って2ヶ月半、自立して学ぶ子に必要な新7ルール」はこちら
3.「評価」とは
評価されることをイヤに感じる人は多いと思います。子どもでも大人でも。
では、なんのための評価なのでしょうか?
High Tech High(ハイテックハイ)では、「それは自分のことを自分の「言葉」で説明できるようになること」であると言います。実践に合わせて評価をどう作り上げていくのかがポイントのようです。
「評価」については、とても大きくて難しいテーマのようで、参加者の皆さんからも一番多く質問をいただきました。蓑手先生は「自分の成長を感じているか、自分の課題に気づいるか」を大切にされているとのことでした。さとさんはアメリカの評価事例の紹介を交えつつ、評価はなくならないからこそ、「距離との取り方や付き合い方が大事である」とお話ししてくださいました。
さとさんのブログ「評価の最前線と4つの潮流」はこちら
評価ついては、この記事で一言で言い表すのは難しいため、ぜひ対談動画をご視聴いただき、自分なりの答えを探していただけると幸いです。
4.動画のご紹介
この記事では、イベントの一部をご紹介させていただきました。イベントにご興味持たれた方は、お二人のリアルなやり取りを下記の動画からご視聴いただけます。
【本編】藤原さと×蓑手章吾_対談:「探究」する学び
【質疑応答】藤原さと×蓑手章吾_対談:「探究」する学び
5.グラフィックレコーディングのご紹介
イベントに参加いただいた寺中有希さんが、こんな素敵なグラレコを書いてくれました。ご本人の許可をいただいて、こちらの記事にも掲載させていただきます。今回の対談のエッセンスをざっと見直したい時などに、ぜひお役立てください。
本文 written by つまゆまい
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