コマーシャルギャラリー(企画画廊)へのアプローチ方法(簡易版)
10代、20代のアーティスト達へ
2019/9/22(初回)
2019/12/23(一部更新)
2020/8/18(タイトルと一部更新)
今回はコマーシャルギャラリー(企画画廊)へのアプローチ方法についての記事を制作しました。
*注意書き*
自ら体験した経験や、信頼できる情報に照らし合わせて整理し構成しています。個人的な見解もありますので、必要な部分のみピックアップして活用していただけたらと思います。
*まえがき*
まず具体的な話に入る前に、前提として取り扱い作家とはギャラリーとの協力関係になりますので、作家やアーティストを目指す方々は1つの選択肢としてお考えください。(画家としての生き方は取り扱い作家のみに限りません)
まずアプローチを行う上で最も大切なことは、
「あなたという人間がこの世に居て、こんな作品を、こんな考えで作っている」という事を知ってもらう事
これを伝える事が目的です。
はじめにギャラリー側は
「作家業またはアーティスト業の継続意思が見えない人はいらない」
と思っています。
作品が売れそうとか作家のキャラが良いとかももちろん見ておられると思いますが、一時的なタイプの人は基本的に要らない。というのが本音です。
取り扱いになるということは今後も関係が続いていくということなので、作家業をいつかやめるだろうなと思わせてしまう人は魅力的に映りません。
作品の点でいえば、
完成されていなくても良いが、期待値を感じさせるもの
その辺を踏まえた上、参考にしてください。
既知なものもあるかと思いますが、具体的な方法(きっかけを作る方法)をいくつか紹介致します。
①ギャラリーにポートフォリオや実物作品の持ち込み
おそらくアーティストにとって最も心理的にハードルが高いものだと思っています。しかし、作品を間近で見てもらえるし、お話もできるので自分のことを確実に詳しく説明できます。何より顔と姿がお互い見えるというのが良いと思います。それと、わざわざリスクや労力を使ってきてくれたというのが相手にとって印象の悪いものではないでしょう。ただし作品に興味を持ってもらえるかどうかは別問題です。ただこの場合、一番の課題は「相手が会ってくれるかどうか」というところです。会うというのは自分の時間を削り、あなたのために使うというもので、未知の人間に自分の時間を費やすのは一種のバクチですのでタイミングが重要になります。忙しいギャラリストほど不在にしがちです。つまり持ち込みの場合は 「会う」ということができた時点で概ね達成です。
会うことができたならば話は「どんな作品を作っているの?」「なぜここに興味を持ったの?」などあなたのことを積極的に聞いてこられるでしょう。一方的にプレゼンさせられるかもしれません。
嘘偽りのない事実や経緯をあなたの言葉で伝えましょう。
自分を良く見せようとしても簡単に見破られると思ってください。
②コンペで賞を取る
一番王道。この方法が最も作家やアーティストにとっては理想的でしょう。コンペによって様々ですが、全国区のコンペでは大賞をとることが出来れば声をかけていただける可能性が高まります。優秀賞でも可能性はあります。
沢山の作家作品の中から選ばれたというお墨付きはやはりギャラリーにとっても信用度が高いです。過去の入賞された方々の名前をググれば簡単にわかります。
あとコンペによってジャンルや募集作品に傾向があるのでどのコンペが自分の方向性に近いのかはしっかり確認してください。
ジャンルのあっていないコンペではいくら出品しても、良い結果は生まれません。自分の傾向を今一度ご覧ください。
あと審査員です。審査員も人間なので賞に入らなくても、個人的に一緒に仕事をしていとアプローチをかけてこられることがすごく稀にあります(実際に聞いた話です)
コンペにおいての目的は大賞、各賞に入ることです。入選は自身のキャリアに書ける程度のものとして認識ください。
③メールやSNS
これは明日にでもどこにいても行えます。
ほとんどの場合、メールやメッセージを送っても連絡が返ってこないことが多いと思います。
これは経験談ですが、東京以外の地方のギャラリーは返信してくださる可能性が高いです。(ポジティブなものはあまりありませんでしたが。)
東京のギャラリーは普段から営業メールが多いのか1つ1つ対応しておられないのかもしれません。
メールの目的としては自分の作品を見てもらうという一点のみです。そして実際に会うためのアポに繋げられるとベストです。
snsでフォローしたり、されたりの中で自分の投稿に作品を掲載しても、見てもらえる可能性はあったとしてもギャラリー側はアクションを起こす可能性は低いです。それよりも直接メッセージを送ることが有効です。
④他の場所で人として会う(作品抜き)
ギャラリスト個人やギャラリーがsns等をやっておられる場合「今〜にいます」「明日は〜に参加します」等の情報はチャンスです。
自分も参加できる場所なら行ってお会いできる可能性が高いです。
一度会って顔を知っていると次にお会いするときにも相手の心理的ハードルが下がるので、会うことができると少し有利です。一度目に会った時に作家やっていますとかアーティストとしてやっていきたいということが伝えられなくても二度目にお会いした時に話を聞いてもらいやすい。なので、憶えておいてもらいましょう。
⑤コネクションや紹介
この社会はどこまで行っても人間が動かしていますので、どういう人がどのような人とコネクションを持っているのかわかりません。
美術とは関係のない事業を行なっておられる方でも美術関係者と仲が良いということもしばしばあります。(facebookやtwitterをやっておられるのであれば繋がりが見れる)
現在自分が持っている繋がりから、目的の方に繋げていただくというのもアリだと思います。
すぐ行えるのは学生時代の恩師からの紹介等です。これを活用して発表機会や所属ギャラリーとの関係を得た方は多いと思います。古巣の方に手を借りるのはあんまりという方もおられるのであれなんですが、活用できるものは利用すべきです。
⑥目的の場所で働く
目的の場所で働くことで、展示機会や関係性を作る。(ボランティアでもok)以外とたくさんの方がやっているイメージです。地道です。
⑦他分野での知名度を作る
これは難易度高いかもしれませんが、他の分野での活動で知名度を上げて知ってもらうというのもアリです。タレントさんなどの有名人などでもコマーシャルギャラリーで取り扱われている作家さんは何人かおられますね。ギャラリー側としてもすでに知名度のある方は魅力的に映るのでしょう。
⑧ギャラリー主催のコンペやイベント
興味のあるギャラリーや取り扱って欲しいと思うギャラリーで独自のコンペを行なっておられる場合は必ず狙ってください。HPやsnsで必ず告知があるはずなのでこれを見逃すのはすごくもったいないです。東京でしたら、いくつかのギャラリーがそのようなコンペを行なっておられます。(年によっては行われない場合もあるので、必ずHP等でご確認ください)
⑨個展時に広報を送る(必ず目にとまるように工夫して)
ある知り合いが行っていて知ったのですが、個展開催時にはいくつかのコマーシャルギャラリーに展覧会案内DMを送ると思うのですが、そのDMをポストカードのようなものではなく、もっと見やすく情報を載せたリーフレットや小さな作品集のようなものを作って送るというもの。もちろん作品の制作意図やステートメントなども必要でしたら掲載したら良いと思います。その知り合いはギャラリーの取扱作家になっておられました。
補足とプラスα
恐れ多くも、いくつかの方法を紹介させていただきました。この中で1つを行うというイメージよりは複合的に活用していただけたらと思います。
例えば→④他の場所で一度お会いして、③メールでアポを取り、①作品やポートフォリオ持ってお会いしに行くなど。
自分にはこれはやりにくいと思うものは無理して行わず、やれることを選択して、行動しましょう。
あとアプローチするギャラリーは自分の希望するところで良いと思いますが、一回で受け入れてくれるところはすぐには見つからないと思いますので小さくても生まれた関係性を大切に育ててください。
*あとがき*
今回は機会獲得(きっかけづくり)の方法を中心に書かせていただきました。より具体的に実践的な内容でこの記事の発展版も予定しておりましてその記事も後日UPできればと思っております。
〈この記事の発展版〉
【取扱作家になるには?】コマーシャルギャラリー(企画画廊)へのアプローチ方法(実践用) *有料記事ですが途中までは無料で読めます。
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