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愛してほしいと、叫びたくて

「愛してほしい」そう何度も声にだして、叫びたくなる日がありました。
「私だけを見てよ」そうやって、すがりつきたい日が数え切れないほどありました。

私に向けられなかった愛情は、別の誰かに向けられて、その視線をただただ羨ましいと思いながら眺めていたのです。

けれども決して口に出して思いを伝えることは、できませんでした。
だから顔色をうかがって、大好きな人たちが喜びそうな言葉を探して、必死に見てもらおうとしていたのです。

同じように、ただ純粋に愛して欲しかったから。

けれどもいつしか歪んだ愛情として降り注がれるものは、時に私の心を傷つけて、そして深い傷跡として今でも残り続けています。

子どもながらにわがままが言えて、純粋に甘えられる人たちが、羨ましかった。
子どもながらに嫌なことを嫌だと素直に言える人たちが、羨ましかった。

それが私にはとても難しく、果てしなく大きな壁として立ちはだかり続けたのです。

そして大人になった今でも、素直に甘えられて、素直に言葉を伝えて、素直に感情を表現することを難しいと感じることがあります。
それはきっと、幼い頃から刻まれた痛みが、心の中に残り続けているからでしょう。

だから私は、いつしか言って欲しかった言葉を文章で自分に伝えるようになりました。
欲しくてたまらなかった愛情を、文章を通して、大人になった私が過去に自分に向けて贈り続けているのです。

きっと過去に受けた傷も、痛みも、一生消えることはないと思います。けれども、傷跡を薄くすることは今からでも遅くないと思うから、今日も私は過去の自分に言葉を贈るのです。

「あなたのことを愛しているのは、何も目の前にいる人たちだけではないよ。大人になった私が、過去の私にこうして言葉を贈っているのだから。あなたがどれだけ素晴らしくて、どれだけ素敵で、そして誇りを持っていい存在だということを。だから、目の前にいる人の言葉だけではなく、大人になった私の愛情も同じように受け取ってね」と。

そしてこの言葉は、自分のためだけではなく、同じように傷つき、痛みを抱えた人たちにも同じように贈り続けているのです。

あの時受けた傷が、ほんの少しでも薄まるように。
そして言葉の愛情を贈り、少しでも自分自身を好きになれるようにと・・・。

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