軌跡 18
あら。嫌だわ。こんなところに、塔子のタンポンが落ちているわ。
あの娘ったら、そそっかしいんだから。
これ、塔子や。
貴方の性器からずり落ちたタンポンが、道端に佇んでいたわよ。
あら、お母様。
いいんですのよ。
私、わざと落としたのよ。
そうなの?どうしてタンポンを道端に落としたの?
…実は敏夫さんがね。
許嫁の敏夫さんが、結婚する前に君の歩んだ道を、
その軌跡を辿りたいと言ったのよ。
まあ。あの敏夫さんが?
ええ。私驚いてしまったわ。
あの寡黙な敏夫さんが、自己主張したのよ。
性交渉では外陰部をひと舐めもしてくれない、腰の一振りもしてくれない、あの敏夫さんよ。
君が歩んだ道に、標としてタンポンを置いておいてくれと言ったのよ。
そうなの。でもそれはいいことだわ塔子。
敏夫さんが、妻を娶る責任というものを自覚したのよ。
そうかしら。
そうよ。
ロマンチツクじゃない。センチメンタルになる事はありませんよ塔子。
あら。お母様。
私はちっともなってやしませんよ。
敏夫さん今頃きっとタンポンを手にとって私に思いを馳せているはずだわ。
あらあら。お熱いこと。
いやだわ、お母様。からかわないで。
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