世界の美しい野生ランと出会う つくば蘭展2024
国立科学博物館 筑波実験植物園で開催中の「つくば蘭展」へ行ってきました。原種、園芸品種を含め500点ものランが展示され、ランの多様性を肌で感じてきました。今日はつくば蘭展で見つけた、美しく不思議な花たちをご紹介いたします。よろしくお願いします。
珍しい野生ラン つくばコレクション
筑波実験植物園は世界有数の野生ランの保全施設だそうで、園のコレクションの中からおよそ200点が公開されていました。
野生のランはやさしい色合いで、控えめな佇まいです。
ひょろひょろと長く伸びたランがありました。よく見ると、小さな突起のひとつひとつがランの花。ブルボフィルム属の植物だそうです。
ランは鑑賞するだけでなく、香りも楽しめるお花です。
華やかな香りやブドウのような香りのほか、思わずのけぞってしまうほどスパイシーな香りのランもありました。
なかには、こんな妖しい色のランもありました。
クレピディウム・メタリクムといって、マレー半島とボルネオ島の標高400~2000メートルくらいの森の中に暮らしているんですって。
森の宝石 ジュエル・オーキッド
今年のつくば蘭展では「ジュエル・オーキッド(宝石蘭)」と呼ばれるランが実物と写真で紹介されていました。
ジュエル・オーキッドとは、シュスランの仲間を中心とした、葉のきらめくランの総称です。野生種だけでも世界で100属800種類ほど知られていて、サバンナや熱帯雨林、亜寒帯など、世界中の森の奥深くに暮らしているそうです。
よおし、近くで見てみよう!
丸い葉や細長い葉、子宝草のようにギザギザした葉。いろんな色、いろんな形をしています。みんなきれいで、おもしろい!
サバンナに生息するジュエル・オーキッドや
日本に生息するジュエル・オーキッドも。
さまざまな気候に対応しながら、力強く生きているんだなあ。
ネオンのように発光する葉は、この世のものとは思えないほど神秘的です。
「蘭は花を楽しむもの」というイメージでしたが、いやはや、葉っぱも美しい。ジュエル・オーキッドはまさに宝石でした。
キノコと共生?
また、ジュエル・オーキッドは光合成するのが難しい場所に暮らしているため、キノコ(菌類)と共生して栄養を獲得しているのだそう。葉っぱは緑なので、光合成も同時にしているのかな。
不思議な花を咲かせていました。
光合成をやめて、キノコに完全に寄生したシュスランの仲間もありました。全体的に白く、葉や根が退化しているのがわかります。
また、研究室の内部が特別公開されていて、培養中のランのほか、絶滅危惧種や世界で初めて開花したランの標本なども展示されていました。
美しいラン
3つめの展示室、熱帯資源植物温室には、協力団体の方たちが丹精込めて育てたランが300点ほど展示されており、どのお花も合わせたかのように満開でした。
会場には甘い香りと、見学されている方の熱気が立ち込めていました。
とっておきの一枚
この日一番ステキだったのは、バルボフィラム属プルプレオラキスという、ナイジェリアやカメルーンに自生する着生種のランです。葉のような茎に小さな花が交互に咲いていました。
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
世界でもっとも多様な植物と言われている蘭。その魅惑的で不思議な世界を存分に楽しんむことができました!
なお2024年のつくば蘭展は3月17日までとなっています。
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