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はじめてのチームづくり~「いつ誰を仲間にするか?」問題のヒント~

私は、SNSオフ会の幹事をやったことを切っ掛けにイベンターとして独立し、東京の新宿区や中野区、品川区等の行政と連携し、地域のご協力をいただいて自主企画の音楽イベント開催。法人化を経て、約10年に渡ってプロのイベント屋さんとして活動してきました。

コロナ禍で会社を畳んで公務員に転職した今は、当時とは逆の立場で町を盛り上げるイベントを支援する仕事に就いています。

このnoteは私のイベント屋さん時代の経験を元に、これから個人主催イベントを開催したい人や駆け出しのイベントオーガナイザーの助けになる知識やノウハウ、失敗談を含む経験などを発信する個人的な活動です。

前回までは主に集客のお話をしてきました。

今回は、イベントの規模が大きくなり始めた時に必要になる「チームづくり」についてです。

ここでもテーマは「どぶ板」=1対1の関係づくりです。

あなたのイベント運営チームには誰が適任か?

イベント運営のチームづくりで意識しておきたいのは、あなたがメンバーをスカウトする際の2種類の動機です。

動機1 イベントの運営全般であなたを支えて欲しい
動機2 あなたが持っていないスキルを持っている

1つ目の動機によるメンバー選びは慎重に行うべきです。

なぜなら、一度誘ってチームに入ると、外れてもらうことに非常に大きな精神的、又は人間関係的な負担を被ることになるからです。

2つ目の動機はシンプルです。

例えば、チラシやパンフレットのデザインができたり、イベントで使用する機材や備品の知識を持った人がいてくれるだけで運営は捗ります。

今回は、とりわけ1つ目の動機に絞ってた超初期の運営チームづくりについて解説します。

初期メンバー選びで気をつけたいこと

初期メンバーは、この先のイベントづくりで常にあなたのパートナーとなる可能性がある人選です。

だから、何か特別なスキルがあることよりも、イベントの趣旨や哲学、あなた自身の考え方や価値観に共感してくれる人物であることを重視するというのが大前提です。

混同しがちなのが「単なる世話焼き」や「善意のお節介」である人。彼ら彼女らはあなただけでなく、基本的に誰に対してもそういう態度で接し、万が一ピンチに陥った時にはその場を離れてしまいます。

そうした見極めのためのヒントをいくつか挙げておきます。

1.最初期の参加者はイベント運営チーム予備軍

潜在的な初期メンバーの候補が多いのは、実は最初期からイベントに足を運んでくれているお客さんだったりします。

ご存じの通り、小規模イベントの最初期のお客さんは、運営側と顔が見える関係で、立ち上げの苦労や主催者の人となりも含めて評価してくれていることが多く、イベントのために何かしたいという気持ちを持ってくれている方が少なくありません。

SNSやオフ会等、イベント外でのお客さんと運営側の交流の機会を意識的に設けて関係を深めてみると結構な頻度でイベントづくりの仲間が見つかります。

2.仲間に引き入れる前に改めて親しくなる

初期メンバーに引き入れたい人が見つかると、すぐにリクルートしたくなるものですが、できれば一度は腹を割って話す機会を設けましょう。

初期メンバーは、スキル云々より人間的に尊敬・尊重しあえるかや、その人の人となり、背景、人生観に共感できるかといった要素の方が大切です。とりわけ、相手がどういうことを好み、何に価値を感じるかは、仲間としての活動具合を左右します。

古くからの友人であっても、一度は「イベント」というテーマで徹底的に語り明かしてみるべきです。できれば、サシ&ノンアルコールをお勧めします。

3.夢・目標と頼りたいことを伝えて誘う

初期メンバーの誘い方でも一工夫できることがあります。

小規模イベントの立ち上げ期はあれもこれもやりたいことだらけ。人手は足りず、想いとリソースが全然マッチしていない…という状態なので、つい「あれやって!これやって!こう動いてほしい!」と最初から具体的なお願いありきで仲間を引き込んでしまいがちです。

ですが、これから一蓮托生となる仲間を探すのであれば、少し高い視座を共有しつつ誘ってみると、よりよいチームづくりの近道となります。

例えば、それはあなた自身がこのイベントを通して実現したい夢や目標、参加者に実現してもらいたい成功像のようなものです。

それらを一緒に実現したいという前提で「ついては、今私には〇〇が足りていないので、ぜひ力を貸してほしい」という誘い方は、相手の自己重要感も満たせます。

また、単に実務だけでお願いした人にはずっと指示出しが必要ですが、想いを共有できた相手は自律的に動くうパートナーになって、将来的にあなたの負担を少し引き受けてくれます。

4.チームに入ってくれたら遠慮なく頼りまくる

チームに誘ったメンバーが、自分が尊敬する人物であるほど頼ることを遠慮しがちです。ですが、それはあまり良いことではありません。

あなたの価値や夢の実現に共感して参加したメンバーは、あなたに頼られることに一定の価値を感じてくれる人たちです。だから、誘ったのに遠慮や放置は、ダメ絶対です。

あなたの相談や壁打ちの相手になることが彼、彼女らの最初の仕事であり、実務上の役割は夢・目標を実現するためのタスクや課題解決の中で一緒に見つけていくものです。

ちなみに、私自身は典型的なやる気はあるけどスキルはない人間で、具体的なことはほとんど仲間に頼るへなちょこ主催者でした。それでも、想いを持って頼っていけば、それなりに何とかなります。

水臭いのは抜きにして、生身でぶつかりましょう。

逆に見れば、まずは等身大で接しやすい人から仲間に引き込むべきとも言えます。

まとめ

イベント立ち上げ初期のチームづくりで起こりがちなミスは2つの異なる動機でお願いしたメンバーを混同して扱ってしまうことです。

スキルによって依頼され、協力してくれた方は、イベント全般のことや将来に対して意見することを(その度に行われる会議に顔を出すことも)負担に感じるかもしれません。また逆に、前のめりに運営に参加してくれた人に専門スキル系のお願いばかりして、あなたの懐に入れないと、温度感は急速に冷めることになります。

ただでさえ人手の少ない初期には、そういうトラブルは勘弁してほしいとおこがましくも思ってしまうはずです。

所帯が小さい時ほど、ちょっとした人間関係の齟齬が進捗に影響したりもします。そうならない為にも、初期メンバーの選び方やお互いに遠慮のないチームづくりは重要です。

この記事が、あなたのオーガナイザーチームづくりに役に立てば幸いです。

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