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イベント収益化に悩む主催者が絶対知っておくべきビジネスモデル4選
イベントづくり先生のオーガナイザーM(@organizermanual)です。
このnoteは、インターネットや趣味の繋がりを活かして自分のイベントを立ち上げたばかりの初心者オーガナイザーさんに向けて、個人主催イベントから起業して10年以上プロイベンターとして活動した私の経験を元に「転ばぬ先の杖」となる知識や情報をご提供しています。
前回は、事前に収支の見通しを立てること(予算)と、見通しと現実の差を比較して原因を分析する(決算)ことの大切さについてご説明しました。
今回と次回は、より実務的な話として「売上」とは何か、「経費」とは何かについてご説明します。
イベントを開催する上で、どんなお金の入口があって、どんな経費がおおよそどの程度必要になるのかについても、知ることができる内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
イベントのビジネスモデルと収益源
ビジネスモデルというのは、企業や事業主が商品やサービスを通じてお客さんに何らかの価値価値を提供して、対価となる収益を得るための仕組みです。
おおよそ誰かからお金を戴く事業にはビジネスモデルが存在し、イベントも例外ではありません。まずは、イベントのビジネスモデルとはどんなもので、収益源としてどんなものが考えられるのか、基本的なところを見ていきましょう。
イベント主催者が採用できるビジネスモデルにはさまざまな種類がありますが、ここでは代表的な4モデルを紹介します。
チケット販売モデル
ライブや芸能、展示、講習、体験等のコンテンツに対して、チケットを販売して入場者から収益を得るイベントの王道的ビジネスモデルです。
オンライン参加費等でチケットを介さないけれど入場料によって運営する事業も広い意味でのチケット販売モデルです。
スポンサーシップ(協賛)モデル
イベントに協賛する企業から資金やサービスの提供を受けて、コンテンツを制作し集客を図るビジネスモデルです。
協賛金の対価として、イベントの中での広告や協賛者のブランド露出、商品・サービスの体験や発表等の機会を提供するのが一般的です。
展示会モデル
出展者から出展料を徴収してイベントを運営するビジネスモデルです。大型のEXPOや展示会の他に、小規模なマルシェや即売会等もこのモデルです。
コンテンツ提供者は、お金を払ってPRや販売を行う場を得ることを目的としており、主催者は企画力・調整力を発揮して、集客力のあるイベントを作ことが求められます。
マーチャンダイジング(物販)モデル
イベント会場での主催者によるオリジナルグッズや飲食物の販売、サービス提供によって来場者から収益を得るビジネスモデルです。
来場者のニーズを良く分析して、商品・サービスの開発や提供を行うことでより多くの収益を得ることができます。
組み合わせ型ビジネスモデル
以上の4つの中身をよく見ると分かる通り、主催者から見てイベントにおける収益源は大きく分けて以下の3つになります。
・来場者
・出展者
・協賛者
それぞれのビジネスモデルは単体で存在するのではなく、イベント関係者の広がりの応じて組み合わせることでより広く、安定した売上を生み出すことができます。
ここでも代表的な組み合わせをご紹介します。
チケット販売 × スポンサーシップ(協賛)モデル
チケット販売で来場者から基本的な収益を確保しつつ、スポンサーからの協賛金で追加売上を獲得する手法です。
チケット販売努力が協賛者の満足度向上にも繋がる相性の良い組み合わせであることから、多くの興行がこのようにして成り立っています。
展示会 × マーチャンダイジングモデル
主催者が商品やサービスを一括仕入れをして出展者に卸し、出展者のブースから来場者に対して販売することで、その差益を得るモデルです。出展者はそれぞれテーマの異なるブースづくりしますが、一方で多くの来場者に共通するニーズがある場合等に適用できます。
夏季の飲料や酒類の販売を行う際に、主催者が卸会社の立ち位置をとることで、出展者の手間を代行し、また末端価格を統一して安売り競争を避ける等の効果を発揮します。
フェス型複合モデル
ちょっと反則的ですが、紹介した4つのビジネスモデルは全て同時に採用することができます。その代表的なものがいわゆる「フェス」と言われるスタイルのものです。
① 入場者向けにチケット販売を行い
② 強力な集客力を武器に協賛を募り
③ 来場者目当ての飲食等のブース出展を受け入れ
④ 公式グッズや各種サービスを提供する
音楽フェスや食フェスが真っ先に思いつくと思いますが、世間のイベントをよく観察すると、様々なビジネスモデルや収益源を組み合わせて運営費を確保していることに気づくことができます。
あなたの強みを活かすビジネスモデル
このように、ビジネスモデルや収益源には相互補完性があり、1つがうまくいくと次々と新しい収益策が現れます。
その際に意識しておく必要があるは、あなたの得意分野と相性の良いビジネスモデルは何かです。
もし、あなたが既にフォロワー10万人を抱えるアーティストならば強力コンテンツ力を武器にして、チケット販売を軸にイベントを組み立てることができます。或いは、不動産業界や行政に顔が利き、週末に1万人が訪れる駅前や公園の広場を押さえることができるなら、集客力を活かした展示会 + スポンサーシップ型の企画が展開できるかもしれません。
ぜひ、イベント以外での自分の経歴や交友関係を振り返って、自分に合ったイベント運営費の確保の仕方について考えてみて下さい。
まとめ
最初に述べたように、ビジネスモデルというのは突き詰めると「あなたとお客さんの価値の交換」あり、イベントは価値の交換を行うための舞台装置であるとも言えます。
主催者の仕事はその装置を設計して、パーツを集め、組み合わせて、機能させることです。その為に絶対に必要な燃料が収益です。
特に、社会性の高いイベントはお金の話をすることが敬遠されがち(主催者はそうでなくても、協力者やお客さんが嫌がることも…)な傾向がありますが、とはいえ、資金がなくなればイベントもなくなります。
詐欺的な手法で暴利を得るのではなく、正当な価値の対価として収益を得ることはイベントの、ひいては参加者や出展者の幸せな発展にも繋がります。この機会に、あなたのイベントの収益の仕組みについて考えてみて下さい。
次回は、お金を使う方…「経費」について解説します。
ぜひ、最後までお付き合いください。