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真夜中法律事務所を読んで(ちょっと変わったミステリーを読みたい人にお薦め)
死者(地縛霊)が見え会話できる検察官と弁護士が、その地縛霊が死んだ真相を、地縛霊とともに暴く物語である。
探偵役が被害者の死者と普通に交流できるミステリーを読んだのは今回で2冊目である。1冊目は、死者である被害者は、犯人を認知できない状態で殺されたために、犯人が誰かわからないという設定であった。
今回のこの本は、死者は死んだ時の記憶は覚えていないという設定にすることで、犯人がすぐにわからないようにしていた。
この設定だけを聞くと、ご都合主義すぎると感じるかもしれない。しかし、この小説では、死者となった地縛霊ができることできないことを明確にし、その条件のもと論理を展開し謎を解いていくという論理ミステリーだった。それが、個人的には秀逸であった。
<条件設定された項目例>
・生者と死者の視覚的なルール
・正者と死者の物理的なルール
・死者(地縛霊)が成仏する条件
「超常現象も定義化されると普通になるんだなあ」と感じました。化け物でも宇宙人でも、あたりまえになれば怖くない。理屈が整理されれば、超常現象が通常現象になる。「未知だから怖い」とつくづく感じました。
「こんなミステリーもあるんだ」と感じたい人にお薦めです。
どちらにしろ面白かったです。
「貞子DX」のエンディングを見ながら
8/3 読了 タイトル:真夜中事務所 作者:五十嵐律人 出版:講談社