ディースト Diest ベルギー/フラームス・ブラバント ~忘れられたオランイェ公、フィリップス=ウィレムを偲ぶ
※ 訪問記は2014年6月時点の情報です。八十年戦争に関わる場所を訪れています。一般的な旅行記ではありませんのでご注意ください。
正式には「オラニエ・ルート」ではないのですが、
オランジュ(仏)
ディレンブルク(独)
ディースト(白)
ブレダ(蘭)
の4都市は、姉妹都市とはまた別の独自の提携を結んでいて(個別に姉妹都市になっている街同士もあります)オランイェ家つながりの強い街です。なのでこのサイトでもここに加えました。
ディーストは他の「オラニエ・ルート」と違い、オランイェ公フィリップス=ウィレムほぼ一色です。確かに八十年戦争より以前からここにナッサウ伯の舘はありましたが、ディーストが終始南ネーデルランド執政府領だったこともあり、ここには八十年戦争時代のナッサウ家の人物としてはフィリップス=ウィレムしか暮らしたことがありません。また、フィリップス=ウィレムの墓所もここディーストにあります。
ナッサウ舘
ワランデ公園に面した一角にある舘跡。といっても今も普通に使われているみたいです。なので観光客は中に入れません。壁にそれとわかるプレートがついています。1510年建設で、ナッサウ伯ヘンドリク三世の舘だったとか。
この建物の斜め向かいにある、公園入口の門のところにもナッサウ家とディーストの紋章が掲げてあります(見出し画像)。こちらは20世紀の建設。
ホフスタット博物館/宗教芸術美術館 De Hofstadt / Museum voor Religieuze Kunst
ディーストの中心部に併設している2つの博物館。市立博物館は市庁舎と建物兼用、宗教美術館は聖スルピティウス教会と建物兼用です。
共通チケットも有。…の割には、開館時期と時間にけっこうズレがありました。事前に調べていくか、観光シーズンの夏のほうが安全かも。
ホフスタット博物館 De Hofstadt
お役所らしく、昼時にいったん閉まってしまうこともあるので注意。市立博物館は右側の鉢が2つ置いてある半地下の扉のところから入ります。このわかりにくい入口の割には、中は地下のため案外広いです。それぞれの部屋にはベギン部屋、宝物庫など名前がついていて、パウチされた各国語の説明文が置いてあります。 ナッサウ部屋は、ナッサウ部屋というよりフィリップス=ウィレムの独壇場!
ほかにはオランジュ公ルネ・ド・シャロン夫妻の肖像があるくらいで、フィリップス=ウィレムの肖像、紋章、鎧一式などなど並べてあります。彼の儀礼用の円形の盾には、オーストリア大公アルプレヒトとイザベラ夫妻がレリーフされています。
宗教芸術美術館 Museum voor Religieuze Kunst
教会美術館は、美術館というよりは聖スルピティウス教会の一角が柵で仕切ってあって、ここから先行きたければお金払ってね、って感じのつくりです。柵のすぐ先のやや左手の巨大な祭壇がフィリップス=ウィレムのもの。下の写真だとちょうど正面のところです。
半月堡
環状線となっている国道R26をひたすら1/3周ほど歩きましたが、この写真のように何もない感じなのでちょっと失敗しました。堡塁の向こう側が広い公園で、要塞の様子なども見たかったのですが、当日ちょうど地元のイベントで有料でないと入れなかったです。
アクセス
ディースト駅から1kmほど。半月堡を観ながら街の外環を来て、ナッサウ伯の舘を経由しながら中央に向かうルートで入りました。中心部からのバスもあります。徒歩圏内ではありますが、中心部~駅は非常に迷いやすいのでご注意。
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