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ヘット・ロー宮殿 Paleis Het Loo オランダ/アペルドールン ~オランダ王室の宝物庫、隣接の騎士団博物館の財宝も必見

※ 訪問記は2017年10月時点、改装前の情報です。2023年以降のリノベ後には展示室の内容などは変わった可能性があります。

ヘット・ロー宮殿 Paleis Het Loo

オランイェ公ウィレム三世の別荘として建てられた宮殿。八十年戦争期には存在していなかった建物です。ウィレム三世以降、オランイェ家の宮殿として使われ続け、今は外部公開もされています。正直、八十年戦争期の収蔵品は薄いだろうと思っていたのですが、ここはオランイェ財団の本拠地でもあるため、逆にとんでもない品ぞろえでした。良い意味で期待を裏切られました。


2018年から改装(完全に閉鎖ではなく、改装モードで一部展示は続けられる)に入っており、2023年4月に新生オープニングイベントをおこなっていたようです。

こちらの写真は改装後のようです。だいぶ雰囲気が違います。


訪問記 2017年

2017年訪問時には、36の展示室があり、それぞれにテーマがありました。後半こそ近代・現代に近くなってきますが、かといって、近現代の歴代オランイェ公が自分のご先祖を大事にしていたこともあり、八十年戦争期のものも要所要所に出てきます。


図書室には、ウィレム一世の蔵書だった品もありました。

展示室番号11の絵画ギャラリーには、あちこちでみた絵画がたくさんあります。

ナッサウ=ディーツ伯エルンスト=カシミールの妻ゾフィー=ヘートヴィヒと3人の息子の肖像。これもレーワルデンではなくここにあるのにびっくり。これは展示室番号11の絵画ギャラリーにありましたが、展示室5「ホワイトホール」(といっても部屋ではなく通路と階段)にはフリースラント・スタットハウダーゆかりの肖像画が10点近く飾られています。ほかにゾフィー=ヘートヴィヒは展示室8にもあり。

展示室番号14にある、フレデリク=ヘンドリクの妻アマーリア・フォン・ゾルムス=ブラウンフェルスと、フレデリク=ヘンドリクの姪ダービー伯夫人シャルロット・ド・ラ=トレモワイユ。年齢が近いので仲良かったのかもしれません。

攻囲戦の絵もちらほらはありましたが、基本的に油彩は肖像ばかりでした。 残念ながら絵画を集めた図録はなさそうでした。


コレクション

過去の公式サイトでは所蔵品を見ることもできたのですが、新サイトでは準備中のようです。オランイェ財団のサイトからは一部閲覧可。

2000年に東京国立博物館で開催された「オランダ王室 知られざるロイヤル・コレクション」の展示品も、このオランイェ財団から貸し出されたものがほとんどでした。「知られざる」の名の通り、王室の所有する文物なので、ここの宮殿でしか見ることのできない貴重なものが多くあります。

レストラン

改装前はランチの食べられるレストランでしたが、現在のサイト上のメニューを見ると、スナック程度の食事と比較的安価なドリンクを提供するスタイルに変わったようです。ここのリゾットとフレッシュハーブティーは人生でいちばん美味しいと思えるものだったのですが…

未だにこれを超えるリゾットに出会ってないです

オランダ紋章局博物館 Museum van de Kanselarij der Nederlandse Orden

宮殿中央が本体としたら、建物のうち右翼側が騎士団博物館になってます。ちなみに左翼側は特別展専用棟でした。

この展示室のメインであるオランダの騎士団(オランダ独自の騎士団も八十年戦争期にはまだ無いのですが)の騎士団章などは2F右側で展示。2F左側にはヨーロッパ各国だけでなく、日本の勲章などまで大量に飾られていましたが、最初の入口の部屋にオランイェ公フィリップス=ウィレムの肖像画があるくらいで、2Fはすべて比較的近代になってからの展示です。

1Fにはオランイェ家にまつわる文物が飾られています。通路側には紋章入りの陶器やガラスなど、小部屋にはメダル、マイセン焼、時計、胸像などモチーフによって部屋が分けられています。廊下のいちばん奥の隅にウィレム一世の彫像や、マウリッツ、フレデリク=ヘンドリクの肖像があります。

ファン・デーレンの三部作もここに(1F右側)。壁画だったんですね。

開館時間が宮殿より遅いのでご注意。


アクセス

観光客には若干アクセスの難しい立地です。アペルドールン駅からバスで15分ほど。ミュージアムカードを持っていれば(=チケット売り場に並ばなくて可)、正面から入らず横のTuinmanslaanからショートカットも可能。 途中、ズトフェン駅から私鉄に乗り換える際、複数の私鉄が同じ番線に何両も停まっているため迷いやすいです。

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