見出し画像

ビスコッティはストレス抑制の救世主になる。

「イラーッとした時にこれをガリガリ噛みしめてください。一番おいしい食べ方ですから」

冗談半分本気半分、ひとこと添えて職場の方々へお渡しした。ビスコッティを。


渡して30分後、後ろから聞こえてきた。
「ガリッゴリッ!」
さらに10分後、隣りからも同じ音が。
「ガリッゴリッ!」

ああ、ストレスを抱えているのね。日々の様子でなんとなくはわかります。厄介事は日々増えていき、やり場のない気持ちの処理にまで頭が回らないのでしょう。

そんな時こそ噛んで欲しいのです。
噛んで!噛んで!感情コントロール!


◽️噛むとストレス物質量が低下

人が視覚や聴覚など五感で感じとった刺激が「快」か「不快」かは、脳の「扁桃体」という部位で判断され、大脳に送られます。その情報が「不快」であった場合、また恐怖や不安を感じて交感神経の働きが活発になって放出されたアドレナリンやノンアドレナリンなどのストレス物質が身体に影響を与えます。ストレスがかかった状態でガムを噛んだ実験では、噛むことで扁桃体の活動が低下し、「不快」という信号が脳に送られにくくなり、血中のストレス物質の量が低下することが明らかになっています。

扁桃体は危険を回避して命を守りますが、過剰反応気味ではたらくと慢性ストレスになります。


◽️脳の血流を増やして健康維持

注意力や集中力をつかさどる前頭葉は、加齢やストレスにより血流がだんだん低下していきます。前頭葉の血流が低下することは認知症、うつ病との関連があることもわかってきています。
最近の研究では、よく噛むとその刺激が脳の中心近くにある「海馬」という部分を活性化し、それが前頭葉にも伝わり、血流量を増やすことが明らかになっています。

https://www.lotte.co.jp/kamukoto/brain/924より引用


前頭葉はさまざまな感情(怒りなど)をコントロールする機能や理性的な判断、また論理的な思考やコミュニケーションを行う重要な部位です。
健康のカギを握るといっても過言ではなさそう。

いつもと違ったものを食べる、初めてのレシピで料理する、違う作者の本を読む、普段着ない服をチョイスするなど小さな刺激でも積み重ねると、脳の活性化につながってストレス抑制の期待が高まります。



たかがビスコッティ、されどビスコッティ。

社交辞令かもしれないけれど、
「おいしかった。また作ってね」
「生地をどうやって切るのですか」
「『ビスコッティ』を検索した」

などの反応をいただいて、わたしがうれしい。
作って噛んで味わって刺激を受けて最高。
脳の血流が速まったに違いない。時速何mだろう。

心臓から出発した血液が全身を巡り、再び心臓に戻るまでの時間は約30秒だとか。体内で最も太い血管(大動脈)では秒速1mだそうです。


いいなと思ったら応援しよう!