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ブンタンイエローは癒しの色

一度火がついたら勢いで次々やっておかないと、あっという間に鎮火して忘れる習性を呆れるほど繰り返す。「誰のはなしですか?」「なんのはなしですか?」
これは決して演技でも計算でもなく、猛スピードで過去に変わる。

手持ちの柑橘は麗紅、文旦、媛小春。
いずれもマーマレードの素材で使用した経験あっても単体では作っていない。
あのさわやか過ぎて困る色を見たいから、小ぶりの3個で初文旦ソロマーマレードにチャレンジしよう。


柑橘の部位名称

(HIRYUサイトよりお借りしました)




◻️文旦マーマレード

【1日目】

文旦は立派で大きいサイズが多いですが、
扱いに疲れるので小さいものが好みです。
アルベド(中果皮)が分厚い。
ブンタンイエロー LOVE
ボリュームのある皮をゆでこぼし
アルベドは苦いため、後で厚みの半分を削ぎ取ります。
ゆでた果皮は細く切って水にさらします。
果肉にグラニュー糖をまぶします。
毎度毎度ビビる場面
(ピントが合っていませんが)
ブンタンイエローにグラニュー糖の粒がまぶさって
キラキラキラキラキラキラキラキラ


冷蔵庫でひと晩おやすみなさい。


【2日目】

グラニュー糖をまぶした直後はガサガサしていましたが、
泣いて泣いて大変です。
下処理済みの皮in
強火〜中火で加熱
残りのグラニュー糖とレモン汁を加えます。
さらに加熱します。
初めまして
ソロ文旦マーマレード
かわいいよ。


皮の量で少し悩む。入れ過ぎると苦味が強く、いくら糖度が高いマーマレードでもしっかり舌はキャッチする。逆に苦味を感じない場合は、もはやマーマレードではない。マーマレードはある程度の苦味があってこそ。この駆け引きが素人の悩める課題なのである。

ここからは文旦ほめちぎり

砂じょう(果肉の粒)が大きいしっかり構造で、甘酸っぱさをひと粒にギュッと閉じ込めている。じょうのう(果肉の袋)から取り出しやすいので作業効率が抜群によく、他の柑橘ではイラつきがちの剥き作業はストレスフリーに近い。

手がべたつかずに剥けるからありがたい。
(皮重量がヘビーなのは仕方ないか)

酸味の中に甘味があって、嫌味のないバランス。
いつ食べても当たり外れがない。

果肉の色がペール(pale)な黄色(yellow)。他にも同系色の柑橘はいくつもあるけれど、イエロー加減はピカイチ。じっと見て癒される色。

名前、文旦。どっしり力強い。
諸説あるけれど、文旦は覚えやすくていい。

ヒトに例えると「3高」=「高身長・高学歴・高収入」
並みの長所に加えて、気品、奥ゆかしさまでもつ。
もし柑橘履歴書なるものがあったら、まとめきれずに困るだろう。


今回のマーマレードは、長所の中でも一番好きなブンタンイエローを生かしきれず、小慣れた新入社員みたいな色になってしまった。
申し訳ないので、再度購入してきた文旦は加工せずにそのまま食べて、ブンタンイエローを満喫しよう。



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