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12【くらしヒアリング発表会_07】  プラントベースドフード、リアルに食べてる人って、どんな人!? (前編)


「くらしヒアリング発表会」とは?

オレンジページは、さまざまな調査を通して「生活者の声」に耳を傾けることで、本当に求められているニーズ世の中の小さな兆しを見つけ、誌面づくりを始めとする、さまざまな事業に生かしてきました。

「声」をあげて下さる核となるのが、オレンジページを支えるモニター組織「オレンジページメンバーズ」。そしてメンバーズのリアルな声から導き出された調査結果を、生活者に向けたビジネスに関わる方々にお届けするのが「くらしヒアリング発表会」です。

9月22日(木)には第4回として「プラントベースドフード、リアルに食べてる人って、どんな人!?」を実施。近年注目され、口にする機会が増えたという人も多いプラントベースドフード。でも、思ったほど暮らしに浸透していかない…と感じている企業が多いのも事実。そこで、実際に食べてる人は何を求めているのか、どこにメリットを感じているのかを調査。そこから「食べたい人が増えるかも!?  のヒント」を探りました。


「大豆ミート」の認知率は96%!
「プラントベースドフード」も、じわりと認知度上昇中


ここ数年で商品数が増え、スーパーなどでも目にする機会が増えた「プラントベースドフード」。その認知率を調査してみると、「大豆ミート」はなんと96.3%と、ほとんどの人が知っているという結果に。食べたことがあるかという問いに対しても、51.5%の人が「ある」と回答しています。

オレンジページメンバーズ調べ 2022年7月(n=695) (左)「大豆ミートを知っているか」(「知っていて、説明できる」+「聞いたことがある」の計)、(右)「大豆ミートを食べたことがあるか」

一方、「プラントベースドフード」について聞いてみると、認知率は36.1%、食べたことがある人は17.3%にとどまりました。大豆ミートにくらべるとグッと下がりはしますが、それでも認知率は今年1月に調査をしたときに比べて14Pもアップ。じわじわと認知度が上がってきていることがわかります。

プラントベースドフードにどんなイメージがあるかを聞いてみると、
1位「健康によさそう」(34.2%)
2位「体にやさしい」(28.1%)
3位「環境への負荷を減らせる」(25.0%)

と、好意的な意見が上位に上りました。4位に「食べ方がわからない」(24.3%)、5位に「身近な店で買えない」(20.4%)と、ややマイナスイメージの回答が続きますが、おおむね好意的に受け入れられているようです。


プラントベースドフードで作った料理の写真、
見せて!

プラントベースドフードを食べている人が、家庭でどんなふうに食べているか、気になりますよね。そこで、「実際に作った料理の写真を送って!」と呼びかけたところ、50点近い投稿がありました。ずらりと並べてみると、大きく3つの傾向が見えてきました。

①ワンプレートメニューが多い

カレー
麺料理

全投稿46点中、ワンプレートメニューが19点。なかでも多かったのが「カレー」と、「豆ヌードル」を使った麺料理。他にも「ガパオライス」「ビビンバ」などがラインナップ。夕食のおかずに…というよりは、手軽なランチメニューにという使い方が多いようです。

②大豆ミートは「ミンチタイプ」利用が圧倒的に多い

ミンチタイプの大豆ミートを使ったメニュー

投稿された画像のうち、大豆ミートを使ったものが最多。そのうちの7割がミンチタイプを使ったメニューでした。作り置きのミートソース餃子タコライスetc. 投稿の多かった「カレー」でも、ミンチタイプを使った「キーマカレー」が圧倒的多数でした。ミンチタイプは手軽に使え、また、粒が小さく独特の大豆の風味を感じにくいというメリットがあるようです。

③スイーツ系投稿者は喫食頻度が高め

スイーツ系メニュー

スムージーやアサイーボウル、フルーツたっぷりのミルク寒天のほか、ヨーグルトクリームのレーズンサンドなど、スイーツ系メニューを投稿した方はプラントベースドフードを食べる頻度が高いという傾向がありました。全体では「月に2回程度」という人が最多のなか、「週に3~4回」「週に1~2回」、なかには「ほぼ毎日」という方も! スイーツに使われるアーモンドミルクや豆乳ヨーグルトなどは、朝食やおやつで習慣的に食べることが多いため、頻度が高くなるものと思われます。

料理写真から見えたこと。
まだ「毎日のおかず」までは浸透していない!?

投稿された料理の3つの傾向から、以下のような「プラントベースドフードの現状」が見えてきました。

①「毎日のおかず」よりも、(自分だけが食べる)ランチメニューで利用
②「代替肉」としての違和感を感じにくいミンチタイプがニーズが高い
③喫食頻度が高いのは、朝食やおやつとして食べられる代替乳製品

だいぶ浸透してきた感のあるプラントベースドフードですが、まだまだ「毎日のおかず」として活用するところまでは、暮らしに根付いてはいないと言えそうです。


プラントベースドフード、なぜ食べてる?

では、これからもっと暮らしに浸透するためには、何が必要なのでしょう。いまリアルに食べている人が、プラントベースドフードに何を求めているかに、そのヒントがあるのでは……と考え、料理写真を投稿してくださった方30名に「食べる理由」を伺ってみました。

The Orangepage Inc. All rights reserved 2022

もっとも多かったのは、「たんぱく質がとれるから」という理由。じつは今回の30名だけでなく、7月に行った定量調査(n=695)の結果でも、プラントベースドフードを食べたことがある人のうち、じつに80%の人がたんぱく質を積極的にとっているという結果が出ているんです! さらに、食べたことはないけど食べてみたいという人でも、75%がたんぱく質を積極的にとっていることがわかりました。

なぜたんぱく質をとりたいのかを探ってみると、全体では「健康のため」「筋肉量のキープまたはアップのため」という声が上位に。年代別で見ると、60代では免疫力アップなど健康意識からとりたい人が多いのに対し、30代では「髪や爪によさそう」「ダイエットに効果がありそう」と、美容やダイエットを意識している人が多く、年代によって求めるものが違うことがわかりました。

The Orangepage Inc. All rights reserved 2022

きっかけはさまざまですが、多くの人がたんぱく質をとりたいと感じていて、プラントベースドフードをリアルに食べている人の多くも、求めているのは「たんぱく質」ということが見えてきました。食べる理由として「低カロリー・低脂質だから」と答えた人も多く、肉や乳製品よりもヘルシーなところもポイントといえそうです。


プラントベースドフードをリアルに食べている人の多くが求めるものは「たんぱく質」

次回、後編ではこの「たんぱく質」に注目し、インタビューなどから「リアルに食べてる人像」を浮き彫りにし、「食べたい人が増えるかも!?」のヒントを、さらに探っていきます。


オレンジページでは、さまざまなリサーチやデプスインタビューによる生活者のリアルなインサイト発掘、「兆し」の発見で、みなさまのマーケティング活動のお手伝いができればと考えております。ご興味がありましたら、下記までお問合せください。

文)オレンジページくらしデザイン部